◎今日の一枚 542◎
畠山美由紀
Song Book #1
入院中である。ステロイドパルス療法の副作用で不眠傾向だ。昨夜は寝つきは良かったが、0:00過ぎにトイレに起きてしまった。血栓症予防のために水を多く飲んでいるため、どうしてもトイレは増えるようだ。トイレの後、なかなか眠れなかった。諦めて起き、暗く静かな病室の中でKindleで本を読みながら、Apple Musicで音楽を聴いた。今回は、以前購入し使っていなかったJBLのbluetooth スピーカーを持参したので、ちょっとだけ音はいいようだ。
聴いたのは、私の住む気仙沼市出身のボーカリスト、畠山美由紀の『Song Book #1』と題されたアルバムだ。2021作品である。Apple Musicの「あなたにおすすめ」のNew Music Mixにこのアルバムに収録されている「星めぐりの歌」があったのがきっかけだ。そこからすぐアルバムに跳べるのだ。
このアルバムは、来年デビュー20周年を迎える畠山美由紀の初のセルフプロデュース作品となるカヴァーアルバムらしい。コロナ禍の中、全曲自宅録音を重ねて完全リモートで制作されたもので、 ギタリストの小池龍平とピアニストの片木希依が参加したアコースティックな作品である。
深夜の暗く静かな病室にはまったくふさわしい音楽だった。ギターの伴奏で、闇の中でささやきかけてくるような歌声が好ましい。ギターはガットギターのようだ。柔らかく、優しく、落ち着いた響きである。「わが美しき故郷よ」のセルフカヴァーには、はっとさせられた。ストリングスを排したサウンドの、ボーカルを前面に出したよりダークでスモーキーな歌唱からは、直截的に語りかけてくるような優しさを感じる。この曲の「そして街中が色めき立つみなと祭りの夜 打ち上る花火に夢を見たよ」という歌詞には共感を禁じ得ない。
結局、3時過ぎまで断続的に聴き、読んでいた久保田哲『明治十四年の政変』も終わり近くまで進んだ。
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