人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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2023年上半期 鉄道全線完乗達成状況まとめ

2023-06-30 21:04:55 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
早いもので、2023年も上半期が終わる。ここで、2023年上半期鉄道全線完乗達成状況をまとめる。

【2月】関東鉄道竜ヶ崎線・常総線

新年目標として、今年は5線区の乗車達成を掲げた。2月、関東鉄道竜ヶ崎線・常総線に乗り、幸先のよいスタートと思ったが、結局この両線のみで上半期は終わった。

実は、「レイバーネット日本」でリニア問題を扱う企画を予定しており、その事前取材のため、6月3~4日に長野県大鹿村に入ることになっていた。東京駅に集合、車に乗り合わせて現地に向かうため、東京滞在ついでに開業間もない相鉄・東急新横浜線に乗ろうと考えていたが、あろう事か、6月2日深夜、日本に最接近した台風2号の影響で現地取材が中止となった。

すでに東京入りしていた私は、6月3日、天候回復を待って相鉄・東急新横浜線だけでも何とか乗ろうと考えていた。しかし、ホテル最寄りの京急蒲田駅から、横浜方面の列車はダイヤの乱れでいつ来るか駅員にもわからないという。東海道新幹線も3日午前中まで運休というニュースを聞いたところで完全に気持ちが切れてしまった。急きょ、動いていたリムジンバスで空港に向かい、空いていた航空便で北海道に戻ることにした。

結局、目と鼻の先まで来ていながら、このとき相鉄・東急新横浜線の乗車はお預けとなってしまった。悔しいが、全線完乗活動は登山と同じで、危険だと思ったときは撤退する勇気を持つことも必要である。下半期に再度、乗車を目指すが、新年目標の5線区乗車を達成できるかどうかは微妙な状況になってきたと思っている。

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脱原発を実現したドイツ 福島の反省なく原発回帰の日本 全原発廃炉へ市民参加と運動を

2023-06-24 23:24:57 | 原発問題/一般
(この記事は、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2023年7月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 ウクライナ戦争開始後、エネルギー事情が厳しさを増す中、ドイツは4月15日限りで脱原発を実現した。福島原発事故を経験しながら、岸田政権が原発回帰への暴走を続ける日本との違いを探る。

◎倫理委員会での議論

 ドイツでは、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(1986年)をきっかけに、1990年頃から脱原発の機運が高まった。1998年の総選挙で成立したシュレーダー政権(社民党・緑の党の連立)は2002年、20年後に脱原発を実現する方針を決定。国内17基の原発を2022年末までに全廃するというものだ。

 だが、再度の政権交代で発足したメルケル政権(保守政党・キリスト教民主社会同盟)は2010年、脱原発の期限を14年も延長する。この時点でドイツの脱原発の期限はいったん2034年まで遠のいた。

 そこに福島第一原発事故(2011年)が起きた。メルケル首相は「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」を設置する。「電力価格の高騰や対外的な輸入依存、二酸化炭素排出の増加なしに、エネルギー安全保障と競争力を確保しながら、原子力エネルギーを止めることができるのか」を審議することが、その委員会の任務とされた。

 委員会は、原発の経済性や安全性だけでなく、事故の際の健康被害や環境破壊、核のごみや再生可能エネルギーの重要性などあらゆる角度からエネルギー政策を審議。原発への絶対的拒否と「相対的比較」(原発が他のエネルギーよりましであれば容認)を求める意見の根本的対立もあったが粘り強い合意形成が行われた。

 委員会は、原発事故の損害は大きすぎ、リスクと利益の比較はすべきでないとして絶対的拒否の立場に理解を示した。一方で、原発廃絶によって引き起こされるエネルギー危機など他の要因も考慮すべきであるとして「相対的比較」を求める立場にも配慮した。

 「リスクの少ない他のエネルギーによって代替しうる限りにおいて、原子力を速やかに終わらせる」べきであり、段階的な脱原発こそが「すべての関係者にとって試練であると同時に新たなチャンスでもある」。委員会がまとめた結論だ。

 メルケル首相が就任直後に決めた脱原発期限の延長は国内の大きな反発を呼び、12万人の市民が原発を〝人間の鎖〟で結んで抗議した。こうした運動の力に直面した経験を持つメルケル首相は委員会の結論を尊重し、みずから決めた脱原発期限の延長方針を撤回。脱原発の期限は再び2022年末に戻った。ウクライナ戦争後のエネルギー事情を考慮して、期限は再び今年4月15日まで延長されていたが、その期限とともに予定通り脱原発を完了した。

