HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

HANNON(ハノン)!

2012年11月25日 | レッスン日記(小中高生)
Tさん:
今年の1月からピアノを始めたので、もうすぐ丸1年になろうとしています。
とても熱心に、よく練習しているので感心します。
どのくらい練習してきてるのかといえば、レッスン日には新曲をもう暗譜していて、最初から最後まで楽譜を見ないで弾けるまでになってる、ぐらいの練習です。
どうです。見習ったほうがいい人がいっぱいいるのでは。
そんなこと言うヒバリ先生も いばれたもんではなく、昔「ピアノのおけいこ」に通ってた頃は レッスンに行った時に宿題を初見で弾く、ということも実はけっこうあった・・・
みんなはそんなことしてはいけません。
ちゃんと家で練習をしてきましょう。なんか説得力ないけど。

話はそれたけど、そんな熱心なTさんなので、自分が弾きたい曲やそのイメージと、それを弾くためには遠く及ばない(と思われる)自分のテクニックとの大きなギャップを歯がゆく思ってるんじゃないかなー、とヒバリ先生は感じていました。
テクニックをつけ、指がよく回るようにする訓練として、「ハノン」があります。
昔からピアノ学習者にはほぼ100パーセントの割合で使用されています。
指のメカニカルな訓練に徹した教則本なので、効き目もありますが副作用もあります。
誤った使い方をすると、手や指を傷めることもあります。

1年前Tさんと初めて会ったとき、まずはピアノのイメージや表現や歌わせる喜びなどを体験してもらいたいと思ったので、そういう面をメインにレッスンしてきました。
ピアノというのは、決して「よく回る指の技術を育てるもの」ではないということを体験してほしかったので。
それに、練習熱心なTさんにHANNONを渡して、あんまり集中して練習してしまったら逆効果になりかねない、という危惧もあったりして。
どう? ほかの人には「練習しすぎたら困るから」なあんてひとっつも思わないよ。Tさんだからだよ。

ほぼ1年たって、今なら、メカニックの訓練を少ししても音楽性がゆらぐ心配はないと思い、Tさんに「ハノン」を勧めてみることにしました。
Tさんにお渡ししたのは、アメリカ製の「HANNON」です。
日本の楽譜は、どうも製本が立派すぎて分厚いし、譜面台に立てたときに開きにくいし、値段も高い。
アメリカ製のはペーパーバックで、製本も簡単なので開きやすい。値段も日本製の半額。
中の説明が英語だけど、大人のTさんなら大丈夫だ。
というか、かえって、日本語で「嬰ヘ短調和声的短音階」などというより 英語で「F♯マイナー・ハーモニック・スケール」というほうがわかりやすかったり。

そんなわけで、HANNONのスケールを中心に、使い始めてもらいました。
スケールのほかに、1~29までの中の練習や、アルペジオ、オクターブなどもまぜて使って、とアドヴァイスしました。
よい効果が出るといいと思います。


タイスの瞑想曲Again

2012年11月25日 | クラシック曲
キノパパ:
「前にやった曲ですが、もう一度これを思い出したいので」と キノパパさんが持参した楽譜は「タイスの瞑想曲」。
これは、ピアノを始めて 確か2年目ぐらいのコンサートのときに弾いたものです。
ゆったりとした美しい曲が似合うキノパパさんにと選んだのでしたが、当時とてもきれいに弾けたと記憶しています。
改めて楽譜を見てみると、わたしは忘れていたのですが、いくつかの部分で、易しく弾けるよう巧みに音を省いてありました。
そうか・・・あの頃は、まだキノパパさんが初心者だったから、複雑な和音とかを省いて楽に弾けるように直して弾いたんだ。
わたしはキノパパさんに言いました。
「せっかくだから、改めて楽譜通りに練習してみませんか。今だったらこの楽譜通りで大丈夫ですから」
キノパパさんも「そうですね。そうします」と言ってくれたので、最初から 前とは違うバージョンで練習し直すことになりました。
熱心なキノパパさんは、修了した曲もレパートリーとして 忘れないように弾き続けていると聞きました。
新しいバージョンで練習し直すとなると、せっかくキノパパさんが覚えていてなめらかに弾いている指使いなどを、一旦全部くずさなければなりません。
それでも、キノパパさんは真剣に、新しく、より複雑になった和音の指使いをひとつひとつ、覚え直しています。
ひとつずつの新しく覚えたフレーズは、キノパパさんの手でとても柔らかく美しく歌い始めます。
新しいバージョンの「タイスの瞑想曲」、仕上げていくのが楽しみになりました。