安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

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当サイトは列車の旅と温泉をメインに鉄道・旅行を楽しみ、また社会を考えるサイトです。

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●管理人の著作(いずれも共著)
次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する(緑風出版)
地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望(緑風出版)
原発を止める55の方法(宝島社)

●管理人の寄稿
月刊『住民と自治』 2022年8月号 住民の足を守ろう―権利としての地域公共交通
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【管理人よりお知らせ】携帯動画アップロード・閲覧サービス終了及びこれに伴う措置について、等

2011-11-30 21:14:46 | 運営方針・お知らせ
管理人よりお知らせです。

1.gooブログにおける携帯動画アップロード・閲覧サービス終了及びこれに伴う措置について

gooスタッフブログ記事(11月29日付け)で告知されているとおり、11月29日をもって、当ブログが使用しているgooブログサービスにおける「.3GP」「.3GP2」形式ファイル(いわゆる携帯動画)のアップロードサービスが打ち切られました。すでにアップロードされた動画の閲覧も、2012年1月29日限りでできなくなります。

これに伴い、当ブログ中「鉄道(携帯動画)」カテゴリを廃止するとともに、このカテゴリでアップロードしていた携帯動画を削除しました。

なお、旧「鉄道(携帯動画)」カテゴリにアップロードしていた携帯動画の一部は、管理人の運営するyoutubeチャンネルで閲覧できます。閲覧を希望される方は、こちらをご覧いただくようお願いします。

2.カテゴリの再編について

上記1によるものの他、「鉄道(JR労働問題)」カテゴリを廃止し、「鉄道・交通政策」カテゴリに統合しました。旧「鉄道(JR労働問題)」カテゴリに掲載していた記事は「鉄道・交通政策」カテゴリに移動しましたので、今後はこちらでご覧下さい。

カテゴリ廃止理由は、1987年4月、国鉄分割民営化に伴い、改革反対派組合に所属していた国鉄職員1047名がJRに採用されなかった、いわゆる「JR不採用問題」のうち、国労が政府、鉄道・運輸機構との和解に応じたためです。国労の一部組合員らが金銭和解解決に納得せず、雇用の要求を継続する動きを見せているほか、動労千葉など裁判を続行している組合もあるなど、JR不採用問題はまだ最終解決していない状況ですが、今後、そうした動きは整備新幹線問題やローカル線問題とともに「鉄道・交通政策」で取り扱っていくことにします。

上記1及び2の措置により、カテゴリ数は2つ減り14となります。鉄道関係のカテゴリがシンプルになりました。

3.本日アップした市民放射能測定所オープンに関する記事を諸事情により削除しました

本日、白河市内に市民放射能測定所がオープンする予定との記事をアップしました。すでにご覧になった方もいらっしゃると思いますが、この記事は諸事情により削除しました。

年明け以降に正式開所するという事実には変わりありませんが、スタッフ会議で、当面はインターネットでの告知を行わないとの方針が決定されたことによるものですので、事情をお酌み取りいただきたいと思います。

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最近思うこと【かなり愚痴です】

2011-11-28 23:16:28 | 原発問題/一般
3.11以降、日本は2つの国に分裂してしまったのではないか。そんなことを思わざるを得ないほど、日本社会に横たわる深い亀裂を意識することが多くなった。

なにが私たちを2つに引き裂いているのか。(1)社会を支配する1%と疎外される99%、(2)放射能被害が深刻な東日本と無意識の西日本、(3)福島県内における安全派と危険派、という主に3つの対立軸が存在しているように思われる。これらの3つはバラバラに存在しているのではなく相互に作用し合っている。それも、例えば(1)における「1%」と(3)における「安全派」が同じ層の人たちではないように、複雑にねじれた形で相互に作用し合っているのだ(実際は福島県内は「騒いでいる人たちのほうがおかしい」という雰囲気に支配されており、危険派のほうが1%といってもよい)。

日本にはずっと自由があると私は思っていた。この国の最高法規である日本国憲法にはあらゆる自由が列挙されている。よもやこの私が「避難したいのにできない」という状況に陥るなんて夢にも思わなかった。まるで移動の自由がなく、外国人は勝手に拉致され、連れてこられたら最後、どんなに不満でも批判することも許されず、射殺を覚悟しなければ脱出できない北朝鮮にいるかのようだ。

