はなこのアンテナ@無知の知

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ちょっと考えてみよう

2023年12月26日 | はなこ的考察―良いこと探し
ここ数日、巷間を賑わせているのは、有名デパートの通販で購入したクリスマスケーキが、見るも無惨な形で注文客の元に届いた件である。

この一件、いかにもイマドキらしい筋道を辿って大騒ぎになった。

SNSで被害者らから画像付き情報の発信によってその惨状が次々と明らかになり、それにマスコミが飛び付き、発売元の有名デパートは元より、そのケーキを監修した有名シェフ、実際に製造を手がけた製菓会社、そして配送を担当した宅配業者にまで取材が及んだ。

昨日のニュースでは、監修したシェフが顔出しで取材に応じ、こうした企画販売が立案、製造、配送に至るまで綿密な計画の下に始まって数年になるが、今回のような事態は初めてのことだと、カメラの前で無念の表情を浮かべていた。

しかし、このニュースを耳にしての私の第一印象は、「人々がここまで通販に利便性を求めるようになったのか」と言う驚きである。

お気に入りのケーキ🍰をケーキ店で購入した際にはガサツな私ではなく、より慎重な性分の夫が持ち帰ると言う我が家の常識に照らせば、あのホイップクリームたっぷりのfragileなクリスマスケーキを、冷凍してとは言え、宅配便で届けて貰うこと自体が驚きなのである。

マスコミでは、なぜこのような事態に至ったかの“犯人探し”に余念がないが、こと配送業者のこの時期の多忙さには同情の余地がある。

我が家はミネラルウォーターの宅配をAmazonの定期便でお願いしているが、通常は事前の配送連絡(日時や届け方等)が逐一丁寧なヤマト運輸が、昨日は事前連絡もなく、また玄関先のチャイムによる合図も無く「配達完了メール」のみの連絡であった。それだけ、この時期は多忙を極めているのだろう。

一昨日の繁華街ではケーキを求める買い物客が、至る所で長蛇の列を成していた。それはもう何年も前からのこの時期の風物詩でもある。本来、クリスマスケーキとはそうやって買い求めるものが大半であろう。

今回通販を利用して無惨にも潰れたクリスマスケーキを手にすることになった方々には様々な事情や考えがあっての通販利用だったとは思うが、利便性を求めることにはある程度リスクを伴うものだと言うことが図らずも露見した形だ。

流通危機が叫ばれる「2024年問題」が迫る中、今回の一件は決して他人事ではなく、便利な世の中に慣れ過ぎた私達ひとりひとりへの警告であったようにも思う。

あらゆるサービス業で人手不足が深刻化する中、私達は何に対して本当に労力を割くべきか、人的資源を投入すべきか、今一度真剣に考えるべき時が来ているのかもしれない。

そもそも、今回の一件で大騒ぎする日本はつくづく平和だなと思う。(軽薄さを装いつつ)そう仕向けているようにも見えるマスコミには、より切実な問題から私達の目を逸らせる何らかの意図を感じなくもない。

(了)


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