Podium

news commentary

御破算で願いましては

2024-06-15 22:28:21 | 政治

いつから梅雨に入りいつ頃梅雨が明けるのか。どうもはっきりしないが、6月20日告示、7月7日投票の東京都知事選は確定している。40人を超える人々が立候補を予定しているとメディアが伝えている。賑やかなお囃子にのって現職の小池百合子氏と参議院議員を辞して都政に挑戦する蓮舫氏との争いになると世間は面白がっている。小池氏がこれまでの2期8年、都知事として何をやったか――築地市場移転、東京オリンピック、神宮外苑再開発などをめぐる毀誉褒貶は新聞で読んだが、東京で暮らす人々の日常が、この8年間でどの程度よくなったのか、あるいは悪くなったのか、私にはわからない。蓮舫氏が都知事になって何をしようとしているのか、こちらもよくわからない。

小池―蓮舫対決は都政をめぐって行われる以上に、もっと大がかりな意味がある。

韓国の大統領の任期は1期5年に限られる。台湾総統の任期は4年2期限り、フランス大統領の任期は5年、連続2期まで可能、米国大統領の任期は4年2期まで。ロシア大統領は任期6年連続2期までだが、プーチン大統領が憲法を改正して、2024年からは過去の任期をノーカウントにして、あらたに2期12年とした。中国の国家主席は連続2期までだったが、習近平氏の時代に憲法を修正して任期の制限をなくした。習近平氏は現在3期目の国家主席を務めている。

「転石は苔むさず」という言葉を、肯定的に受け止めるか、否定的に受け止めるか。それは各地の文化や時代によって異なる。国家最高指導者の任期に制限を加えた米仏韓台は権力者のほど良い交代制度を法律で定めた。「さざれ石のいわおとなりて苔のむすまで」とうたってきた日本では公職の期間に制限を定めていない。

そうした事情もあって、日本では古くからの地盤・看板・カバンの3バン選挙を通じて、職業としての政治家の家業化がすすみ、自民党に見られるように、緊張感に欠ける世襲議員たちとそのとりまきが永田町にとぐろを巻いた。

自民党安倍派を中心とした政治パーティー券のスキャンダルを目の当たりにした日本の有権者たちは、日本経済の不振、賃金の低迷、不正規雇用の拡大、学術の賃貸、さらにはこのところの円の弱体化など、そのほとんどが自民党長期政権いすわりと無関係ではないと感じている。

岸田内閣の支持率は低迷を極め、自民党の党勢も大きく陰りを見せている。このところ各地の選挙で自民党は負けを続けている。小池都知事の3選で、何とか負け癖を払拭し、再起のためのカンフル剤にしたいと自民党は考えている。

ということは、小池都知事の3選を阻止できれば、保守政党としての自民党はそのダメージで強度の機能不全に陥り、野党に政権を渡さざるをえなくなる。

この原稿を書いている私のPCは年に1度くらいの割合で帯電して操作ができなくなる。また、部屋の中の家庭用wifi も帯電する。電源コードや機器の接続コードを引き抜いて10分ほど放置する、すると放電の効果で、PCが再び正常に動き出す。

(2024.6.15 花崎泰雄)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする