老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

182;ネグレクト

2017-06-11 03:04:21 | 老いの光影
昨夜19時過ぎの風景(怪しい空模様 南陸奥)

#5~#8 家族模様1~家族模様4 のブログに登場した桃子さん(86歳)のその後

ご訪問いただき、ありがとうございます

桃子さんは、大動脈瘤弁狭窄症という重症な病気を抱えている他に喘息の持病もあり
吸入を怠り、服薬も飲んだり飲まなかったりで
喘鳴はひどく、微熱も繰り返していた
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)は90の数値を切り89を示し
桜デイサービスセンターから救急車で南陸奥総合病院に搬送され入院となった

退院したときには
三度の食事量も摂れ
治療の結果回復した
ぱさぱさであった頭髪は
艶々ふさふさになり髪の毛まで栄養が行き渡っていた

それが退位後4目あたりから髪の毛は
元の状態に戻りぱさぱさとなり喘鳴も聞こえるようになった
昨日SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を測定したら87
土曜日で学校は休みなのに
教員である長男に電話をしても
病んだ母親を病院に連れて行こうという気はさらさらなく
「デイサービスでお願いします」
微熱と顔は青白く、生き絶え絶えしている状態の桃子さんを
自宅に送り帰しても
同居していても長男夫婦は
母親の様子を見にくるわけでもなく
暗い部屋にそのまま放置されることが予想された
《ネグレクト状態》
朝起きたら冷たくなっていた
桜デイサービスは体調が悪い老人をそのまま置いていった、と
無責任な家族から責任を問われかねない
だからということではないが
このまま桃子さんを放置することはできない
デイサービスが為すべき範疇を越えていると批難(批判)を受けるが
桃子さんの生死に係わることなので
桜デイサービスの責任者は
付添し南陸奥総合病院救急外来受診した
吸入など治療をしてもSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)はようやく90の数値であった
医師は入院しても入退院の繰り返しであり
ネグレクトの状態にあり長男夫婦の協力もない
入院させることは難しく
月曜日、総合診療科に受診することになった

長男は病院では医師や看護師に
「家では(面倒を)見ています」
「きちんと薬と食事を摂らせます」と
体裁だけを気にした言葉を口にするが
家に帰ると元の木阿弥である

こんな状態を担当のケアマネに報告しても
「”本人は大丈夫”と話しているから大丈夫です」
「”長男は面倒を見ている”と話しているので家族の協力はあります」
と言葉だけで
デイサービスからの報告を煩わしく思っている

長男の言葉も 担当ケアマネの言葉も
本当に桃子さんのことを考えているのか
と 憤りを覚えてしまう
感情的になってはいけないけど
余りにも他人事のようである

本当にどうにかしないといけない
管轄の地域包括支援センターの担当者には
いつも経過を報告しているが
一度関係者が集まり
「地域ケア会議」の開催を求め
桃子さんの生命や生活を守っていく方向性を出していかねば・・・・


181;忘れるから何もしなくていい・・・・

2017-06-10 11:36:02 | 老いの光影
朝の青空

ご訪問いただき、ありがとうございます

介護に慣れてくると
或る介護員は何も考えずに話す

「(認知症老人は)何処へ連れて行っても 
すぐに忘れてしまう
行ったことも覚えていない
だったら何処へにも行かず
このままここに居たほうがいいのでは」

釈然としない言葉
瞬間、瞬間に生きている人のことを
否定する言葉に
思えてならない

忘れてしまうから
何もしなくていい
じっと何もせずにここに居ていい
悲しい言葉である

180;生きていることそれ自体に価値がある

2017-06-10 04:18:09 | 老いびとの聲
薔薇の花?

