円覚寺境内の一番奥まったところにある塔頭・黄梅院(おうばいいん)、四季を通して様々な花が境内を彩ります。
山門手前の山際にはショカッサイ(諸葛菜)とその奥の咲き始めのシラユキゲシ(白雪芥子)の群生が見事です。(残念ながら、シラユキゲシは画像には写っていませんが)
「ショカッサイ」は、中国原産で江戸時代に日本に持ち込まれ、いまでは野生化しているとのことです。
私の記憶では、30年ほど前には鎌倉では今ほどの群生はなく、この花を見るために覚園寺近くまで行っていたように思います。
オオアラセイトウ、ハナダイコンなどの別名がありますが、私はショカッサイという名の響きとこの花の風情が大好きです。
境内にはたくさんのシャガ(射干)が花を咲かせていますが、2輪だけ陽をあびている姿が仲睦まじくて…いいですね~
岩の上や大木に着生するラン科の着生植物で、黄梅院には数株見ることができます。
花の形を舟の碇(いかり)に見立てた「イカリソウ(碇草)」です。
左の白いイカリソウは「バイカイカリソウ(梅花碇草)」という名札がついていましたが、バイカイカリソウには距(きょ)が無いことが特徴なのに、画像のは距がありますので、トキワイカリソウではないかと思います(不確かですが…)
小さな花ですので、今まで見逃していたのかもしれませんが、藤棚の下に思いがけない「ニョイスミレ(如意菫)」(別名:ツボスミレ)の群生。
白色で、直径1cmほどと可愛らしい花です。唇弁には緻密な紫色のすじがあります。
葉っぱの上に地味ですがれっきとした花が、ちょこんと乗っかった「ハナイカダ(花筏)」
名の由来は見たとおり、花を乗せた葉を筏に見立てたものです。
雌雄異株で、葉の上に雌花はふつう1個、雄花は数個つくそうです。画像は2枚とも雌花ですが、左のように2個ついているのも見られました。
ケシ科の多年草で、日陰でも良く咲き、増えます。
うつむき加減に咲く、白い4弁の花は清楚で、お寺の庭に似合います。
( 2012年4月29日撮影 円覚寺・黄梅院 )