ブログにこのような体制批判を書き込んでも、日本では逮捕も処刑もされないのだから、北朝鮮と同列に扱うのは飛躍し過ぎでついて行けない、と思う読者諸氏もいるかもしれない。しかし私には最近、北朝鮮国民の気持ちがわかるような気がする。メディアは政府に都合のよいプロパガンダしか流さず、労働者の命の価値はゴミ同然。2世、3世ばかりの世襲権力は腐りきっている(ちなみに、あちらの名誉のために書いておくと、北朝鮮の世襲はまだ2代目で、3代目への世襲はまだこれから。世襲だけでいうと、日本は北朝鮮より酷い)。

私は現在、月に1回程度、仕事に準じた用事で西日本に出張する生活をしているが、西日本では原発事故について危機感は全くなく、話題にあがるのは失業や生活保護ばかり増えているとか、橋下徹の危険性とか、そんなことばかり。もちろんそれも重要には違いないが、福島の子どもたちが放射線管理区域以上の放射線被曝を毎日しているという現実に対する意識が全くなくて困っている。それはもう温度差なんてレベルではない。静岡県あたりに見えない38度線(軍事境界線)があって、その向こうには言葉も生活習慣も同じ民族が住んでいるのに考えていることが全く違う別の社会があるという、朝鮮半島のような状況に突入しつつある気がする。最近、西日本に出張するとき、妻には半分冗談、半分本気で「脱北してくる」と言っている。西日本に行こうとすればそれだけで射殺される時代がいつか本当に来るかもしれない。

そこまで言わなくても、平等であることが美徳とされてきた日本社会は大きく変質し、「向こうの世界」にいる人は自分にとって顔も名前も生活実態も知らず、また知る必要もなく、一生交流もしないまま終わってしまう、という究極の階級社会が到来しつつあるのではないか。コミュニケーションの重要性ばかりが叫ばれながら、実際には社会がますます分断と分裂を強め、違う階層同士の間には対話すら成立しないという状況が起こりつつあるようで、正直なところかなりの危惧を抱いている。

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【管理人よりお詫び】エコー(電磁波)観測による地震予測のページが削除されました

2011-11-27 22:41:48 | 気象・地震
10月31日付記事にてお知らせした、北海道大学地震火山センター・森谷武男さんによる地震エコー(電磁波観測)に基づく地震予測のページが削除された。このページを基に地震への警告を発した者のひとりとして、お詫びを申し上げる。

本来なら、発表から削除に至った経緯について、森谷さんから直接説明をいただくのが筋だろうと思うし、当ブログもそれを望んでいる。しかし、3.11以降、この国の「自称科学者」たちが根拠もなく「無知な大衆を啓蒙」しようとしては、結局信頼を失墜する姿を私たちは目の当たりにしてきた(多くの大衆は日本の科学界が総体として敗北したことを理解しているが、当の科学界だけがそれに気付いていないのだから困ったものだ)。それだけに、日本の大学やアカデミズムにそれを求めるのはもはや無理というものだろう。

森谷さんは、北海道大学地震火山センターを代表してこの見解を発表したわけではなく、あくまで自分の個人的見解であると断った上での発表だった。大学に迷惑をかけるような発表の仕方になっていなかったにもかかわらず、結局はこうしてページが閉鎖に追い込まれる状況を見ていると、いよいよ何を言っても唇寒しの状況になってきたのだな、と薄ら寒い思いがしてくる。昔から「民主主義は会社の門の前で立ち止まる」(=会社の中に民主主義はない)と言われていたが、大学も同じのようだ。私の若い頃にはまだ大学自治とか学問の自由とか言われていたが、そうした時代も遠い過去のものとなった。日本に残っている「学問の自由」が「お上が期待している研究者がお上が期待する研究結果を発表する自由」だけを表し、それ以外の何者をも表現していないということを、3.11は見事に証明した。