ご訪問いただき、ありがとうございます

年齢を理由にして
できることなのに
できないと思い込んでいないか
振り返ることは必要

とくに
男は定年後
その仕事を離れたとき
自分にはもはや価値がない
と思い込む

朝起きて夜寝るまで
何もやることがない
家においても
居場所がない
生きていることがむなしくなる
むなしくて病気になる

病気をという体験を通し
自分が生きているということ
それだけでありがたいと思える

自分のことを
気にかけてくれる人が
この世に存在することを
知りえる体験が大切





179;左手背軟部腫瘍の正体は 抗酸菌

2017-06-09 20:28:17 | 春夏秋冬
wifeの実家の玄関付近に咲いていた薔薇の花

ご訪問いただき、ありがとうございます

左手背の抜糸は無事終了
ご心配おかけしました
手の整形外科医師の説明によると
左手背軟部腫瘍の原因は
人工透析による血管のカビではなく
抗酸菌によるものだということがわかった
土いじり或は生魚を調理したときに
感染しやすいと話されました
私の場合は 3坪の超ミニ農園をしていて
土をいじる機会があった

wifeからは農作業禁止の「お触れ」が出た
ビニール手袋を二重にして「はけば」大丈夫
と答えたが・・・・・

再発の可能性があり
抗酸菌はいろんな菌の寄せ集まりであり
そのなかでもどの菌が抗酸菌の元凶にあたるのか
これから見つけていき
それに対する処方箋を決めていく
ことになった

178;宵越しの金は持たない

2017-06-09 09:57:03 | 老いの光影
我が家の花壇脇に咲いた黄色い花

ご訪問頂きありがとうございます

87歳の一人暮らしの爺さんの話
バリバリの認知症老人で
焦がした鍋は山積みとなり
偶数月に入る年金額は
10日もかからずに使い果たす
酒と女性に泡沫の如く消え行く
電気水道が止まり
近くに住む長男は慌て
今は長男が年金など金銭管理をしている

丸井輪三は
昔競輪の選手をしていた
妻は市内にある百貨店の店員として勤めていた
競輪選手引退後、輪三は
百貨店が開催するハワイ旅行に行くなど
妻を残し一人遊び歩いていた

百貨店を辞めたあと
夫婦でドッグサロンを始めたものの
輪三は相変わらず遊び人で
宵越しの金は持たない、といった調子で
自由奔放に酒と女と旅行に使い
妻はいつも家に置かれ仕事をしていた

妻は働き過ぎと夫の遊び歩きから
うつ病を患い いつも炬燵の処で寝ていた
その後寝たきりとなり
長男から「 ダンスは暫くお休みにして
妻の傍にいるように」言われても
隠れるようにしてダンスに行き愉しんでいた

働きづくめだった妻は
貯金、保険金を遺し
20年前に妻は亡くなった
妻が遺したお金で
輪三は数回日本一周旅行や
ダンスに着る衣装を7色7着仕立てなどに
使いきってしまった。

いま87歳
糖尿病から左目は見えなくなり
右目は眼鏡をかけて見えるものの
いずれは見えなくなる
足もとはふらつき
転倒の心配をよそに
自転車を杖代わりにして
市内を「徘徊」
いまも自由奔放に生きている

居間に仏壇があり
亡き妻の遺影写真が飾られてあった
輪三は仏壇に手を合わせることもなく
妻の名前も忘れてしまった


177;抜糸

2017-06-09 05:00:57 | 春夏秋冬

ご訪問いただき、ありがとうございます

待ちに待った左手背の22針 抜糸
今日も自治医科大学附属病院へ車で行く
(昨日は無事薬局で腎臓外科の薬を手にした)
左手が解放される
右手首の捻挫による痛みはまだあり
重い荷物を持ったり
ペットボトルの蓋を開けたり
などの 行為ができず不自由
余り「痛い」というと
妻から「男はチョッとした痛みで騒ぐ」
と 言われてしまうので「痛い」とは言葉にせず
普通に暮らしています

176;蛙の種類

2017-06-08 15:50:14 | 春夏秋冬
蛙がよく棲む場所 田圃

ご訪問いただき、ありがとうございます

姑(あるいは 夫)と諍いになり 実家に帰る
二日酔いであきれ返る
もうだめかと思ったが生きかえる
田舎の夜は静まりかえる
財布を落ししょ気かえる
幼子がスーパーでおやつをねだりそっくり返る
北朝鮮またまたミサイル発射で煮え返る
政治家はよく寝返る
若い娘は はねっ返る
一寸した段差に躓き ひっくり返る
自分のことを振り返る
美人が通り過ぎ振り返る
家族が待っている家に帰る
老人は口に物をいっぱい入れむせかえる
化粧をする女性は若返る
老いてもブログを綴る女性は若返る
自分のドジさに あきれ返る
反省し心を入れかえる
ふと我にかえる
言い訳しようと言い換える
遺言書を書き換える
(昔は)愛をささやき妻を抱きかかえる
いまは寝たきり老人を抱きかかえる
気持ちを切り替える
不幸を幸福に変える

*他にまだまだ「蛙」の種類があります
付け足してくださいませ
あなたは どのタイプの「蛙」が好みですか?


