WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

最近、レッド・ガーランドをよく聴く

2019年08月05日 | 今日の一枚(Q-R)
◉今日の一枚 438◉
The 1956 Red Garland Trio

 ふとしたことから、このところレッド・ガーランドをよく聴く。マイルス・デイヴィスの「ワーキン」の美しすぎるイントロを別にすれば、私の中ではずっと、ビル・エヴァンスの登場によって歴史の片隅においやられた、格落ちのピアニスト、という勝手な思い込みをしていた気がする。

 しかし、左手のブロックコードと右手のシングルトーンから生み出される「ガーランド節」は、改めて聴くと、とてもシンプルで受け入れやすいサウンドだ。ガーランドの右手は、ときに美しくときにスウィンギーに、変幻自在のメロディーを奏でる。
 
 近頃よく聴くのは、「ザ・1956・レッド・ガーランド・トリオ」というアルバムだ。輸入盤CDで所有している。アルバムの成立についてはよくわからないが、「A Garland of Red」、「Groovy」、「Red Garland's Piano」、そしてマイルスの「Workin'」に収録されていたものの寄せ集めで、 レッド・ガーランドが1956年に残したトリオ演奏の集大成という企画のようだ。1956年といえば、レッド・ガーランドはマイルス・デイヴィス・グループのピアニストを務めていた時期であり、才気あふれる時代だ。寄せ集め盤だけに、どれも秀逸な演奏だが、① A Foggy Day と② My Romance、そして、⑪ O know way あたりは大好きだ。

 今日も暑いが、幸いなことに涼しい風が入ってくる。夏季休暇を取ったが、妻は遠方から来た友だちのお供で、家には私一人だ。懸案の唐桑オルレに挑戦しようかとも考えたが、暑すぎる故に断念し、午前中はしばらくぶりの一人ジャズ喫茶ごっこに興じている。




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