この話は怖い
今から100年以上も前、大正4年12月に北海道の開拓村で実際に起きた
人食い熊によって村人6人が食い殺された実話をもとに戦記物の巨匠吉村昭さんによって書かれた作品だ
最初の被害者農家の嫁が食われて息子が殺された
嫁は熊に窓から引きずり出されて山まで持って行かれそこで食われた
熊の食い残しを発見した捜索隊
「おっかあが、少しになっている」
村民の男達が一軒一軒家々を確認してまわる
一軒の家で実際に熊が村人を食っている現場に遭遇する
「今、中で熊が食ってる」
最後は熊打ちに仕留められるんだけど
熊が人を食う描写が怖いんだ
乙川優三郎作三部作の中の安穏河原
元郡奉行で没落武士の長女双枝は病気の母の薬代の代わりに女衒に売られてしまう
父は女郎になっても武士の娘としての誇りは失うなと言って娘を送り出した
昔、僕が10代最後の頃アルバイトで大阪の釜ヶ崎に通っていた頃
バイト仲間が仕事帰りに「飛田新地に寄って行かんへんか?」って言われた
「何しに行くんや」って言うと
「えへへ」と言った
飛田新地は現代でもある遊郭であの頃でも「売られた」女性が働いていた
小説家の宮尾登美子さんは実家が女衒屋で宮尾さん自身が女学生の頃
飛田新地に売られて行く娘たちを伴って遊郭に赴いている
自分と同世代の娘たち
売る方と売られる方
遊郭の女将にごちそうになるお金持ちの宮尾さんと苦界に身を沈める貧乏人の娘
この本でも双枝には親の借金を背負いながら武士の娘としての体面を持ち続けた事が書かれている
またこの話の最終頁が泣かすんだよ
図書館にあったので借りてみた
けっこう昔から読まれていたけど僕は初めて読んだ
東京から山奥の村に引っ越した勇太?少年が土地に馴染めず友達も出来ない
そんな時に古い家に住む座敷童達に出会い段々とたくましい少年に成長してゆく過程を描いた作品だ
う~~~ん
座敷童を取り入れた作品は結構多いけど、どうなんだろう?