梅雨じきだけに田圃でよく蛙が鳴いている



175;病院はいやだ

2017-06-08 05:43:22 | 老いの光影
ご訪問いただき、ありがとうございます

今日の朝も空は灰色で雨

老いてくると病は
付録のように付き纏(まと)う
入院すると
家に帰ることが出来ないのではないかと
頑なに思い込み
痛みを我慢する
もう痛みが我慢できなくなり
はじめて「病院へ連れて欲しい」と
言葉にする
案の定「入院」と告げられてしまう
面会に行き顔を見ると
「病院はいやだ、家がいい」と
どの老人も話す。


174;物忘れ? ドジ?

2017-06-07 17:45:59 | 春夏秋冬
ご訪問いただき、ありがとうございます



嫌いな蛇の尻尾を踏んでしまったような
ドジをしてしまった
それとも
物忘れの兆候?

6月1日 自治医科大学附属病院腎臓外科受診し
9種類の薬の院外処方箋がだされた
(いままでは院内処方だった)
6月4日までに薬を受け取らないと
駄目だったのだ。
3日 土曜日、4日 日曜日であり 当然何処も
薬局は休み
2日までに薬局に行かないとアウトだったのだ
それを忘れてしまい
気がついたのは日曜日の4日
時既に遅し
嗚呼~
大学病院腎臓外来受付に電話したら
明日6月8日 11:30に受診ということになった
処方箋の発行し直し
主治医からも嫌味を言われても
耐えるしかない

6月9日は 14:30に予約が入っており
同じ病院の整形外科外来で左手抜糸をする

2日連続で 東北の最南端から宇都宮市の隣りにある
下野市まで片道111kmを車で走る
すいません 自分のミスというかドジというか
こんな拙い愚痴を書き申し訳ない

173;梅雨入り

2017-06-07 08:40:34 | 老いびとの聲
ご訪問いただき、ありがとうございます

今日から梅雨入り
北海道育ちだったので
どうも梅雨は馴染まない
性格が暗い自分だけに
余計沈んでしまう
梅雨時期に咲く紫陽花に逢えるのは
嬉しい~
紫陽花の葉っぱの上を蝸牛が歩く
梅が熟するときに降る雨

先が早いですが梅雨が明けると
真夏
真夏は短く秋の風が吹く
間もなく晩秋から冬となり
1年が終わる
梅雨明けがしないほうが
季節の移り変わりがなくて済むのかな
今年は梅雨を厭わず
小雨に濡れながら緑のなかを歩いてみようか


172;霊感に取り憑かれやすい人

2017-06-06 20:17:51 | 春夏秋冬
朝陽と阿武隈川

ご訪問いただき、ありがとうございます


優しい性格で
他者の「痛み」がよくわかる人ほど
霊感に取り憑かれやすく
偏頭痛のように頭が痛みだし
首筋から肩にかけ
重石を乗せられたように重く
首が回らなくなるほど痛む

虐待された犬を知り合いの人から譲り受け
名前を魔裟斗とつけ
10年間余り可愛がってきた
魔裟斗が亡くなったその日
魔裟斗の霊(霊魂、死者の魂)が
111km離れた処に棲む女性に取り憑いた
両肩にずしりと何かが乗っかっているような感じであった
気になり翌日実家の母親に電話をしたら
「昨日魔裟斗が亡くなった」と話をされた
「魔裟斗かい。重いからもう成仏してね」と呟く
嘘のように肩は軽くなった

