こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

アセアセうるうる

2015年12月30日 00時12分10秒 | 文芸
母校の入学式に列席した。

当時同窓会の副会長で,

新入生に歓迎の言葉を贈る役割だった。

 前夜、

何度も読み返した原稿を手に壇上に上がった。

式台ごしに会場を見やると、

まだ童顔の後輩たちが希望に燃えた紅顔を見せていた。

その瞬間、

頭の中が真っ白になった。

「みんなの希望に輝く顔を見て、

私が入学した日を思い出しました!」

 第一声は、

原稿にない言葉。

新入生に語りかけるというより、

興奮気味に鼓舞するものだった。

私は学生に戻っていた。

 新設された工業高校の第二期生。

仮校舎での授業、

実習に目を輝かせたあの時……悲喜こもごもの高校生活が、

今の私を作った。

「ものづくりに生きる喜びを身に着けるには,

最高の学び舎です。ぼくら先輩を乗り越える技術屋に、

遠慮なく是非、

なって下さい!」

 冷静さを欠いた感情的な式辞に、

思いもしない万雷の拍手!

「いい式辞でした」

校長先生の褒め言葉に、

目が潤んだのを思い出した。

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