「腹ペコペコやー!なんか食うもんないん?」
小学校から帰ると、いつもそう訴えた。
貧しい時代で、
子供のおやつといえば
サツマイモをふかしたものが代表的だった。
ただし子供が空腹を訴えても、
すぐふかしイモが用意できるわけはなかった。
そんな時、
「これでも食べとき」と、
母が手早く用意してくれたのは、オニギリ。
これが実に美味かったのだ!
かまどで炊きあげたご飯の残りだが、
これがタダモノじゃなかった。
お釜の底に焦げ付いたご飯を
こそげたものを握ってあった。
おこげに母の効かせた塩味は、
これまた絶妙だった。
あれは腹を空かせた我が子を思う母の愛情が、
隠し味になっていたのだろう。
最近炊飯器が壊れて、
フライパンでご飯を炊き始めた。
炊く時間を延ばせば、おこげができる。
それでオニギリを作ってみたが、
何度握っても、
記憶に残るオニギリの味は再現しなかった。
小学校から帰ると、いつもそう訴えた。
貧しい時代で、
子供のおやつといえば
サツマイモをふかしたものが代表的だった。
ただし子供が空腹を訴えても、
すぐふかしイモが用意できるわけはなかった。
そんな時、
「これでも食べとき」と、
母が手早く用意してくれたのは、オニギリ。
これが実に美味かったのだ!
かまどで炊きあげたご飯の残りだが、
これがタダモノじゃなかった。
お釜の底に焦げ付いたご飯を
こそげたものを握ってあった。
おこげに母の効かせた塩味は、
これまた絶妙だった。
あれは腹を空かせた我が子を思う母の愛情が、
隠し味になっていたのだろう。
最近炊飯器が壊れて、
フライパンでご飯を炊き始めた。
炊く時間を延ばせば、おこげができる。
それでオニギリを作ってみたが、
何度握っても、
記憶に残るオニギリの味は再現しなかった。