ちなみに当ブログは、ページ閉鎖をもって森谷さんが敗北したとは思っていない。阪神大震災の直前にも、「普段は聞けない遠隔地のFM放送が明瞭に受信できた」とか「テレビに妨害電波が入って困った」という報告が寄せられているからである。森谷さんはこれからどうすべきだろうか。「お上が期待する研究結果を発表する自由」を行使するか、真の自由を求めて組織から出るかの二者択一になるのだろう。3.11直後から放射能測定を行いたいと申し出た放医研の木村真三さんが、結局それを許してもらえず辞表を書いたように、日本の組織には自由はない。自由が欲しければ組織から離れなければならない。これはこの国の開闢以来の宿命といってもいい。

事前予測も評価も難しい自然災害の分野では「情報を事前提供し、その判断は受け手を信頼しその手に委ねる」という姿勢が最も正しいと当ブログは考えている(この姿勢に反するという意味で「御用学者」は万死に値する)。引き続き、厳しく情報を吟味しながら、必要な情報発信は行っていきたい。

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歴史の中の3.11~見えてきた日本変革の方向性

2011-11-26 19:37:26 | 原発問題/一般
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2011年12月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 東日本大震災と福島原発事故からはや8ヶ月が過ぎた。地元・福島では相変わらず現在進行形の原発災害への危機感は強いが、特に9月以降、余震の回数も大きく減り、事態を少しは落ち着いて分析できるようになってきた。

 原発事故が収束の見通しすら立たない中で、3.11を歴史の中に位置づける作業をするのは気が早すぎるとのそしりを免れないだろう。それでも、東北地方からこの震災と原発事故を眺めていると、やはり私たちははっきりと時代の転換点に立ったのだとの思いを強くする。

 ●「政府は、とりあえず疑ってみよ」

 福島原発事故が起きて、良かったことなどあるわけがないとほとんどの方は思っているに違いないし、「良かったことがある」などと言えば不謹慎だとお叱りを受けるだろう。だが、筆者がこれだけは良かったと思っていることがある。羊のように飼い慣らされ、政府のいうことに従っていれば悪いようにはならないと信じ切っていた日本国民が、近代以降の歴史上では初めて「政府を疑う」ことを覚えたことだ。

 政府を疑う動きは、年金問題やリーマン・ショック後の不況を経て、仕事も社会的立場も与えられない若者たちから徐々にひとつの流れを形成し始めていたが、そうした若者の政治的不満は、右翼的攻撃(「嫌韓」ブームなど)や新自由主義(みんなの党や橋下徹・大阪府知事など)へ流し込まれ、真の意味での改革指向を持っているとはいえない側面もあった。また、企業に囲い込まれているサラリーマンなどの中間層は動かず、政治への影響力を行使するには至らなかった。

 この政治状況を根本的に転換したのが3.11、その中でも原発事故だと筆者は思っている。「ただちに健康に影響はない」など、確たる根拠もなくただ事態の沈静化だけを目的とする情報が政府やメディアを席巻したことに対し、子どもを持つ母親などの中間層が政府やメディアに疑いを抱き、いっせいに行動に出るというかつてない状況が作り出されたのである。社会から居場所を与えられず、政治的不満をうっ積させながらインターネット上で排外主義的な動きを見せる若者層からすれば、今回、中心となって動いた主婦などの中間層は本来なら「リア充」(注)として打倒の対象だったはずだが、それが経団連という共通の敵を持つ共闘相手として浮上してきている。現在、この両者はまだお互いを共闘相手と認識するには至っていないが、経産省前のテントで女性と若者が交流するなど、連携を模索する動きも出ており、巨大な政治的勢力に成長する可能性を秘めている。

 失業と就職難を通じて自分たちを社会から排除している経団連に敵意を抱く若者層と、原発事故をきっかけに「子どもの命よりカネ」の経団連に疑問を抱く母親たちに対して、「現代国家はブルジョア階級の支配の道具であり、労働者階級にはせいぜいブルジョア国家を監視する役割が与えられているに過ぎない」というマルクス主義的国家観を持ち出す必要はないであろう。今や若者と女性は好むと好まざるとに関わらず、東電・原発を擁護し、労働者と農民を世界的自由主義競争のために差し出すTPP(環太平洋経済連携協定)に向かって暴走する政府を不断に監視し続けなければならないというみずからの役割に目覚めたのである。

