藤沢周平短編集「日暮れ竹河岸」の中の‘三日の暮色
紙問屋玉木屋の女房おくにはやり手だが気弱な主人喜兵衛の言動に腹を立てている
玉木屋は繁盛店で雇い人も多く店先にもいろんな芸人や物もらいの類がおとずれてくる
そんなある正月店番の小僧が「おかみさん」「物もらいですけど、どうしますか?」
「女中に言って、お餅でも上げな」とおくには言った
小僧が出て行ってから
物もらいの声を聞いたおくにはふと耳をそばだてた
そしておくには少しづつ顔色が変わるのを感じた
やがておくには部屋を出て暗い場所から土間にいる物もらいの男の顔を見た
垢じみたボロを着たその男は昔別れたおくにの前の亭主の助造だった
優しかったけれど甲斐性無しで博打にも手を出した助造はある日家を出たまま帰らなかった
助造の一種言いようのない荒廃を、こんなふうになる人だったのだ、とおくには思った
物もらいの助造が店を出た後
小僧にもやさしい声で接するおくに
おくには喜兵衛にも小さなことで文句を言うのはやめようと思った。
いまの自分のしあわせが、おくににはおどろくほどはっきりとみえている
・・・
甲斐性無しの前の亭主と別れて
小心者だがやり手の男と一緒になりお金持ちになった今の自分がどれだけしあわせか
ひしひしと感じさせられる話ですな
僕の身近でも離婚して一発逆転した女性を何人か知っています。
もう甲斐性無しとはさっさと縁を切る事ですね
わしが一番やばいやんか!