夏祭り

私の夏祭りが
『お化け屋敷』になって五年になる。
今夏は酷暑、
汗まみれになりそうだ。
酷暑は要注意でも
『お化け屋敷』をやらないと、
私の夏祭りは終わらない。
　定年退職で目標を失った時、
目にとまったのが
『お化け屋敷』参加者募集記事。
夏祭り特集の市広報誌に掲載された、
普段なら読むこともない
ちいさな記事が
私を行動させた。
　青年グループに老人ひとり。
躊躇はあったが、
開き直って頑張ることに決めた。
子供か孫といっていい若者たちと
『お化け屋敷』成功に向けて
全力を傾けた。
　会場の準備に始まり、
夏祭り本番は
お化けに扮し奮闘した。
汗ダラダラになりながら
やり終えた瞬間、
老人は自然と仲間になれた。
　夏祭りは見物するより、
参加型がどれほど楽しく
充実しているかを体感して以来、
わたしの夏祭りは
『お化け屋敷』になった。
　五年目も老人はひとり。
でも心は若者に負けないと自負する。
今夏もやる気満々だ。