 ここまでの経緯を振り返ると、ドイツの脱原発方針は一貫しており、揺らいでいないことがわかる。

◎社会学者が議論を主導

 倫理委員会の筆頭委員として議論を主導したのは社会学者ウルリッヒ・ベック(元ミュンヘン大学社会学部教授/リスク社会学)だ。政治家・官僚が素人集団であるのをいいことに、専門性を持つ学者グループが政策決定過程を独占し例えば「原子力ムラ」に有利な決定を繰り返す。科学が民主主義政治による統制から逸脱する事態をベックは「サブ政治」と名付けた。

 規制する側の政府が、規制を受ける側の「ムラ」に取り込まれる現象を、福島原発事故に関する国会事故調査委員会が「規制の虜」と呼んだが、ベックはチェルノブイリ事故直後からその危険な本質を見抜き、警告を発していたのだ。

◎科学民主化と運動発展

 自分たちに都合のいい「正しさ」を振りかざし、放射能を「正しく恐れろ」と主張。異なる意見は「風評」と切り捨てる。事故から12年後の今も日本の御用学者は市民の批判を受け続ける。ドイツが選択したようなまっとうなエネルギー政策のために何が必要か。

 吉川肇子(きっかわとしこ)慶応大教授は、科学者が市民不信から脱却し、議論への市民参加を認める必要性を訴える(『科学者に委ねてはいけないこと』岩波書店)。反原発運動をドイツ市民が展開した規模へ発展させることが必要だ。市民ひとりひとりが自分の頭で考え行動を続けるなら、倫理に反する原発から脱却すべきという結論は自然に導き出される。

◎北海道で核のごみ問題考える全国集会開催

 5月27~28日、札幌市で「どうする原発のごみ?全国交流集会」(原水爆禁止国民会議、原子力資料情報室、北海道平和運動フォーラム主催)が開催。全国から集まった市民が討議した。

 町長が核ごみ処分場調査に手を上げた北海道寿都(すっつ)町から、「子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会」の大串伸吾さんが「町内では賛成派、反対派が分断され、考えが違うと町民が互いの家を訪問もできない」と現状を報告した。

 2022年8月、「ハッピーロードネット」(福島県広野町)の高校生ツアーが町を訪れた。「町長の町を思う気持ちが伝わってきた」(ツアー報告)と核ごみ推進派に都合よくまとめられた高校生の声が推進の雰囲気作りに利用されていると大串さんは危惧する。

 ハッピーロードネットは、帰還困難区域を走る高汚染地域の国道除染作業に福島県内の子どもを動員するトンデモ団体だ。西本由美子理事長は改憲団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の発起人も務める。

 寿都に隣接する神恵内(かもえない)村では、反対派を交えず国とNUMO(原子力発電環境整備機構)だけで「説明会」開催。動きを批判する土門昌幸村議は「(泊原発関係4町村に含まれ、立地地域交付金を受けている神恵内村は)原発の恩恵を受けているのだから受け入れなくては」という意見だけが次々に上がる「説明会」の様子を「賛成意見表明会」だと指摘した。反対派は傍聴だけで意見表明の場もない。

 核ごみ誘致の動きは各地で表面化しつつあるが、NUMOはほとんどに関わっている。長崎県対馬市では地元商工会が誘致を決議し市長に申し入れた。九州最南端にある鹿児島県南大隅町でも一時、処分場誘致が町を揺るがした。

 28日の全体集会では、原発復活へ暴走する岸田政権を批判。(1)全国全市町村は核のごみ最終処分候補地への応募を行わないこと(2)全国の住民は自治体や「受け入れ請願」などを通じて推進派の手足となっている地元商工会を監視すること(3)国は原発政策の根本的転換をすること―を求める集会アピールを採択した。

 岸田政権は全国の原発再稼働・新増設を狙う。だが青森県六ヶ所村の再処理工場は当初計画から四半世紀経た今も稼働しない。各原発では使用済み核燃料の保管場所がなくなりつつある。再処理できなければ高レベル放射性廃棄物となる。

 現在の「トイレのないマンション」状態が続けば原発回帰政策は破綻する。集会アピールを受け、核のごみ処分場への応募を許さない闘いを全国に広げることが必要だ。

(2023年6月20日)

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【転載資料】全漁連のALPS処理水海洋放出の方針に対する特別決議

2023-06-23 23:20:20 | 原発問題/一般
全漁連の汚染水海洋放出反対の特別決議を転載する。

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ALPS処理水海洋放出の方針に対する特別決議(全漁連)

