三方を山に囲まれた鎌倉への陸路の入り口は、“極楽寺坂切通し”“大仏坂切通し”“化粧坂(けわいざか)”“亀ヶ谷坂”“巨福呂坂(こぶくろざか)”“朝比奈切通し”“名越切通し”の七箇所があり、これを“鎌倉七口(かまくらななくち)”と言います。
その中のひとつ「亀ヶ谷(かめがやつ)坂」は、北鎌倉・山之内から鎌倉・扇ガ谷(おうぎがやつ)へと抜ける少し急な坂です。
北鎌倉で撮影後、この坂を抜け海蔵寺へ寄るのが私の定番コースなのですが、最近は長谷方面から海蔵寺へ行き、亀ヶ谷坂を上り北鎌倉へ。。で、坂を抜けたところで気力と体力の限界が来てしまい(実はこのコース、上りが結構きついのです)、ひたすら北鎌倉駅へと向かってしまっています。
5月12日も結局亀ヶ谷切通しのあとは北鎌倉駅に直行になってしまったのですが、切通しではそれなりに撮影を楽しむことができましたので、ご紹介をしたいと思います。
ケシ科クサノオウ属で、日当たりのよい道ばたや草地、林縁などの生える高さ30~80cmの2年草です。
クサノオウは茎や葉を切ると黄色の乳液が出るので“草の黄”だという説、また、皮膚病にも効くので「瘡(くさ)の王」、薬草の王様という意味で「草の王」など諸説あるようです。
たくさんの雄しべの真ん中に薄黄緑色の雌しべがありますが、先が途中から曲がったような面白い形をしています。
切通しの斜面には今の時期、たくさんの極小の綿毛をつけた「ツルカノコソウ(蔓鹿子草)」の群生を見ることができます。
花よりもこの綿毛が可愛くて、風に揺れるのを酸欠になりながら必死で撮影。
綿毛の下にはしっかりと果実がついています。
右の花の画像は、舞岡公園で4月16日に撮ったものです。
開いた花はほぼ白色ですが、蕾の淡いピンク色が可愛いです。
途中にはハルジオンやクサノオウの花畑、もう少しすると、ベニバナボロギクにバトンタッチです。
( 2012年5月12日撮影 鎌倉・亀ヶ谷切通し )