「内閣不支持率逆転40%」と、2007年2月20日付朝日新聞が1面トップでうれしそうに書いていた。同紙の2月中旬の世論調査では、安倍内閣の発足後初めて、支持率37%不支持率40%と、支持よりも不支持が上回ったそうである。
1月末のFNN調査では不支持40%、支持39%。2月初旬の共同調査でも不支持44%、支持40%だった。発足以来、妻と手を取り合って外遊の飛行機に乗って見せる以外、これといったエンターテインメントがなかった(「産む機械」という別口のネガティブな騒動はあった)ため、安倍内閣の人気が落ちているのだろう。
内閣支持率の標準的な傾向として、内閣発足直後がご祝儀相場でもっとも高くなる。その後徐々に(首相によっては急激に)下がる右肩さがりのグラフになるのが典型的ケースだ。日本の内閣の場合、首相によっては在任中の何度かの内閣支持率の平均値をとると、不支持が支持を上回るケースもまれではない。
その筋では、内閣支持率が30%を切るようになると、そろそろ危ないといわれてきた。朝日新聞も社説で「もはや赤信号に近い」と危機をあおっている。
さらに、閣議で首相が現れても、起立もしないで私語を交わしている閣僚がいる、と自民党幹事長に暴露された。それが新聞で報道されてしまった。かつて、議会によって罷免されたインドネシアの第3代大統領、アブドゥルラフマン・ワヒド氏が議会で議員に向かって「君らは幼稚園児なみ」と暴言をはき、議会からひどくうらまれたことがあった。安倍内閣の閣僚も似たような園児なみと、与党の幹事長に言われてしまったのである。
しかし、内閣が退陣するころには、支持率が1ケタ台に落ちている場合がよくある。逆の言い方をすれば、支持率1ケタまではガンバレる、ということだ。37%はまだ余裕の数字だ。
朝日新聞の安倍内閣支持率調査では、内閣発足時の2006年9月が支持63%で2007年2月が37%だから5ヵ月で26ポイント落ちたことになる。もしこのままの調子で支持率低下が続いても、1ケタ台に達するまでには、まだ28ポイント、5ヵ月強の余裕がなお残されている。
参院選の前に首相を入れ替えて、新人ご祝儀人気で選挙を乗り切るのか、ここは安倍氏と一蓮托生、踏ん張ってみるのか。対抗政党の民主党も人気を落としているだけに、なかなか判断の難しいところだ。麻生氏をはじめ、次を虎視眈々とねらう人々は何と考えているのかな。
(花崎泰雄 2007.2.20)
1月末のFNN調査では不支持40%、支持39%。2月初旬の共同調査でも不支持44%、支持40%だった。発足以来、妻と手を取り合って外遊の飛行機に乗って見せる以外、これといったエンターテインメントがなかった(「産む機械」という別口のネガティブな騒動はあった)ため、安倍内閣の人気が落ちているのだろう。
内閣支持率の標準的な傾向として、内閣発足直後がご祝儀相場でもっとも高くなる。その後徐々に(首相によっては急激に)下がる右肩さがりのグラフになるのが典型的ケースだ。日本の内閣の場合、首相によっては在任中の何度かの内閣支持率の平均値をとると、不支持が支持を上回るケースもまれではない。
その筋では、内閣支持率が30%を切るようになると、そろそろ危ないといわれてきた。朝日新聞も社説で「もはや赤信号に近い」と危機をあおっている。
さらに、閣議で首相が現れても、起立もしないで私語を交わしている閣僚がいる、と自民党幹事長に暴露された。それが新聞で報道されてしまった。かつて、議会によって罷免されたインドネシアの第3代大統領、アブドゥルラフマン・ワヒド氏が議会で議員に向かって「君らは幼稚園児なみ」と暴言をはき、議会からひどくうらまれたことがあった。安倍内閣の閣僚も似たような園児なみと、与党の幹事長に言われてしまったのである。
しかし、内閣が退陣するころには、支持率が1ケタ台に落ちている場合がよくある。逆の言い方をすれば、支持率1ケタまではガンバレる、ということだ。37%はまだ余裕の数字だ。
朝日新聞の安倍内閣支持率調査では、内閣発足時の2006年9月が支持63%で2007年2月が37%だから5ヵ月で26ポイント落ちたことになる。もしこのままの調子で支持率低下が続いても、1ケタ台に達するまでには、まだ28ポイント、5ヵ月強の余裕がなお残されている。
参院選の前に首相を入れ替えて、新人ご祝儀人気で選挙を乗り切るのか、ここは安倍氏と一蓮托生、踏ん張ってみるのか。対抗政党の民主党も人気を落としているだけに、なかなか判断の難しいところだ。麻生氏をはじめ、次を虎視眈々とねらう人々は何と考えているのかな。
(花崎泰雄 2007.2.20)