WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

そうか、チック・コリアが亡くなったのか

2021年02月23日 | 今日の一枚(C-D)
◎今日の一枚 469◎
Chick Corea
Now He Sings , Now He Sobs
 ちょっと前の新聞記事で、チック・コリアの訃報に接した。79歳。癌で闘病中だったとのことだ。驚いたし、少なからずショックだ。若い頃、そう、1980年代の学生時代、熱狂的に聴いたものだ。
"Return To Forever"、
"Crystal Silence"、
"In Concert"、
"Akoustic Band"、
"Like Minds"、
"Now He Sings , Now He Sobs"、
"Elektric Band"、
"Duet"、
"Three Quartets"、
"A.R.C"、
"Children's Songs"、
"Touchstone"、
棚やラックを見ると、結構な数のLPやCDがある。他にも、貸しレコード屋で借りて聴いたものもたくさんあったはずだ。ところが、いつの頃からか、チック・コリアを聴かなくなってしまった。嫌いになったわけではない。気付いたらそうなってしまっていたのだ。
 しばらくぶりに、チックを聴いてみると、そこには生き生きとした演奏があった。本当に新鮮な音だった。何故、チックの歩んだ音楽の旅をフォローし続けなかったのだろうか。今となっては悔やまれるばかりだ。けれども、それもまた人生というものだろう。
 今日の一枚は、1968年録音の『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』である。チック・コリアのデビュー作かと思っていたら,2枚目のリーダー作のようだ。攻撃的なピアノである。攻撃的だが、流麗で美しい旋律だ。今聴いてもすごく新鮮である。同時代に聴いた人は、おそらく衝撃を受けたことだろう。ジャズが変わろうとしていた時代、フリージャズを消化した上で構築された新しいスタイルのジャズだ。① Steps-What Was はすごい演奏である。攻撃的に、挑戦的に、ものすごい速さで奏でられるピアノなのに、その旋律は本当に美しい。
 2021年2月9日、チック・コリアが亡くなった。


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