HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「レ・ミゼラブル」のガイドブック(?)

2013年02月06日 | 読書・絵本
「レ・ミゼラブル百六景」鹿島 茂・著  文春文庫 ¥860
をご紹介します。

初出は 1987年の単行本ですが、このほど映画「レ・ミゼラブル」の公開に先立ち、文庫化されて、文春文庫の中に登場しました。
超大河小説「レ・ミゼラブル」のあらすじに沿って、合計百余の場面を設定し、フランス文学者である著者の解説がなされています。
見開きページの片側にはすべて原書版の挿絵が挿入されていて、小節の文章に表わされていない当時のパリの風景や風習、人々の考え方などがよくわかります。
挿絵って、作品が書かれた当時(19世紀)の美しいリトグラフですから、それを見るだけでも非常な価値があると思います。

”なぜジャン・ヴァルジャンは、パリのその街区に身を隠したのか?
里親から虐待を受けるコゼットが、夜店で見ていた人形はどこ製か?
19世紀の美麗な木版画230葉を106シーンに分け、骨太なストーリーラインと、微に入り細を穿った解説で、“みじめな人々”の物語をあざやかに甦らす。
長大な傑作の全貌がこれ一冊でわかる。”
(Amazon・「BOOK」データベースより)

小節を読んだだけではわからない、19世紀のフランスの社会背景や裏話、人々の宗教観や貨幣価値などが、この本を読んで初めて「ああ、そういうことだったのか」とわかってきます。
おすすめです!

なお、レビューなどで「これを読んで映画に臨めば、予備知識ができてわかりやすい」という意見もありますが、ヒバリとしてはあくまで、小説や映画を観た人が、より深く内容を知るためのもの、というスタンスをおすすめします。
旅行した時のビデオや写真は、旅行で体験した数々の思い出を もう一度楽しんで思い出すこと。
旅行してないのに 人が旅行したときのビデオや写真を見せられても、楽しさは伝わらないと思いませんか?
それとおんなじことだと思うんで、やっぱり映画を観てから、読むことをおすすめしたいです。

シンフォニアとソナタ

2013年02月06日 | レッスン日記(小中高生)
Hさん:
バッハの「シンフォニア3番」と、ベートーヴェンのソナタト長調をやっています。
シンフォニアの方は、全体の3分の1ぐらいまで練習しています。
バッハの曲は、古典派以降の曲ならば考えられないような、すっごくムリした指使いとか、どこかを押さえておいて指を置き換え、そのスキに次の準備をする、などということが、平気でいっぱい出てきます。
これまで積み重ねてきた常識では「あり得ないでしょ?!」というような指使い多出なので、うっかり指にまかせて弾いていると 次の音を弾く指がなくなって行き詰ってしまいます。
Hさんもそれで苦労していて、つい使いやすい指を無意識に使ってしまい、後でにっちもさっちもいかなくなる、ということのくり返しです。
何しろバロック時代の音楽は、ロマン派などと違ってペダルで音をつなぐとか、フワフワしたアルペジオや迫力ある和音とかがありません。
きっちり正直に 音の長さをキープし、3つあるパートを 2つの手のコントロールだけで弾き分けなければいけないので、指や手の拡がりと共に 非常な柔軟さが必要です。
大変難しいのですが、Hさんは 好きなバッハなので がんばって練習しています。
「ここまでで1週間、つぎにここまでで1週間・・・とやっていけば、仕上がりに1か月半、という計算でやってます」と、自分で計画を立てて、ゆっくり地道に努力しているので感心します。
あせらず、ゆっくり丁寧にやっていきましょう。
Hさんの指は、以前に比べたら格段に拡がり、柔軟になってきているのですから。

ベートーヴェンのソナタの方も、とても音色がきれいになったと、最近実感しています。
フレーズの初めとか、フレーズの終わりとかの音が丁寧で良い音で、時々ハッとすることがあります。
今日は全楽章、通して弾きましたが、前にやった1楽章の方が しばらく練習から離れていたせいか自信がなくて、ちょっぴり残念でした。
来週は1楽章をよく思い出し、全体まとめて仕上げましょう。