Tくん(小2):
先週レッスンに来た時に、Tくんが「今年、発表会で弾きたい曲きまった」と言うので「え、何?何の曲?」と聞いたら「でもなー、難しいんだよなー」と、ためらっている様子でした。
Tくんは、保育園時代からあまり一般的な童謡とかに触れてこなかったようで(通っていた保育園が「わらべ歌」でやっていくスタイルだったとのこと)、「チューリップ弾きたい」とか「メリーさんの羊ひいてみた」などのことがなかったのです。
そのTくんが「弾きたい曲ができた」とは。いったい何なのかな?
「何の曲? 言ってごらんよ」何度かうながして、ようやくTくんは言いました。
「ぐ!」
ぐ? えー、なんだろ。
「れ・ん・げ!」
ああそうか。今をときめく「紅蓮華」か。
へー。これまで、俗世間や流行とは無縁に生きてきたようなTくんが、ついにトレンドに乗ったか。
ある意味感慨深い。
「好きな曲」「弾きたい曲」に取り組む、というのは、子どもたちにとっても嬉しいことだし、がんばって練習するものです。それは先生としても好都合なので、童謡・J-POPなどにこだわらず、できれば好きな曲を時々でも取り入れるようにはしているんですが。
でもなー 紅蓮華・・
確かに、初心者には難しい。
でも、今、保育園生だって初心者だって、みんな弾いてみたいんだろうな。
そこで、できるだけわかりやすく、易しい書き方で、本来の雰囲気が伝わるような楽譜を作っておいたのです。
「ほらっ、楽譜つくったよ」
「ほんとだ!」
Tくん、さっそく音符と、添えられている歌詞を照らし合わせていきました。
「『♪それーだけさ!』ってとこはどこ?」
「ここだよ。ほら、ファミー ミファソ!」
「あ、ほんとだ。じゃ、『♪どーしたって!』は?」
「ここ、ここ!」
そうだ。何も最初から全部弾いていかなくたって、インパクトのある部分とか気に入ってるフレーズとかを弾くだけでも、かなり満足は得られるよね。
そのほかのところは先生が弾いてあげればいいんだから。
というわけで、Tくん、「紅蓮華」の楽譜を丁寧にファイルに収めて帰っていきました。
来週、弾けるところ増えるかなあ・・・がんばろうね。
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