WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

トム・ウェイツとリッキー・リー・ジョーンズ①

2020年12月31日 | 今日の一枚(Q-R)
◎今日の一枚 455◎
Rickie Lee Jones
Girl At Her Volcano
 驚いた。迂闊だった。知らなかった。
 今日、何気なくwebを眺めていて、トム・ウェイツとリッキー・リー・ジョーンズがかつて恋人同士だったということを知った。1970年代の終わり頃の話だ。すごく納得し、腑に落ちた。2人とも私の大好きなミュージシャンである。心に響く曲を書くミュージシャンだ。自分の思いを曲に託すミュージシャンである。
 2人の関係にまつわる曲がいくつか存在しているという。興奮している。偶然にも、私はそれらの曲が収録されているアルバムを持っている。この年末年始は、それらのアルバムを聴きなおすことになりそうだ。

 今日の一枚は、リッキー・リー・ジョーンズの1983年作品『 Girl At Her Volcano 』である。日本語のタイトルは『マイ・ファニー・ヴァレンタイン 』である。⑥ Rainbow Sleeves は、トム・ウェイツが下積み時代のリッキー・ジョーンズのために書いた曲である。
 トム・ウェイツとリッキー・リー・ジョーンズが出会ったのは、1970年代の終わり頃である。トム・ウェイツはまだ知名度は低かったものの、すでに数枚のアルバムを発表していたが(この時期のアルバムは後に名盤と呼ばれることになる)、リッキー・リー・ジョーンズはまだデビューすらしていなかった。そんなリッキー・リー・ジョーンズのためにトム・ウェイツが書いたのがこの曲だ。
 その後、リッキー・リー・ジョーンズはデビューし、デビュー作『浪漫』(→こちら)によってスターダムにのし上がるが、数年後の3枚目のアルバムにこの曲を収録したのである。このアルバムが発表された時には、リッキー・リー・ジョーンズとトム・ウェイツは離別してた。それでも、リッキー・リー・ジョーンズはこの曲をアルバムに収録したのだ。その思いが伝わってくるようだ。
 美しい曲である。トム・ウェイツの不遇時代のリッキー・リー・ジョーンズへの思いが込められたようなメロディーと歌詞だ。涙なくしては聴けない。年のせいだろうか、涙がぼろぼろと落ちて止まらない。
憂鬱のせいで歌うのをやめたりしないでくれ
君は片方の翼が折れただけなんだよ
だから僕の虹につかまってくれればいい
僕の虹にしっかりとつかまってくれ
君を虹のたもとに連れて行こう




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