 国は、一昨年4月のALPS処理水海洋放出の方針決定以降、本年春から夏頃とするALPS処理水の海洋放出開始に向けた準備を進めている。

 我々JFグループは、廃炉に向けた取組そのものを否定するものではないが、ALPS処理水の海洋放出には反対であることはいささかも変わるものではない。

 一方、漁業者の不安を払拭するための我々の申し入れに対し、国が、昨年12月の漁業者支援事業にかかる500億円基金の創設や、ALPS処理水の安全性にかかる漁業者説明会等を通じて信頼関係を積み重ねる対応を行ってきたことは、重く受け止めるものである。

 しかしながら、ALPS処理水の海洋放出は、我が国のみならず世界でも経験したことのない事態であり、廃炉に向けた取組は長期に及ぶことから、漁業者の将来に亘る不安を拭い去ることはできない。

 国は、引き続き、漁業者・国民へ説明を行うとともに、風評を決して起こさない安全性の担保を図り、漁業者が安心して漁業が継続できるよう長期に亘る継続的な漁業者支援の実施をはじめ、ALPS処理水の海洋放出の方針を決定した主体者として、全責任を持って対処していくことを、強く求めるものである。

2023年6月22日
全国漁業協同組合連合会 通常総会

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<地方交通に未来を(11)>戻り始めた日常と、小さな変化

2023-06-15 22:07:18 | 鉄道・公共交通/交通政策
(この記事は、当ブログ管理人が長野県大鹿村のリニア建設反対住民団体「大鹿の十年先を変える会」会報「越路」に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 2020年の年明け早々、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から始まり、3年にわたったコロナ禍も一息つき、鉄道を含め急速に日常が戻りつつある。消えて喜んでいたはずの満員電車まで復活しているのは喜ばしいことではないが……。

 テレワークを全社員、全業務に拡大したNTTなどの動きがある一方で、緊急避難的にテレワークを導入したものの、働き方を改革するマインドのない企業を中心に、テレワークを取りやめ通常出社に戻す動きも拡大している。

 インバウンドも戻ってきている。正直なところ、戻ってきてほしいかと聞かれると諸手を挙げて歓迎とは行かない。子どもの頃の社会科の授業で、日本は「原材料を輸入して、製品を輸出する加工貿易の国」だと教わったのも遠い昔、今の日本は「サービスを輸出し、モノを輸入する」経済構造にすっかり変わってしまった。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」とお金持ちの外国人にお辞儀する以外に食い扶持がなくなりつつある日本として、こうした分野で「戻ってきた」感が出ているのは、いいことか悪いことかは別として、やむを得ない選択なのだろう。世界有数の観光地・京都では市営バスが観光客で占拠され、京都市民が乗れないというコロナ前の悪弊まで復活。忍耐も限界に達した京都市は、観光客だけ運賃を2倍にできないか、近く国交省と協議に入るという。

 鉄道運賃のダイナミック・プライシング制も検討が始まっている。混雑度合いに応じて運賃を柔軟に変更するもので、たとえば日中の閑散時間帯運賃を現行のまま据え置き、朝夕のラッシュ時間帯に2倍の運賃とするような制度の導入ができないかというものだ。企業も、労働者を閑散時間帯に通勤させるようにすれば通勤手当を安くできる。ラッシュの分散を狙ったものだが、そんなに上手くいくのだろうか。何でも「他社がやっているから、うちもやる」横並び文化の強い日本では、結局、多くの企業が同じところに通勤時間をずらした結果、「単にラッシュの時間帯が変わっただけだった」というきわめて日本的な結果になりそうな気がする。

 コロナ後の鉄道に乗客が戻るかどうかをめぐっては、「戻る」「戻らない」両方の予測があった。首都圏ではJR東日本や東京メトロを中心に、減便を推し進めるダイヤ改正が次々に行われた。一方、JR東海はコロナ禍でも、のぞみを1時間に12本のダイヤを計画通りに導入した。コロナ禍で人が乗らない時期にも臨時列車の削減でしのぎ、ダイヤの柔軟性を維持した上で、基本的な列車の減便はしない方針を貫いたという(注)。首都圏ではコロナ後に乗客は「戻らない」と考えていた鉄道会社が多く、一方、JR東海は「戻る」と考えていたことを物語っている(このためか、JR東海は他のJR5社が行った赤字路線の公表も唯一、していない)。

