はなこのアンテナ@無知の知

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ただただ悲しい

2014年07月20日 | 気になったニュース
ウクライナ北部上空1万メートルを、マレーシアのクアラルンプールへ向かって飛行していたマレーシア航空機が、何者かに撃墜されて、298人の尊い命が失われた。

現時点では、状況から見て、犯人は最初からこの便を狙ったのではなく、紛争地帯であるウクライナ上空を飛ぶ飛行物体ならどれでも良かったようである。

報道によれば、東南アジアに向かう欧州便は、従来、この飛行ルートを使用するのが珍しくなかったらしい。今回の事故直前まで、ドイツのルフトハンザ航空やKLMオランダ航空、シンガポール航空、キャセイ・パシフィック航空、タイ航空は、撃墜されたマレーシア航空と同じ飛行ルートで航行していたと言う話だ。

だから、たまたま今回、マレーシア航空が撃墜されたのであり、被害者が、もしかしたらルフトハンザやKLMやシンガポールであった可能性も否定できないのだ。紛争とは何ら関係のない民間機が、ウクライナの紛争に巻き込まれた形だ(ただし、この撃墜で誰が得をするのかという視点から、紛争当事者ではない、謎の第三者による陰謀説も、まことしやかに囁かれている)

今、世界では犯人捜しが行われているが、誰が犯人であったとしても、何の罪もない、紛争とは無関係の298人もの命が突然に奪われたことに変わりはない。たとえ真相が究明され、犯人が特定されたとしても、失われた298人の命は、もう戻って来ないし、かけがえのない存在を突然失ってしまった遺族の悲しみが、癒えることもない。

映像で見る墜落した機体の無惨な姿に、つい考えてしまう。被害者は自分の死を、その瞬間まで自覚することなく亡くなってしまったのか?それとも、一瞬でも恐怖と痛みを感じて後に亡くなってしまったのか?せめて前者であって欲しいと思うのは、生きている者の傲慢な考えだろうか?

さらに、今、こうしている間にも、中東のイスラエルでは、イスラエルとパレスチナの紛争で、多くの命が奪われている。しかも兵力で劣るパレスチナの、無辜の一般市民の犠牲が圧倒的である。ウクライナでのマレーシア航空機撃墜事件では、ロシアに対して強硬な姿勢の米国も、ガザ地区を侵攻するイスラエルに対しては黙認である。かつて両者の仲裁役であったエジプトの首相がクーデーターで失脚し、彼に代わる仲裁者がいないことも、事態の深刻化を招いている。

潘基文事務総長率いる国連が何ら役に立たず、世界各地で頻発する紛争問題の仲裁役が全くいない不幸な現状が、ただただ悲しい。戦後70年近く経過して、制度疲労を起こした国連(特に常任理事国の固定はナンセンス。一体いつまで戦勝国気取りなのだ?!逆にドイツやイタリアや日本はいつまで敗戦国・戦犯扱いなのだ?!)は一度解体して、再編する時期に来ているのではないか?

新たな世界連合の枠組みの為に、第三次世界大戦を待つなんて、それこそ本末転倒だし、次の戦後はおそらくない(=人類滅亡)だろうから、今ある国連をどうにかするしかない。しかし、それに対しては既得権益者(言うまでもなく常任理事国や国連で甘い汁を吸っている人々)の必死の抵抗があるのが目に見えていて、おそらく現実的には難しいのだろうな、と半ば諦めてしまっている無力な自分がいる。

どこの国、地域からでも良い。そんな私の無力感を払拭するような、(別に清廉潔白・品行方正でなくて良いから)世界平和の高い志を持った、真のリーダー(←女性の可能性も大いに有り)の登場を待望している。
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