老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

796;ただいま〔2〕

2018-07-04 21:52:40 | 老いの光影 第2章
さくらデイサービスの食堂 テーブルを囲み食事作り

民家活用 定員10名の地域密着型通所介護(地域密着型小規模デイサービス)


ただいま〔2〕 

さくらデイサービスのスタッフは5名
スタッフの休みがあるので
実際の1日のスタッフ4名

(1週の内、1日は5名のスッタフになる)
「文婆さんをお客様扱いにしないこと」
「楽しんでもらうこと」
それには
何かを主体的にしてもらうこう(お願いする)

今日のお昼のメインは
焼きおにぎり🍙とシチュー
爺さん婆さんも昼食づくりで
和気あいあい
勿論サランラップ掌に乗せ
おにぎり🍙を握る
三角や真ん丸や俵型など
さまざまな形をしたおにぎり🍙
文婆さんも握った
その顔に笑いがあった
いびつな形のおにぎり🍙であっても
スタッフは注文をつけない
ただ一言
「ありがとう」と
爺さん婆さんの見えないところで
いびつなおにぎり🍙を手直しをする

手直しをしたおにぎり🍙に
醤油を漬け
熱い鉄板焼きの上で🍙を転がし
焼きおにぎり🍙が出来上がり

次にシチューの具材を切ったり皮を剥いたりする
文婆さんには
皮ひきでじゃが芋や人参を手渡し
皮むきをお願いする
必ずスタッフが脇につき
スタッフも皮むきをしながら
「上手~ね」とごく普通に褒める

その後
卓上ホットプレートに芋、人参、鶏肉などを入れ
掻き混ぜをお願いする
いままで家では寝たきりの生活だったためか
「疲れた」と言って
手を休め掻き混ぜをやめようとする文婆さん
スタッフに声をかけられ
掻き混ぜを止めることはできず続いている

他の利用者も
いつも食べているテーブルを囲み
それぞれが何かの作業(食事作り)をやらされている?

できた焼きおにぎり🍙とシチューは
みんなの協働合作だけに
「美味しさ格別
家では声も出さない、と夫からいつも言われる文婆さん
私の耳にも聞こえる声で
「美味しい~」と呟いた


795;ただいま 〔1〕

2018-07-04 08:35:44 | 老いの光影 第2章
ただいま〔1〕

7月2日に
85歳の誕生日を迎えた文婆さん
第4腰椎体骨折後偽関節、左腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症の疾病が有り
ひとり歩行は難しい
いままで定員25名のデイサービス事業所を
5年間、週3回利用されていた
在宅では週4日 24時間ベッド上の生活
起きるときはポータブルトイレで用を足すときのみ
不慣れな食事作りをしてくれる夫に
「美味しい」でもない「美味くない」でもない
無言に食べているだけ
夫が話しかけても
聞こえているのか聞こえていないのか
わからず
無言
長年連れ添った夫婦
無言の会話はあるけれども
無愛想な表情
夫はケアマネジャーにこぼす
「はりあいがない」
「疲れだけがたまってしまう」

5年間利用されていたデイサービス
文婆さんの変化を期待することはできない、と判断し
文婆さんの夫に
「定員10名の小さなデイサービスに変えてみようか
初回のデイサービス利用を行い
それで文婆さんの感想を聞いてみよう」
ということになった。

6月28日 さくらデイサービスの初回利用となった
(その様子は〔2〕へ続く)