なんでだろう
時間つぶしに来てるしか見えない
助手のせいだろうか
こんな厳しい世の中に
わしんとこはこれで大丈夫だろうかと
思わせられるもんな
ふぅ~~~
月末だな
明日から6月
また事務仕事をせにゃならん
難儀やな
昨日パートさんが携帯を落として
近くの交番に紛失届を出しに行ったら
携帯がすでに届いていた
パートさんは
「悪用されなくて良かった」
って言っていたが
個人情報たらのせいだろうか
おまわりさんもデータのチェックをしていなかったそうだ
データを見れば持ち主が特定されるはずだが
個人のデータを見る事によって
訴えられでもすれば
難儀な事になる
善意なことが却って自分の不利益になる
うちのお客さんで寿司屋の大将が
財布を忘れた客の財布を預かって
取りに帰った客に返したら
「もっと入っていたはずだ」
と言われたそうだ
その事を別の中華屋のおばさんに言ったら
「わざとバックを忘れて帰る人がいるのよ」
と言っていた
世の中
そんなになっておるんか!
人が人を信用出来ない時代なんか!
わしも数年前
成田山の山の中で
財布を落とした
それも千円札!がびっしりパンパンに詰まった財布
人もあんまり住んで無いような山の中で落としたんだから
たぶんもう無いだろう
落としたであろうかと思われる場所に行ったら
目の前に一軒の酒屋さんがあった
何気に酒屋さんに事情を話したら
「うちで預かってますよ」
って言いよる
わしが
「誰が拾ってくれたんですか」と言うと
「近所のうちのお客さん」
「いくらかお礼をしたいんですが」
「平気!平気!お酒好きの人だから一本あげればいいのよ」
「うちから届けてあげるから、あの人今仕事中だから電話番号を教えてあげるね」
「それと財布の中におたくの名刺が入っていたから留守録に入れといたから」
拾ってくれた人にお礼の電話をしたら
「お酒ありがとうね、今度一緒に飲もうよ」
成田の山の中の集落はまだ
人が人を信用してるんだな
これが人間のほんとの姿なんだろうけど
「ぜひ今度、ご一緒に一杯やりましょう!」
と拾って下さった方に電話で言ったわしは
その後
連絡はしていない
会ってお礼をしたかったんやが
わしって恩知らずやもんな