はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

「第10回菊池ビエンナーレ展」に行って来ました☺️

2023年12月27日 | 文化・芸術(展覧会&講演会)
先日、日経(新聞)読者サイト「Club NIKKEI」の懸賞で上掲タイトルの展覧会のペア招待券が当選したので早速夫婦で見て来ました☺️。

場所は中央官庁街の霞ヶ関に隣接するオフィス街、神谷町に在る私設美術館「菊池寛実記念 智美術館」。

最近、話題の「虎ノ門ヒルズ」や「ホテル・オークラ」に程近い場所に位置し、高層ビルが林立する街中にさりげなく佇む、こじんまりとした美術館ですが、ロビーや地下の展示室へと続く優美な螺旋階段の壁を、大胆な筆致の篠田桃紅氏の作品(撮影不可)で装飾する等、趣向を凝らした意匠になっています。2003年に開館。

実は懸賞に当選して、今回初めて、その存在を知った次第です😅。

私は自分から積極的に情報を求めて行くタイプの人間ではないので、こうした機会を与えられるのは有り難いですね。日経新聞社に感謝❗️

明治から昭和にかけて炭鉱や電力等のエネルギー事業で財を成した実業家、菊池寛実(きくち かんじつ)氏と、その娘で京葉瓦斯の経営者であり、現代陶芸のコレクターとしても知られた智(とも)氏、両者の名前を冠した当美術館。創設者の智氏は2016年に逝去され、現在は娘の節氏が館長を務めておられる由。

敷地内には日本庭園を囲むように美術館が入る6階建ビルと、国の重要文化財にも指定されている大正時代に建てられた西洋館や蔵もあるとのことですが、今回拝見したのは美術館のみ。さらに数台駐車可能な平置きの駐車場も完備で、周辺の地価を考えると何とも贅沢な「隠れ家的」空間です。

まずは外塀。

美術館外観。

美術館の玄関口。

大正時代に建てられたと言う洋館。

洋館の玄関ドア。

玄関ドア上部のステンドグラスは米ティファニー社製。



そして、美術館で拝見したのは、今回で10回目を数えると言う現代陶芸の公募展「菊池ビエンナーレ」。過去最多に次ぐ359点の応募の中から、第一次画像審査と第二次作品審査を経て選出された入賞(大賞、優秀賞、奨励賞〈3点》)5点を含む入選作品53点が一堂に展示されています(他に撮影不可の常設展示作品も数点)。

全ての作品を拝見して感じたことは、表現手段として「陶芸」を選んだ作家達が、造形や絵付けや使用する材料の選択とその用い方に創意工夫を凝らし、自身の個性を思う存分に発露して、展示会場は百花繚乱の体を成して、大変見応えがあったなあと☺️。

とは言え、現代美術は美術と工芸、平面と立体、使用する材料(絵の具、顔料、インク、石膏、石、木、金属、砂、紙等々)の違いと言った「ジャンル」や、作家自身の性別や人種、国籍、階級、そして信仰や思想・信条と言った「属性」の垣根を軽々と超えて、さらには表現の技術的な優劣も関係なく、作家自身が「作品」を通して、或いは「創作活動」を通して、「哲学すること」に価値を置いているように私には見えます。

それは本展の作品群にも率直に感じたことでした☺️。

究極的には、作家本人が自身の創作物をアート(芸術)だと表明するのなら、誰が何と言おうと、他者がそれを受容するか否かに関わらず、アート(芸術)として成立する時代なのかなと。

そんな邪?なことを思ったりしながら、多彩な作品との対話を楽しみました😌。

今回ビエンナーレ作品に関しては「撮影可」だったので、個人的に気に入った作品の写真を以下にupします(取り急ぎ作品のみ。後で追々タイトルと作家名をupします)。































従来の工芸展とは異なり、新進・若手の、清新でチャレンジングな作品を多く目にしました(もちろん、この発言を以て、伝統や熟練を否定するものではありません。あらゆる業界で後継者不足が深刻化する中、若手の参入が引きも切らないのは、業界にとって喜ばしいことだと思うのです)

会期は来年の3月17日(日)まで。ご興味を持たれたなら、是非、足をお運びいただけると嬉しいです☺️。

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