HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

至福の季節~金木犀の香りによせて~

2009年10月14日 | その他日記
かえでさんとは、朗読&ピアノのユニット「かえで・ひばり劇場」を もう10年以上も一緒に続けています。

物語の朗読に、何曲かの曲やフレーズをアレンジしてピアノ伴奏することが多いのですが、そんな中に 「至福の季節」という、私たち二人にとって特別の、小さな演目があります。
それは、文学者杉みき子さんの「至福の季節」という、金木犀の香りによせての短い詩。
この作品を読む時は、曲もたった1曲だけ・・・北欧の作曲家グリークのピアノ曲「叙情小曲集」から「あなたのおそばに」という曲を、アレンジを加えず オリジナル楽譜に忠実に演奏します。


何年か前、たまたま金木犀の季節に一緒に演じてから、二人とも忘れられない作品になりました。
金木犀の季節は、もう会えなくなった大切な人たちの思い出と重なります。
その香り・オレンジの色彩は、毎年甘く懐かしい思い出を連れてきてくれます。
そして一緒に弾く曲は「あなたのおそばに」。
たまたま、この詩にぴったりだと思って選んだ曲でしたが、タイトルもぴったりになり、偶然とは思えない不思議を感じます。
この作品を演じるたびに、何とも言えない思いでいっぱいになります。

毎年、金木犀の香りが漂い始めると お互いにメールなどで
「来たね!」「来た!」と確認し合い、そして次に会ったとき、一緒に「至福の季節」を演じることが習わしとなっていました。
かえで・ひばりにとって金木犀の香りとオレンジの色は、特別なものです。

今日、かえでさんのレッスンの時に、一緒に「至福の季節」を演じました。
ちょうど1週間前に かえでさんと会った日は、まさに「来たね!」の始まった日でした。
甘いオレンジの香りの中、一緒に劇場へ「毛皮のマリー」を観に行きました。
そして一週間後の今日、かえでさんがレッスンに来る日に合わせたかのように、私たち二人に共通な恩師、Yおじさんの「偲ぶ会」の日に奥さまから頂いてきた、オレンジのバラ「アンネのバラ」が美しく開きました。
金木犀の香りも、バラの開花も、おじさんが私たちのためにタイミングを合わせてプレゼントしてくれたに違いない、と、私たちは思っています。

まさに ほんの1週間ばかりの「至福のとき」。
今年は、オレンジに彩られるチャティー・ハロウィンコンサートで、みなさんにもお裾分けする予定です


ハロウィーンコンサート前 ~ショパンワルツ~

2009年10月14日 | レッスン日記(小中高生)
Nさん:
チャティーハロウィーンコンサートまで、今日を入れて、あと2回のレッスンです。
去年のコンサートの時は 本番も楽譜を見て(置いて)弾きましたが、今年は楽譜を置かずに弾く予定です。
技術的には、もう相当のレベルまで出来上がっているし、暗譜もできているし、楽譜を置かずに、次々と雰囲気の変わるワルツの色彩感を味わいながら弾いてもらいたいと思います。
心配な気持ちはよくわかるのですが、思い切ってやってみましょう

入門 第2週目のSちゃん

2009年10月14日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(年長):
ピンポ~ン♪が鳴って、ドアを開けて、一歩玄関に入ったときから、Sちゃんの心は すっかりピアノモードです。
先週あげた「うたとピアノの絵本 みぎて」を、もう弾いてみたというので、さっそくピアノの譜面台に立てて、弾いてもらいました。
「みんな あそぼう」 ドレミ、ドレミ、と弾きます。
「なべなべ そっこぬけ」・・・
先生:「これ、知ってる?幼稚園でやったことある?」
S:「しってる!」
先生:「やろうか!」
S:「うん!」
先生と手をつないで、「♪なべ、なべ、そっこぬけ~」と歌いながらぐるりん!とひっくり返して遊びました。
ピアノも、迷ったり間違えたり、などなく たちまち弾いてしまいました。
この分なら、音符も早いうちに受け入れられそうです。
トランプ大の「おんぷカード」の「ド」「レ」「ミ」の3枚を出し、譜面台に並べて 指さした音を弾いてもらいます。
今日も、自分のレッスンが終わったあとソファーで見物しているY子ちゃんが、
「わぁ~、なつかしいね、そのカード」と受けています。
音符と五線との関係もわかったようなので、今度はリズム譜・・・四分音符と8分音符を覚えてもらうことにしました。
音符カードを譜面台に並べた後、先生は「これを使ってリズムをたたいてみようね」と、カスタネットを出してSちゃんに渡しました。
Sちゃんは大喜び。
「あっ、これ、カステラ?!」
「うーん・・・これはカスタネットだから、カステラと違って食べられないなあ」
ソファーのY子ちゃんは大受けです。

カスタネットで、リズム譜を見ながらリズムをたたきます。
音符だけでなく、四分休符「ウン」も大事。これも忘れずおぼえておこうね。

こうして、今日もSちゃんのレッスンは あっという間にすぎ、帰りの時間になりました。
ママがお迎えにきてくれます。
Sちゃんは、「ありがとうございました。さようなら。」と、お行儀よく、おそわってきたであろうご挨拶をしましたが、靴を履いて外に出てからも、ドアがだんだん閉まっていく その細いすき間から、「さようならあ。またね。また水曜日にね!(^O^)/」と、何度も何度も別れを惜しんでくれました。

Sちゃん、また来週の水曜日、先生も楽しみに待ってるからね!

