老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

お世辞かもしれない

2022-03-12 21:32:41 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」

春の川

1842 単純バカ

今日、初めて訪問した家の奥様から
わたしの間抜けた顔をみて
「年若いでしょう。まだ、60才になっていないでしょ〜」、と話され
顔が綻びながらも「お世辞半分以上混じってるよ」、と思い直し
自分の年を言わずに「昭和27年生まれだから、年はとっています」、と答えた。

素直に「69歳」、と話せばいいのに
バカだな、と気持ちのなかで反復した。

老けたな、疲れている顔だな、と
相手からそのような印象を受けないよう
元気、気力で行くとしよう〜

痛みは目に見えない

2022-03-12 07:44:41 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」

光と影。大きな捨石の傍に福寿草が咲いている。

1841妻は夫に従い・・・

糖尿病があるも、まだまだ血気盛んな夫。
妻である私は、十年前から病魔に襲われ躰のあちこちは痛みだらけ。
大腸癌(ステージⅢ)を患い、手術施行し症状が落ち着き、わが家に帰ることができた。

嬉しさもつかの間、老夫は「昼飯をつくってくれないか」、と話しかけてきた。
覚束ない足で台所に立つと、泪がでてきた。
退院したとは言え、まだ半病人の私
スーパーの弁当や出前を食べ、横になりたかった。

仕方ない。
夫は頑固で何でも自分の思い通りにしてきた。
妻は夫に従うもの。
だから、妻が病み痛くても気づかない。

用事で出かけたとき
彼女は胸の内を話してくれた。

風呂場やトイレに手すりをつけたがらない。
見映えが悪いから、家に傷をつけたくない

玄関上がり框のところに
突っ張りの手すり(ネットで検索お願いします)を設置した。
介護予防福祉用具貸与のサービスです(月額300円から400円、自己負担1割の場合。彼女は要支援2)

ひとつでもサービスをプランにし
彼女とのつながりを持つためにも
夫に何度も話を行い、設置にこぎつけた。

早速、手すりにつかまり玄関上がり框を上がる。
「凄く楽に上がれる」、と老妻は笑顔で話す。