Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

リビングウィル

2008-02-20 | 医療・病気・いのち
リビングウィルという言葉を初めて聞いたとき、私は「生きる意志」を意味するのだと思った。でもこの場合のウィル(will)は主として遺言の意味で使われるらしい。生前に、「死期が迫ってきたとき、いたずらに死期を引き延ばす措置を拒否する」旨を表明する、という意味では尊厳死とも重なるものであろう。尊厳死と呼ばれても、やはりそこには、最後まで自分の意思で生きていたい、という思い、死ぬまで生きていたいという思いがあるわけで、死よりは生に重心をおいたものであろうと私は思っている。だから私のイメージでは、リビングウィルはやはり、生きる意志。

持続的植物状態の21歳のカレンから、生命維持装置を取り外すことを認める判決がでて、もう30年くらい経つだろうか。その後制定されたカリフォルニア州自然死法(natural death act)が、リビングウィルを法的に確立させたものといわれている。

「末期状態になったときに、生命維持装置を中止するか取り外すようにと、18歳以上の者が知的精神的判断能力がある間に,医師に対して文書をもって指示する書面を作成しておく権利をカリフォルニア州民に認める。」

といった内容で、前もって作成した個人の自己決定権が、終末期まで持続していることを保証している。また、このような行為の実施に携わった者に対して、いかなる民事責任も刑事責任も科せられないことを法的に保証したものだった。

わたしは、この法律を表す英語、natural death act、という言葉に重いものを感じる。決して自ら命を絶つという意味ではない。ただ、自然な死を望む権利を保障しましょうという意味だと思っている。死が目前に迫り、何をしても救命できないような状態で、人工呼吸につながれているような不自然な死を望まない権利を保障しましょうという意味だと思っている。

後期高齢者医療制度の中で設けられる、後期高齢者終末期相談支援が意味すると思われるリビングウィルの中でも、この生きる意志を十分尊重するものであるようにしてもらいたいと思う。

ちなみに、生命維持装置を外してから,カレンは9年間生き続けた。

人智を超えた生の不可思議。

終末期相談支援?

2008-02-20 | 想い・雑感
この4月から導入される後期高齢者医療制度
どのような制度か私はまだ把握していないのだが
「後期高齢者終末期相談支援料」という項目が新設されるらしい

終末期相談とはまた妙な言葉を見つけてきたものだが
自分が終末期になったときどうしてほしいかの相談を
あらかじめしておけば保険点数がつきますよ ということみたいだ

後期高齢者医療制度が
姥捨て山法に決してならないようにするためにも
1:リビングウィルをきちっと定義する
2:その意思を尊重することを保証する
3:意思を尊重する際に行われたことに対して法的に擁護する
というようなことをきちっと決めていただかないとならない

厚労省は法務省ときちっとつめているのだろうか

あいまいな法令を出した上で
実際の判断を現場に押し付けるようなことは
してほしくない

それと
この支援が後期高齢者医療制度の中だけに存在するのはおかしい
終末期を迎える方は
75歳未満だってたくさん居られるのだ

医療全体にわたって導入しなければ
やはり 姥捨て山法案?
といわれても仕方が無い