こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

今は昔、一番風呂が……

2015年07月15日 00時04分05秒 | 文芸
いまは昔、一番風呂。何もかも子ども優先へ

 結婚当初から、ズーッと女房に立てられてきた来たわたし。もりろん、一番風呂、食事の配膳も一番最初と至れり尽くせりで、全く男冥利につきるといっていい待遇に、なんといい嫁さんを獲得したものだと感動もんあった。
 子どもが出来てからも、
「はい!まずお父さんからね」
 と必ずひと言が添えられて、なんともいい気分を味わい、ゆったりと構えていた。
 ところが、この春、子どもが新1年生になると、妙に雲行きがおかしくなってきた。
「この子、宿題しなきゃいけないから、先にお風呂つかわしてやってね」
「お父さんのグズグズペースに合わせていたら、子どもに悪い習慣がつくでしょう。先に食べさすわね!」
 もう風呂も食事も、時にはトイレなんかも中断させられたり、後回しにされる始末。
 そりゃ、愛するわが子のためと思えば別に何でもないが、あまりの環境急転には戸惑うばかり。
「お父さんみたいにならないように、勉強よ!」
 教育ママに急変した女房の声が家中に響き渡る。
(神戸・1990・6・22掲載)


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