HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

M&Mレッスン初め

2012年01月13日 | レッスン日記(小中高生)
金曜日のレッスンは今日、13日の金曜日からです
まずはM3ちゃん(中1):
ブルクミュラーの「無邪気」を新しく練習してくるように、という宿題だったけど、やってきたかな。
なんと最後まで、全部ちゃんと弾けてる!
「スゴイね!ぜんぶできてるじゃない\(^O^)/」と褒められたM3ちゃんですが、
「次の曲の方がいっぱい弾いてる」と、なんとなんと、次の「前進」も自主練習してあった
すごいぞM3!!!
昨秋からの優等生ぶりが、今年も続行してるのだ。
その調子だ。がんばれ!
今年も、ずーっと優等生でいこうじゃないか。

続いてMちゃん(中1):
彼女も、去年の12月は 今までに見たこともない優等生で、マルのついた「バラード」を 翌週までさらに自主練習で磨き上げ、すばらしい演奏をご披露してくれたし、12月最後のレッスンの日は 新曲「ちょっぴり不満」を、たった1週間の自主練習で完成させてきたのでした。
新春の今日は、そのつぎの「おしゃべり娘」です。
さあ、期待しよう!

「右手はまあまあだけど・・・」
ああ、そう。今までと同じペースなんだね・・・
でも、右手の同音連打はキレイにできています。
左手もひととおりやってみて、さて両手。やってごらん。
「うん、なんかできそうな気がする
そうそう。ほらね、できたでしょ。
そこで、来週は仕上げてくる、ということになりました。

中学生になって8ヶ月たったM&M、二人とも個性が際だつようになってきています。
それぞれの良さが磨かれて、ピアノもそれにつれて表現豊かな個性が育っている。
ますますおもしろくなってくるM&Mなので、今後の成長が楽しみです。

グレン・グールド-天才ピアニストの愛と孤独-

2012年01月13日 | その他日記
渋谷のミニシアター「アップリンク」で上映されている 映画「グレン・グールド-天才ピアニストの愛と孤独-」を観てきました。

20世紀の奇才グレン・グールドは、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」の演奏で有名です。
演奏のときはいつでも、「マイ椅子」を持参していて、それがまた子どもの幼稚園椅子みたいに低くて おまけにグラグラ揺れる椅子だったりとか、真夏でもコート・マフラー・手袋を着用していたとか、演奏前には両手を30分間お湯に浸し、それを拭くために大量のタオルを持参していたとか、彼に関するユニークなエピソードはいっぱいあります。

また、演奏のときはいつもピアノと一緒に歌ってしまい、録音には彼の声がいっしょに入ってるとか、ある時を境に ステージ活動は一切やめ、スタジオ録音のみに芸術性を見いだしていたとか、自身の50才の誕生日の10日後に亡くなったとか、その奇人(?)ぶりは クラシック音楽史の中の伝説となっています。
けれど彼の奏でるピアノの音色はすばらしく美しく、そのテクニックは他に類を見ない高度なもので、私はとても好きなピアニストです。

これまで、数々の奇行や伝説について知ってはいても、真実の彼の姿は謎に包まれ、なぜかとても惹かれるミュージシャンでした。
今日の映画はドキュメンタリーで、生前のグールドの映像や演奏、彼にかかわった人たちの語る思い出話などを映画に編集したものです。
よくある伝記映画のように、音楽家の生涯をドラマ化して 俳優が演じるものと違い、虚飾や演出がなく、また映像も彼自身のものであるため、真実味にあふれ、大変迫力がありました。
「主演」はグールドですが、実際は彼が亡くなってからほぼ30年もたって製作した映画なのですから、映像はすべて「あり合わせ」のはず。
それなのに、いろいろなシーンの映像は本当に美しく抒情にあふれ、まるではじめから映画のシーンのために撮影したような映像ばかりです。

それに、グールドはかっこいい! 絵になる。
へたな俳優より、ずっとすてき
海辺を歩く後ろ姿のロングショット、風に吹かれて思いに沈む姿・・・
シャイで寂しげな横顔は、まるでジェームス・ディーンのようだ。

奇行を取り沙汰され、敵を作ったり誤解を受けたりすることも多かったであろうグールドですが、淡々と流れる映像を見、彼自身の演奏による 美しいピアノ演奏を聴いていると、心の中は大変繊細でナイーブで傷つきやすく、少年のような純粋さを生涯持ち続けたグールドの素顔が見えて 胸キュンになってきます。


映画館の壁にいくつも貼ってあった紹介や批評文の中に
「グールドは生まれてくるのが早すぎた」と書いているものがありました。
私も同感です。

彼があと半世紀遅く生まれていたら。
スタジオ録音やデジタル録音、打ち込み音楽などに没頭し、満足いく音を得られるまで何度も編集して 最上の作品を作り上げていく・・・それは、今の若いミュージシャンたちがみんな、当たり前にやっていることです。
それを、彼の時代には「変なヤツ」と奇異な目で見られてしまってた。
また、ブログやツイッター、動画配信など、自分の感性を気軽に発信することもできていれば、もっと自由に生き生きと音楽がやれていたかもしれない。

かわいそうな、愛しいグレン・グールド。
彼の演奏を またゆっくり聴いてみたくなりました。
そして、私も、愛するピアノをもっともっと弾かなきゃ!と思ったのでした。