 このような考えに至った背景には地域性もあろう。コロナ後もテレワークを継続できるような企業は首都圏に多い一方、JR東海のお膝元の東海地方は製造業の比率が高く、コロナが拡大すれば休業、収束傾向を見せれば出勤再開しか手の打ちようがない。テレワークなど導入の検討すら行われなかったところがほとんどではないか。

 JR各社は、相変わらず乗客はコロナ禍前に完全には戻っていないことを理由に、輸送密度1000人未満のローカル線について、4月に成立した改定地域公共交通活性化再生法に基づく協議会入りを目指す考えのようだ。だが、この問題を考える上では、どんな旅客がどの程度戻ってきているのかも、単なる「数」以上に重要である。もう一度整理すると、「ほぼ完全に戻っている」のはインバウンド、長距離旅行客。「おおむね戻っている」のが通勤通学客、「思ったほど戻っていない」のが出張族や深夜の酔客といった感じだろうか。総じて、観光客など「客単価が高く歓迎したい」旅客ほど戻り、通勤通学客など「客単価が安く、歓迎したくない」旅客ほど戻り方が鈍いというふうに読み取れる。

 鉄道会社にとって、通勤通学客のほとんどは定期券だ。日銭が入らない上に、定期券の割引率が大きいため、戻ってきたとしても大した収入増加にはならない。定期運賃は通常運賃の半額を超えてはならないと定めていた旧「国有鉄道運賃法」により、特にJR各社は国鉄時代の大きな定期券割引率を引き継いでいる。改めて調べてみると、同一条件で比較可能な乗車距離3km区間(本州3社・幹線)では、普通運賃150円に対し、通勤1ヶ月定期でも4,620円(30.8回乗車分)。15往復、つまり月に半分も乗れば元が取れることになる。高校生用の6ヶ月通学定期券に至っては、13,370円(150円の89.1回分=45往復分)と、土日を含めなくても2ヶ月ほどの通学で元が取れる計算になる。あるJR東日本幹部が「JRの通学定期というのは、ほとんどボランティアのようなもんですよ」と話したという噂が私の耳にも聞こえてきたが、真偽のほどはともかく、6ヶ月定期の元がたったの2ヶ月で取れてしまうようでは、確かに「タダより少しまし。ボランティアで乗せてやっている」と言いたくもなろう。こんな儲からない客であっても、公共交通である以上、増えればコストをかけて増便しなければならないのだ。コロナ禍前までは「ありがた迷惑」で、通勤通学客は減ってくれてホッとしているのが正直なところではないか。「テレワーク? 定期券をお持ちのままでしたら、どうぞ続けてください」が鉄道会社の本音だろう。一方で、客単価の高い観光客、とりわけ円安ドル高の影響で、1~2割程度の値上げなら痛くもかゆくもなく、今まで通り日本にカネを落としてくれるインバウンドは、新幹線のグリーン車でおもてなしをしてでも取りこぼしを防ぎたいところだ。

 何人も法の下に平等であるというのが日本国憲法の基本原則とはいえ、鉄道会社にとって「おいしくない客」は完全には戻らず、一方で「おいしい客」は戻ってきている。鉄道会社にとって、コロナ禍前は望んでも決して手に入らなかった理想的な状況が実現しようとしているのだ。むしろ、鉄道会社の今後の経営状態はコロナ前より改善する可能性すらある。儲かる路線で儲からない路線を支える「内部補助」もコロナ禍でいったんは崩壊したかに思えたが、中長期的にはともかく、短期的には復活することは確実だ。

 こんな状態で「活性化再生法の改定が実現したのだから、ローカル線を廃止したい」などと言えば罰が当たる。JRはこのチャンスに悪乗りしていると思われても仕方ないであろう。公共交通の本旨、そして国鉄から引き継いだ路線は維持するとした国土交通大臣指針の精神に立ち返り、JR各社が、今ある路線をしっかり維持するよう望んでおきたい。

注)「コロナ後に乗客が「戻る」「戻らない」 鉄道会社の“読み”はどちらが正しかったのか」(ITmediaニュース)

(2023年6月12日)

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本日夕方の浦河沖の地震について【千歳市で震度5弱を観測】

2023-06-11 23:57:14 | 気象・地震
令和5年6月11日18時55分頃の浦河沖の地震について(気象庁報道発表)

この地震発生当時、千歳市内のスーパーで買い物をしていた。北海道内では、今年春以降、鳥インフルエンザが史上最悪規模で拡大した影響で鶏卵が極端に不足しており、まともな方法ではもはやまったく入手できない(参考記事:朝一番に行かないと買えない… 続く卵不足、安定供給まで1年超か(毎日))。こんな状況の中、店舗の隅に一瞬、卵のような白いものが見えた気がしたので、確認するため、一緒に歩いていた妻と離れたところだった。目指した場所にあったものが鶏卵ではないことを確認してがっかりした瞬間、緊急地震速報が鳴った。

