Cちゃん(小2):
「ピンクのバーナム」もグループ3の終わり近くまで進んできました。
今日は半音階やオクターブのフレーズ奏法、6度の重音奏など、ピアノに欠かせないテクニックを次々と学び、8-3番「でんぐりがえし」まで来ました。
「ピンク」の前のオレンジの本にも「側転(そくてん)」などというタイトルで出てきていた、左右の手で交互に置き換えを使いながらのアルペジオ奏法なのですが、今回は少し高度です。
ドミソ、ドミソ、ドー と弾いたら、次のパターンはミソド、ミソド、ミー と、転回した形でのアルペジオになるのです。
生徒がこの課題に来た時、ヒバリ先生がいつも描くのはこの図です。
「これ、なーんだ?」と聞かれて、
「あっ、おだんごだ」とCちゃん。
「そう、『花見だんご』だよ。3個のおだんごが、串に刺さってる。ピンクがド、白がミ、緑がソ」
色エンピツでひとつひとつ色を塗りながら説明します。
「3つ合わせて…」
「Cだね!」
さすが、Cちゃんよく知ってるね。
「そう、Cだね。で、このおだんごのピンクをとって.一番上にもってくる」
先生は、もう1本串だんごを描いて、順に色を塗っていきます。
「一番下が白でミ、次が緑、ピンクが一番上。だけど、ピンクと白と緑の3つのおだんごが串に刺さってるのは変わりないね。並び順が変わっても、CはCだ。」
「うん、そうだね」
「で、もう一度、並びを変えてみるよ。今度は白を取って一番上にする。」
もう1本、串だんごをえがいて.順に色を塗っていきます。
「一番下が緑でソ、それから…」
「ド…ミ…」
一つ一つ塗っていく先生の色に合わせて、Cちゃんは元気に音名をコールします。
「そうそう。こういう風に、同じCでも並び順を変えていくことを『転回』って言うんだよ」
「てんかい?」
「そう、回っていくこと。ドミソが基本形、ミソドが第1転回、ソドミが第2転回。もう一度転回したら元に戻って基本形」
「ふーん、わかった」
これで転回形の説明はおしまいです。
2年生の子どもに、こんな用語いっぺんに教えて難しくないの?と思われるかもしれませんが、ヒバリ教室ではどの子もこれだけの説明で、すんなり転回形を飲み込んでくれます。
そしてこれからは、だんだん複雑でピアニスティックな曲を習うにつれ、何度となく「転回形」という名称を思い出すことになるのです。
今日はその入口かな。
みんなも覚えておいてね。
転回は「花見だんご」!