ルーレット

2009年10月14日 | レッスン日記(小中高生)
このルーレット。
どこかで見覚えがありませんか?
そうです。これは「人生ゲーム」からもぎ取ってきたルーレット部分なのです。
もう何年も前、遊ばなくなった「人生ゲーム」を捨てようと思ったとき、「そうだ、何かの役に立つかも」と咄嗟(とっさ)に思いつき、ルーレート部分だけもぎ取っておいたのです。

レッスンで、子どもたちが「バーナム・ピアノテクニック」を弾くときに、何番の曲を弾くか、と決めるのに このルーレットを使ってきました。
いったい何回、回されてきたのでしょう。毎日のレッスンのたびに、大活躍してきたルーレット。
プラスチックで作られた数字があちこち欠け、円盤はびみょーに波打ち、数字同士のブース(?)を区切る、プラスチックの突起もいくつも折れてしまって、ルーレットの針がダラーンと広くなったスペースでウロウロ・・・結局、重心の傾いた「5番」あたりに落ち着く、というケースが多くなってきました。
私はルーレットの修理を決心し、実行しました。

みてください。修理後のルーレットの、直した部分を拡大してみました。


えっ、どこが修理されたのかわからないって?
教室の生徒では、Y子ちゃん(小4)が、修理後一番にルーレットを使用するという名誉にあずかりました。(どこが名誉?!)

直したところ:数字と数字のスペースを区切る突起が、折れてなくなっている部分が多かったので、つまようじを2~3ミリの長さに切り取り、木工用ボンド(それしか見つからなかった)でていねいに貼り付けました。
見て!「3」のすぐ手前にある突起、これがつまようじ製。
どうです!これでまた、生徒のみんなが スリルあふれる「バーナム選び」をすることができるってもんです。

さて、S子ちゃんですが、今日から「ブルクミュラー」を始めます。
最初の曲「素直」。なんと「両手で弾いてきた」というではありませんか。
なるほど最後まで、ていねいに弾けていました。
すごい。よく全部できたね。
この曲は、テクニックの学習というポイントから見る課題は「均等なタッチで8分音符を弾く」ということです。
「素直」というタイトルがついていますが、ヒバリは何となく、夏休みにおとうさんの運転する車で、まだ行ったことのない海へ連れて行ってもらう、そのワクワクした気持ちと、最後に「楽しかったなー」と 昼間の余韻を味わいながら徐々に眠りにつく、みたいな感じがするのです。
その印象をY子ちゃんに話すと、「うん、そんな感じがする。『素直』より、そっちの方があってる」と 賛成してくれました。

ブルクミュラーを始めたばかりのY子ちゃん、早くも来週は、1番の「素直」を仕上げてくることになりました。
すごいね! 指もよく動くし、音もしっかり出ています。
これからがんばって、ますます大人っぽく、いろいろな表現ができるように、より詳しいレッスンに入っていこうとおもっています。

音色

2009年10月14日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん(大人):
以前にも書きましたが、Hさんの弾くピアノの音色は、なぜかいい感じなのです。
Hさんがバッハを弾くと、私は なんか昔に行った名曲喫茶のレコードを思い出します。

今日は、新しい曲、ショパンの「ワルツ10番」の初回レッスンでした。
Hさんがゆっくり弾くのを聞きながら、私は、「ああ、やっぱりHさんのピアノはいい音・・・」と 心地よく感じていました。
他の人や子どもたちと、どこがどう違うのか、はっきり指摘することはできないのです。
つっかえたり間違えたり、リズムが合わなかったり、ということはいっぱいあるのですが、それでいながら、やっぱり音色は、ほっと安心できるような、まろやかな音なのです。
私はHさんに言いました。
「私が弾いても、Hさんみたいに弾けないような気がします」
「そりゃ弾けませんよ。こんなヘタに弾くのは難しいですよ」
(^_^;)かもしれんが・・・
なぜか心惹かれる、Hさんのピアノ。
どんな不思議な音色なのか。
みなさんも聴いてみたいと思うでしょ(^◇^)

