WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

蜂との闘い

2021年08月29日 | 今日の一枚(G-H)
◎今日の一枚 538◎
Grand Fank
We're An American Band
 1か月ほど前、庭周辺の草刈り作業中に、足を蜂に刺された。痛かった。本当に痛かった。蜂に刺されたことはこれまでにもあるが、比べものにならないほど痛かった。10分以上のたうち回り、もがき苦しんだ。スズメバチにやられたに違いないと思い、病院に行くことも考えた。痛みが少し落ち着くと、家族のためにこのまま放置しておくわけにはいかないと思い、刺された付近を探して蜂の巣の駆除に取りかかった。巣は意外と小さく、市販の強力スプレーで比較的簡単に撃退・駆除することができた。スズメバチではなかった。アシナガバチだった。
 昨日、妻が慌てて二階から降りてきた。寝室の外側の壁に蜂が巣を作っているという。外に出てみると、まだそれほど大きくはないが、蜂の巣があった。一匹の黄色い大きな蜂と何匹かの小さい蜂が見えた。今度こそスズメバチかと一瞬緊張が走ったが、どうも巣の形状が違うようだ。スズメバチかと思ったのは、数日前、家の庭でスズメバチを見かけ、殺したからである。一匹だけだったが、栽培している甘いフルーツミニトマトを食べに来ていたのである。追い払ってもすぐにリターンし、いつまでも居座り続けたので、シャワーで放水し一瞬地面に落ちたところを踏みつけた。なかなか絶命しなかった。さらに踏みつけ、絶命した後は仲間が来ないように土に埋めた。
 昨日の蜂の巣は、ホームセンターで購入した「ハチ・アブ、バズーカー・ショット」で容易に駆除することができた。もちろん、完全防備で取りかかった。今回も、アシナガバチだったようだ。アシナガバチといっても油断はできない。webで検索すると、こんな説明があった。
アシナガバチは、ハチ目スズメバチ科アシナガバチ亜目に属する昆虫で、スズメバチに比べるとおとなしい性格だといわれています。ただし、毒性が強い種類もおり、刺されたときの痛みがスズメバチに勝るとも劣らないほどになることもあるので注意が必要です。 
 今年は、蜂と関わることが多いようである。
 今日の一枚は、グランド・ファンクの1973年リリース盤『アメリカン・バンド』である。このアルバムは以前に一度取り上げたことがある(→こちら)。入院中、apple Musicをいじっているうちにこのアルバムに出会し、しばらくぶりにちょっと聴いてみた。私の古いレコードには収録されていないボーナス・トラックが入っていた。ボーナス・トラックにはそれほど興味はない。所詮、選ばれなかったトラックである。ところがである。ボーナス・トラックのStop Lookin' Backは何だ。アコースティック・バージョンではないか。カッコいい。いい演奏である。入院中、このトラックを10回以上は聴いたかもしれない。
 中学・高校生の頃、恥ずかしながらグランド・ファンクが大好きだった。恥ずかしながらというのは、グランド・ファンクは中身の薄い能天気な、つまりアメリカンなバンドとみられる雰囲気があったからだ。私が聴いたのはリアルタイムより5年以上遅れてのことだったが、まだとこかにそういう雰囲気はあったように思う。例えば、渋谷陽一『ロックミュージック進化論』(新潮文庫)は、次のように記す。
グランド・ファンク・レイルロードは、当時とても高い人気を得ていたアメリカのハードロック・バンドである。ツェッペリンの前座として登場し、本命のツェッペリンを食ってしまった事で有名である。ただ、人気はあっても音楽的水準は低いという事で、意識的なロック・ファンから嫌われ、グランド・ファンクをけなすことがロック・ファンの良心とさえ言われていた。
 かわいそうなバンドである。あれから40年以上経過したが、今聴いても得体のしれない熱いものがこみあげてくる。おやじロックといわれるような懐古趣味では片付けられない、身体の深部で細胞が共鳴するような気がするのだ。


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