HIROZOU

おっさんの夜明け

一発逆転

2020-09-24 15:10:19 | 

             

藤沢周平短編集「日暮れ竹河岸」の中の‘三日の暮色

紙問屋玉木屋の女房おくにはやり手だが気弱な主人喜兵衛の言動に腹を立てている

玉木屋は繁盛店で雇い人も多く店先にもいろんな芸人や物もらいの類がおとずれてくる

そんなある正月店番の小僧が「おかみさん」「物もらいですけど、どうしますか?」

「女中に言って、お餅でも上げな」とおくには言った

小僧が出て行ってから

物もらいの声を聞いたおくにはふと耳をそばだてた

そしておくには少しづつ顔色が変わるのを感じた

やがておくには部屋を出て暗い場所から土間にいる物もらいの男の顔を見た

垢じみたボロを着たその男は昔別れたおくにの前の亭主の助造だった

優しかったけれど甲斐性無しで博打にも手を出した助造はある日家を出たまま帰らなかった

助造の一種言いようのない荒廃を、こんなふうになる人だったのだ、とおくには思った

物もらいの助造が店を出た後

小僧にもやさしい声で接するおくに

おくには喜兵衛にも小さなことで文句を言うのはやめようと思った。

いまの自分のしあわせが、おくににはおどろくほどはっきりとみえている

・・・

甲斐性無しの前の亭主と別れて

小心者だがやり手の男と一緒になりお金持ちになった今の自分がどれだけしあわせか

ひしひしと感じさせられる話ですな

僕の身近でも離婚して一発逆転した女性を何人か知っています。

もう甲斐性無しとはさっさと縁を切る事ですね

わしが一番やばいやんか!



 

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凶な人生

2020-09-23 10:27:22 | 浅草

           

連休中に浅草に行きました。

半年ぶりぐらい、

久しぶりに観音さまでおみくじを引きました。

また‘凶,でした。

ここんところ凶ばかり

前は大吉率が高かったんですが・・・

このご時世毎日‘凶,な生活です。

        

東武電車の隅田川に架かる鉄橋に沿って歩道が出来ていました。

これで浅草からスカイツリーまで歩いて最短距離になりました。

     

業平で祭りが行われていました

神輿は担がないで飾ってあるだけみたい

そう言えば昔、スカイツリーが出来る前にもここのお祭りに出会った事があります。

あの頃は寂しい地区で夜は歩いてると怖かったんですが

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けっこう良かった

2020-09-14 07:20:39 | 映画

                                  

昨日は久しぶりに映画を観ました。

ソーシャルディスタンス?はしっかり守られていましたが

やはりちょっと気になりました。飲み食いしている人がけっこういましたもん

私は1800円も入場料を取られた上に400円も払ってジュースは飲めません

映画ですが、なんでミッドウェイ海戦に96式陸攻が出て来るんだとか

なぜドーントレスがゼロ戦より強いんだとか言う人がいましたけど

娯楽映画としては1800円は高くなかったですね

それにしても本編が始まるまで予告や宣伝、注意事項が30分ぐらいあるんで

これで映画から足が遠のいてるのは僕だけじゃないだろうな

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カイショなし

2020-09-04 06:54:12 | 

       

藤沢周平短編集、「夜消える」の中の夜消える

下駄職人の兼七は腕のいい職人だったが酒におぼれ

家で飲み、外で飲み、終いには仕事をしながら茶碗酒をあおるようになった

家に置いてある一升徳利に酒が詰まって無いと承知しなかった・・

(わしと同じじゃ)

しまいには酒の合間に仕事をするようになった

(わしはまだそこまでじゃ無いな)

女房のおのぶが内職で家計を支えていた

(同じじゃ)

とうとう娘の奉公先にまで酒代をせびりに行った

(近いな)


兼七は飯を食うのを嫌い、風呂もいやがり、近寄ると異臭が匂うようになった

(アル中の典型だな・・わしも風呂より酒が先じゃ)

ある日、兼七が娘のおきみの奉公先に小遣いをせびりに行った所をおきみの許嫁に

見られてしまった

それで許嫁は乞食のような男がおきみの父親と分かっておきみとの祝言をためらってしまう

「おとっつぁんなんか、死んでくれればいいんだわ」

「おとっつぁんがいるうちは、お嫁になんか行けやしない」

(かなしいのぅ~)

兼七は土間の片隅で娘の言葉をそっと聞いてしまう

その夜から兼七は姿を消してしまった

その後おきみはめでたく許嫁と所帯を持って幸せな暮らしを送っている

おきみの幸せは兼七の失踪で購われたのである・・

(わしも失踪した方が家族が喜んでくれるんやなかろうか)

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