◎今日の一枚 241◎
大貫妙子
Pure Acoustic Plus
「大貫妙子は、日本最高のソングライターだ」といったのは、才女・矢野顕子だったが、その見解にまったく異存はない。少なくとも、私の知っている日本のミュージシャンの中で、その才能は圧倒的にぬきんでているようにみえる。他の誰とも違う独創的で個性溢れるメロディーライン、ドラマティックで共感できる詩的世界、感動的で心の琴線にふれる音使い、どれをとっても唯一無二、ワン・アンド・オンリーだ。
「Pure Acoustic Plus 」 、私の愛聴盤のひとつである。1987年のコンサート「Pure Acoustic Night」のライブ・レコーディングのうち7曲が「Pure Acoustic」と題してアルバム化されたが、それは通販かコンサート会場限定販売であった。この作品が好評のため、新たに3曲のボーナス・トラックをPlusして1993年に発表されたものが本「Pure Acoustic Plus 」 である。なお、この作品をベースに若干の曲の入れ替えをおこなった作品「Pure Acoustic」が1996年にリリースされ、現在広く巷に出回っている。さらに、これらの作品をベースに、Pure Acoustic シリーズの総決算ともいえる(らしい)「Boucles d'oreilles」が2007年に発売されているが、この作品に関しては未だ入手していない。是非、買いたいと思っている。
さて、「Pure Acoustic Plus 」 である。素晴らしいアルバムである。しかし、多くを語るべきではないという気がするし、またそうしたくはない。私などの汚らわしい言葉でこのPureな世界を損ないたくはないのである。ただ、一言だけいっておこう。アルバムタイトルどおり、そこにあるのはまぎれもないPureな世界であり、繊細で美しい世界である。