安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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本日発生した2回の地震について

2015-02-17 20:28:49 | 気象・地震
今朝8時6分頃に三陸沖で、また13時46分頃には青森県沖で、それぞれ地震が発生。今日は騒々しい1日だった。気象庁は2つの地震の関連は薄いが、どちらも東日本大震災の余震のひとつとしている。

●今朝8時6分頃の三陸沖の地震(気象庁報道発表

発生日時:2月17日08時06分頃
マグニチュード:6.9(速報値)
場所および深さ:三陸沖(宮古の東、約210km付近)、深さ約10km(速報値)
発震機構等:東西方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)
最大震度:4

この地震では、岩手県沿岸に津波注意報が発令された。日本周辺海域での津波注意報は、昨年4月2日に南米チリ沖で発生した地震以来、ほぼ10ヶ月半ぶりだ。震源は、2011年3月11日の東日本大震災が牡鹿半島の東南東約130km付近だったから、今回の地震のほうが遠かった。にもかかわらず、津波は最も早かった釜石港では8時35分に第1波の押し波を観測している。東日本大震災時と比べて地震発生~津波第1波到達までの所要時間はほとんど変わらなかったから、津波の速度は今回、かなり早かったことになる。M6.9にもかかわらず、最大震度が4で済んだのは震源が遠かったことが大きい。

発震機構(地震のメカニズム)は東日本大震災と同じ逆断層型。震源は日本海溝(プレート境界)のほぼ真上(わずかに東)であり、地殻が最も複雑な動きをしている場所にある。この場所では、正断層型、逆断層型、横ずれ断層型いずれのタイプの地震も珍しくない。

この地震を、東日本大震災の余震とした気象庁の見解に当ブログは同意する。震源地、震源深さ、発震機構いずれも東日本大震災にきわめてよく似ており、違うのは地震の規模だけである。

津波について言えば、観測最大値は久慈港の20cmだった。通常、津波注意報発表基準は20cm以上だから、ぎりぎりで発表基準を満たしていたが、大部分の人は肩すかしという意識を持っただろう。人によっては「空振り」と怒り出す人もいるかもしれない。

しかし、当ブログは今回の津波注意報発表は適正だったと考える。久慈港では実際、20cmの津波を観測しているし、M6.9という地震の規模を考えれば、30~40cm程度の津波の可能性は十分あった。20cmにとどまったことは運が良かったと言える。東日本大震災の被災地で復興が遅れ、防潮堤が復旧していない場所もあることを考えれば、予測が過小で被害を拡大させるより、厳しい予測を出しておくに超したことはない。

●13時46分頃の青森県沖の地震(気象庁報道発表

発生日時:2月17日13時46分頃
マグニチュード:5.7(速報値)
場所および深さ:岩手県沖、深さ約50km(速報値)
発震機構等:北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)
最大震度:5強

震源が本州に近いこともあり、津波はなかった。今朝の地震が最大震度4だったのに対し、こちらは最大震度5強だったから、こちらの地震のほうが強かったように感じられるが、地震の規模はM5.7。今朝の地震よりマグニチュードが1.2小さいから、地震のエネルギーは今朝の地震の32分の1より小さかったことになる(地震のエネルギーは、Mが1上がるたびに約32倍となる)。それにもかかわらず揺れが大きかったのは、今朝の地震とは逆に震源に近かったことによる。

発震機構は圧力軸の方角こそ違うものの、同じ逆断層型。日本海溝より西側で起きるものとしては一般的である。東日本大震災と比べて、震源地は大幅に日本列島に近く、震源深さは若干深め、発震機構は同じ。この地震を東日本大震災の余震とした気象庁の見解に関しては、全面同意ではないが否定する根拠もなく、関連地震の範囲にぎりぎり含まれ得る範囲かな、という気はする。

東日本大震災の震源域では、ここしばらく大きな地震はなく、以前は毎日確認していた地震情報も、当ブログは最近、3日に1回程度に確認回数を減らしていたところだった。だが、1000年に一度の巨大地震の余効変動がたかだか数年程度で終わるはずもなく、数週間程度は細心の注意をもって動向を見守ることにする。

「東日本大震災の震源域のエネルギー状態が、震災前と同じレベルに戻った可能性がある」との報道もある(関連記事)。折しも3.11まであと3週間だ。もう一度、あの震災の教訓をかみしめよ、という天からの戒めかもしれない。

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