すぐに、妻の元に戻って緊急地震速報の画面を見せ「(地震が)来るよ」と妻の衣服をつかみ、踏ん張った次の瞬間、グラグラッと大きな横揺れが来た。緊急地震速報が鳴り始めてから、強い横揺れまでは10秒くらいあった。少し離れたところで、ガシャンと、何かが割れる音がした。

地震直後の店内の様子=2023年6月11日午後6時55分過ぎ、千歳市内で


こんなに緊急地震速報が早いのは珍しく、①震源はかなり深い、②震源が深ければ、広域に揺れが及んでいるはず--と見たが、2つとも予想通り。揺れの範囲は東海地方にまで及んだ。日本の地震観測地点がないだけで、サハリンやロシア・沿海州で揺れが観測されていても不思議ではない。

気象庁報道発表を見る限り、当ブログが解説記事を書く基準にしている「嫌な感じのする地震」ではない。震央の位置は、2018年、北海道全域停電を招いた胆振東部地震に近いが、震源の深さは胆振東部の37kmに対し、今回の地震は136kmと3倍も深い。胆振東部地震との関連は、ほぼないと考えている。

ところで、最近の災害報道をめぐるNHKの報道姿勢には疑問がある。今日の地震では、震度5弱という大きな揺れを観測したにもかかわらず、NHKは夜7時からのニュースを延長することもなく、7時20分(ラジオ第1)、7時30分(総合テレビ)には通常放送に戻してしまった。去る6月2日(金)の夜から翌3日(土)にかけても、私は台風が接近する中、どうしても外せない所用で首都圏にいたが、3日朝、宿泊していたホテルでテレビを見ても、都民が最も知りたいであろう台風情報は字幕で流すだけ。延々とウクライナ情勢について報道していた。

もちろん、ウクライナ戦争が重要でないというつもりはない。無辜の一般市民が傷つき、倒れ、死んでいるウクライナ戦争の行方は日本国民の生活にも大きな影響を与えている。戦争は最大の命の浪費であり「初めは亡くなった人が名前とともに報道される。そのうち死者は数字でしか報道されなくなる。さらに時が経過すると、死者の数もわからなくなる」といわれる。その意味では報道すべき最重要事項のひとつではあろう。

だが、それは目の前で日本国民に死者が出るかもしれない台風情報に優先してまで延々とやるべき報道だろうか。そんな疑問がぬぐえないのである。最近のNHKは、政権にとって不利な内政問題(最近では、岸田首相の息子による官邸忘年会問題など)が出てくると、そこから市民の批判をそらすため、都合よくウクライナ戦争を利用しているだけではないかと思わざるを得ない。日本の市民にとって何が優先課題かを、間違えないようにしてもらいたい。

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【訃報/お知らせ】斉藤武一さんを偲ぶ会のお知らせ

2023-06-08 19:28:55 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

岩内原発問題研究会の一員として、北海道電力泊原発が運転を始めた当初から長く反原発運動に携わり、最近では泊原発差し止め訴訟原告団長も務めていた斉藤武一さんが、4月29日に亡くなりました。70歳での早すぎる逝去といえます。

原発から排出される温排水が海に与える影響を調べるため、泊原発の運転開始前から30年以上、1日も欠かすことなく海水温の測定を続けました。原発の危険性を訴える自作の紙芝居は、多くの人に好評でした。

斉藤さんの、北海道内のみならず、全国の反原発運動に残した功績を確認し、故人を追悼するため、「斉藤武一さんを偲ぶ会」が6/10(土)18:30から、札幌駅前・エルプラザで開催されます。ご参加の方は、チラシを参考にお越しください。

なお、北海道・泊原発については、昨年5月31日、1~3号機、全機の運転を差し止める原告勝訴の判決がありました。北電側が即日控訴、現在、札幌高裁に移っています。勝訴当日の報告集会の模様は当ブログ2022年6月1日付け記事にあります。写真で、紙芝居を掲げているのが斉藤さんです。謹んで哀悼の意を表します。

(注)当ブログ・安全問題研究会は、「斉藤武一さんを偲ぶ会」の主催者団体ではありません。お問い合わせ等は主催者団体である岩内原発問題研究会または「みんたる」にお願いします。

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