最近亡くなった婆さんの霊が取り憑き
頭が痛く 首から肩にかけ重かった
告別式を終えたら霊は肩から離れていった

私は霊に取り憑かれたこともなく
脚(足)がない状態で歩いている女性を見たこともない

霊魂が見える人
霊魂が見えない人は
そんなの嘘だと 笑い飛ばしてしまう人もいる
霊魂を感じる人 見える人の話を聞くと
あながち「嘘だ~」と片付ける訳にはいかない
感謝の気持ち或は突然の死で悔やまれる気持ちで
霊魂が訪れるのだろうか

今日は妄想みたいなブログに映るかもしれないが
あなたは霊感をどう思いますか・・・・・







171;知らない海辺を歩きたい

2017-06-06 17:31:05 | 老いびとの聲
ご訪問いただきありがとうございます

「お金」と「時間」
どっちも欲しいけど
どっちかを選べと言われたら
躊躇することなく「時間」を選ぶ
何故なら 
「お金」で「時間」は買えない
それだけに
時間は砂金の如く貴重価値

減っても増えることはない時間は 砂時計のよう
指の隙間からこぼれ落ちる砂は 残り少ない生命のよう
時間を見つけ 知らない海辺を歩きたい

170;置いてきぼり

2017-06-06 11:03:01 | 春夏秋冬
桜デイサービスセンターの全景

ご訪問いただき、ありがとうございます

桜デイサービスセンターの2階に
さくらさくら介護支援センターの事業所があり
私はそこに居る

桜デイサービスセンターの利用者とスタッフは
市内にある赤味噌ラーメンに食べに出かけた
私はやることが山積みで留守番
ラーメンを食わないで
置いてきぼりを「食った」
嗚呼 悲しい哉

169;多病息災

2017-06-06 04:24:20 | 老いの光影
ご訪問いただき、ありがとうございます

95歳の大原庄助さんは
バリバリの認知症
慢性尿閉のため
フォーレ(尿管カテーテル)挿入中であることを忘れてしまう
フォーレ挿入中のためズボンは
腰パンになりずり落ち状態になりフォーレを引き摺り歩いている
歩いているときにそのフォーレに足を引っかけ転倒
腰椎圧迫骨折と左橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ、左手首の骨折)のため
41日間入院となった(平成29年6月3日退院)
認知症は重度であるため
1か月以上の入院だったがそれ以上の認知症の進行はなかった
面会に訪れたとき
私の顔を覚えてくれていたので
嬉しかった(人間って単純)

彼は一病息災どころか
多病息災にもかかわらず
95歳
私が担当させていただいているなかで
2番目の長寿(1番の方は108歳)
彼の病気を挙げると
胃癌(幽門側胃切除術後) 胆嚢総管結石症 C型慢性肝炎
前立腺癌 心房細動 うっ血性心不全 高血圧 神経因性膀胱
慢性尿閉 脊柱管狭窄症 両肩関節の疼痛 腰椎圧迫骨折 
左橈骨遠位端骨折

7月いっぱいまでコルセット装着
体をひねったり前屈みになることは控えめにすることから
自宅での入浴は困難なことから
6月7日からデイサービスを利用し
入浴の支援を受けることになった
頑固でデイサービスは嫌いであり
果たしてスムーズにデイサービスを利用するかどうか
様子を見るとしよう

妻も元気で93歳 要介護2の認定を受け 歩行器につかまり歩行

168;やっぱり家はいいな~

2017-06-05 19:09:18 | 老いの光影
ご訪問いただき、ありがとうございます

お釈迦さまは、人間の苦しみは「生老病死」である、と。
「生きる苦しみ」
「病の苦しみ」
「老いてゆく苦しみ」
「死ぬ苦しみ」
の四つがある。
誰もが避けることのできない苦しみ。

老いに入り
大病に遭遇したときは
いっぺんに「生老病死」の苦が襲いかかってくる。

発熱 下痢 腹痛の症状があり
外来受診した87歳の大前行雄さん
検査結果、急性胃腸炎と診断され
6日間の入院となった。
面会に訪れると
「病院にはいたくない。早く家に帰りたい」と何度も訴え、
「点滴の針を抜いてしまった」と話し、看護師を困らせていた。

退院後の翌々日に 行雄さん宅を訪れた
本人は細い目を更に細目
「やっぱり家はいいな~」と繰り返し話していた。