温泉の帰り道、少しだけ時間を割いて大好きな山回りドライブを。
川西の温泉の裏山から登って,稜線の反対側にある廃棄物処理場や山肌の小さな集落を眺めて、しばし林道ドライブ。
下ってきて里の集落手前のところ、沢田の脇に不思議なオブジェ群を発見。
なんだこれは?大地の芸術祭のなごりなのか?
森へと続くオブジェ群、、、
その時、一匹のキツネが道を横切って止まった。
何か言いたげで、、、、すぐに森に消えた。
キツネの横切った道路の両脇はオブジェ、オブジェ、オブジェ、、、、、
ここはまるで異空間、、、、空気も時間も止まっているかのようだ。
この奥には何かが、、、、、何かが吸い込むように誘っている、、、、拒めない、、、ままよ、、、
異空間の中に何やら怪しげな美術館。
受付には女性が一人。
ウエーブのかかった栗色の髪があごの辺りまで、、、、色白でスレンダー、、、年のころは、、、30代後半に差し掛かったくらいだろうか。
「 いらっしゃいませ 」 ( そうかぁ、さっき見たキツネは彼女だったんだな )
入館料500円を払った。 「 ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ 」
彼女の名前は リデル ずっと森の中にいる。
幼いころに森に迷い込み、人ではない何かに育てられた。
そのまま ずっと森の中にいる。
人間に会いたくなると動物に姿を変えたり、、、鳥に姿を変えたり、、、
森の入り口を通りかかった人を森に誘い込む、、、、
彼女の名前は リデル きっとそうだ。
小さな美術館の中は前衛的で幻想的な石の彫刻と宇宙空間を連想させるような白黒の絵画、、、
その奥にはいきなり書。
さらに奥の部屋は日本刀。
どれもすぐれた作品だとは思えるのだが一貫性は感じられない。
それよりも、、、入り口の彼女に目をやれば、、、パソコンの画面に見入っているのか、微動だにしない、、、
、、、、、まるでオブジェのようで、、まったく動いていない、、、、果たして、彼女は生き物なのだろうか?
小さな美術館、ゆっくり眺めても30分とはいられない。
「 またお越しください 」 「 ありがとう 」、、、
もっと化かされても良かったにと思ったのだが、、、、それ以上は無かった。
もし、明日もう一度ここに来たとしたら、、、、
オブジェも美術館も、、、、何もなくて、、、ただ森があるだけかもしれない。
迷い込んでみたい人は 十日町市、星と森の詩美術館へhttp://www.neptune.jstar.ne.jp/~hosimori/index.html
彼女の名前は リデル ずっと森の中にいる。