もうすぐ本がおわるよ

2009年10月14日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小5):
先週は、せっかく練習をしていたのに家に楽譜を忘れ、先生に見てもらってマルをつけてもらうことができませんでした。
今日は、ちゃんと楽譜を持ってきました!
「一人でやってくる」という課題だった「思い出のアルバム」。
覚えやすく歌いやすく、幼稚園の卒業時には、子どもたちがみんなで歌うことが多い曲ですね。
けれど、ピアノで弾くと、けっこう音の跳躍があったりして、思ったより弾きにくい。
きれいに弾くためには、指を置き換えたりクロスさせたりと、思いがけず難しいポイントをいくつかクリアしなければなりません。
M3ちゃんは、真剣に楽譜を見ながら、指番号を守り、音を跳躍させて ていねいに弾いていきます。
途中、何度か止まりそうになったり、指を間違えそうになったりもしながらも、ちゃんと最後まで、自分だけの力で曲の最後まで弾くことができました。
「いいね!続けて、2番も弾いて!」
「え、2番も弾くの?
「だって2番の歌詞も書いてあるもん」
「えと、えと・・・
M3ちゃんはあせってはじめに戻り、2番(といってもメロディーは同じだよね)を弾き始めました。
さっきつっかえそうになったところ、気をつけてね・・・そうそう、その指でいいんだよ・・・
ようやく、曲の最後まで来ました。
「いいねいいね!じゃ3番も弾いてね
「えっ、3番も?」
「だってほら、3番まで歌詞が書いてあるもん」
「ひえ~
M3ちゃんはまたまた、はじめに戻り、3番(メロディーはおーんなじです)を弾きました。
さっき間違えそうだった指番号・・・そうそう、それでいいんだよ~ ここもつっかえないでね・・・

ついに最後まで、M3ちゃんは弾きました。
ほうら、3回も続けて弾いたら、すっかり上手になったじゃない(^◇^)
やった~、○だ
もうひとつ、残っていた「ドレミの歌」も両手で弾きました。
なんとか弾けましたが、ちょっとのろいし、ときどき止まりそうになっちゃうね・・・
「他の人が、これに合わせて歌えるように弾かなきゃね。さっきはMちゃんのピアノに合わせて、M3ちゃんが歌ってたんだからさ。こんどはM3ちゃんが、Mちゃんが歌っても大丈夫な速さで弾かなきゃ。『ドーはドーナッツのド、レーはレモンのレ~』」
ミーはみんなのミ~、ファーはファイトのファ~ (^O^)/」
「そうそう、その早さよ。それで弾けるようにしてきて! 来週、それができたら この本全部おしまいだ」
「次、どんな本やるの?」
「ひみつ。ちゃんともう、用意してあるよ」
M3ちゃん、来週、新しい本もらえるように、「ドレミ」完成させてきてね (^O^)/

ビバルディ「四季」から秋

2009年10月14日 | クラシック曲
Mちゃん(小5):
ビバルディの「四季」から「秋」を、仕上げてくるのが宿題でした。
「大人のピアノ教本2」の 終わりの方の曲なのですが、ここまで順調にきたMちゃんにしては、いまいちパッとできてこないかな、という印象です。
ソファーでマンガを読みながら待ってるM3ちゃんが、「ララララ、ラーララ、ララララ、ラーララ、ランララランランラン~」と歌ってる。
「ほら、M3ちゃん歌ってるよ。つっかえつっかえじゃ合わせて歌えないって言われちゃうよ

作曲者のビバルディは1678年の生まれ。あのバロック時代の「音楽の父」大バッハより、さらに7年も前に生まれています。
「四季」が作られたのは1725年。今から284年も昔のことです。
当時は演奏に使う楽器も、今とは違っているし、強い・弱いなどのダイナミクスも 今のように 徐々に盛り上げていってクライマックス、などという弾き方はできず「強い」か「弱い」かどちらか、みたいな弾き方で曲を表現していました。

「クラリネットをこわしちゃった」みたいなリズミカルで、歌って楽しい曲と違って、280年以上も昔のビバルディの曲は、イメージがつかみにくく練習曲みたいに聞こえてしまうのかな、などと思ったりしました。
私も昔、この「秋」の曲を初めて(クラシックオルガンで)弾いたときは、この曲のどこがいいんだかさっぱりわからない、といった印象を持った記憶があります。
(今では大好きな曲なんですが)
Mちゃんは普段、とてもイメージが豊かな子です。だから逆に、イメージが浮かばない曲は 「食指が動かない」みたいなところが目立ってくるのかも。
とりあえず、「四季」は先生が一緒に伴奏で雰囲気を作ったり、メロディーを一緒に練習したりして、やっと普段のMちゃんの演奏レベルぐらいまで達することができ、かろうじて合格となりました。

次回の宿題は、得意分野の「ダイアナ」です。
今度は上手にやってこれるでしょうか。