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犬好き

2019-11-02 16:01:35 | 国際

トランプ米大統領がISISの指導者アブ・バクル・バグダディ師の死にざまについて、「犬のように死んだ」と大統領の公式ステートメントの中で表現した件は、前回のPodiumで書いた。

イスラム教は豚と犬を不浄として嫌う。何年か前のことだが、マレーシアで「ホットドッグ」という名称は不浄なので、呼び名を変えるべきだという議論がもちあがったことがある。

イスラム教が犬を不浄な動物とみなしていることを知ったうえで、イスラム過激派のバクダディ師の自爆死を「犬のように」と言ったのは、大した罵りである。残る火にアブラを注ぐことにならねばよいのだが。

さてトランプ大統領、今度はそのあざけりの矛先を自国の政治家に向けた。民主党のベト・オルーク前下院議員が2020年の大統領選挙の指名争いから降りたことについて、「犬のように退いた」と揶揄した。

オルーク氏は地元のエルパソの大量殺戮銃撃事件について、トランプ大統領の反移民政策の影響だと非難したことがある。その怨念があって、トランプ氏はオルーク氏を「犬」と呼んで仕返しをしたのだろう。

敵対者に対する人格攻撃は政治の世界ではよくあることだが、これを隠微な手法ではなくて、あっけらかんとやってのけるところがトランプ氏の流儀である。品のない話だが、政治の暗黒面の一部を白日にさらす、虫干し効果もある。

ちなみに、ドナルド・トランプ氏は1946年生まれ、日本流にいえば昭和21年、戌年の生まれである。彼の「犬」「犬」発言とは何の関連もないことではあるが。

 

(2019.11.2 花崎泰雄)

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