 筆者は、市民が政府を疑い監視することから民主主義は始まると考えている。市民が政府のいうことに従っていれば悪いようにはならないと信じ切り、みずからも経済成長の恩恵に浴しながら過ごしてきたこれまでの戦後60年が、いわば「民主主義ごっこ」に過ぎなかったのだ。広範な国民が政府を疑うことを覚え、みずから行動しなければこの社会を変えることができないのだと自覚して動き始めた今、日本はようやく民主主義のスタートラインに立ったのである。本当の意味での民主主義の歴史はこれから始まる。だから、本誌読者であるような自覚的な市民の皆さんが3.11を敗戦などと思う必要は全くないのである。

(注)リア充とは、「現実の生活(リアルな生活)が充実している人」を指すインターネット上のスラング(俗語)である。反対語は、現実生活は崩壊気味だがインターネット上では存在を認知され、充実したインターネット生活を送っている人を意味する「ネト充」であり、どちらも生活時間の大半をインターネットで過ごしているネット住民の間で、自虐的な意味を織り交ぜて使用されている。

 ●組織から個人へ~運動の「ノマド」化

 「今後、世界的に大企業は死滅していき、インターネット時代の中で労働者はノマド化する」との考え方が、数年前から一部のITジャーナリストやエコノミストなどの間で提唱され始めている。聞き慣れない言葉だが、ノマドとは遊牧民の意味である。製造業など雇用吸収力の大きい産業が崩壊した後に訪れるであろう社会では、労働者はもはや固定した勤務場所を持つことはない。ひとつひとつのプロジェクトごとに個人が結集して仕事を請け負い、そのプロジェクトが終わったらメンバーは解散、また別のプロジェクトでは違ったメンバーがそれぞれの能力を生かして結集しながら仕事を請け負う、という働き方が主流になると予想される。企業に所属して仕事をする人はごく一部の例外となり、多くの社会では企業の所属を記載した名刺よりも自分の職種だけを記載した名刺のほうが主流になる。ノマド化とは、そうした流動的で変化の激しい労働のあり方を遊牧民に例えたものだ。もちろん、こうした働き方が主流になるためには、製造業などの肉体労働から知識労働へのシフトが起こる必要があるし、日本でそのような変化が起こるためには、あと最低10~20年はかかるであろう。

 ところで、最近の日本国内の反原発運動や米国での「ウォール街占拠」などを見ていると、運動にもノマド化の波が押し寄せていることを実感する。これらの運動に結集している若者や母親は、労働組合にも市民団体にも属さず、政治党派などとは最も縁遠い人たちである。ひとりひとりが自分が必要と思う分野の運動に参加し、違う運動分野になると全く違う顔ぶれが結集する。東京など大都市部から、次第にそのような新しい流れが生まれつつあるように見える。そこでは、既存の政治党派はもちろん、労働組合などの組織も、インターネットで緩やかにつながった「個人連合」の動きに全く対応できず、事実上乗り越えられている。福島原発事故以降、全体的に放射線量が高い福島市の中でも際だって放射線量の高い「ホットスポット」である渡利地区では、地区全体を特定避難勧奨地域に指定するよう国に要望していくため、インターネットなどを通じた緩やかな父親・母親連合体ができ、恒常的に政府・自治体交渉を行うまでになっている。今後は、もう市民団体さえ乗り越えられていくのかもしれない。

 ●中東革命と同じ流れ

 「組織から個人へ」は、2011年早々に起きた中東革命以来の不可逆的潮流といえる。エジプトでの反政府デモに衝撃を受けた筆者は、ことし1月、レイバーコラム「時事寸評」第9号(「レイバーネット日本」サイト掲載)にこのように書いた。『世界政治の大きな変革期には、変革を象徴する情報ツールが登場することが多い。そして、新しい情報ツールを駆使して下から広がる連帯の動きに対し、独裁者の対策は常に後手に回ることになるが、それは当然だろう。政敵や反対者を粛清し、イエスマンばかりに囲まれた「裸の王様」は批判されることがないから自分の頭で考えることもない。長期にわたってそんな状態が続けば、やがて考えること自体ができなくなり、想定外の事態が起きたとき対処できず、独裁支配は解体することになる』。

 日本国内で3.11以降起きている反原発運動や米国でのウォール街占拠運動などに対し、この記述を修正する必要を筆者は全く感じない。ただ独裁者の単語をウォール街や東京電力、経団連に置き換える必要があるだけだ。インターネットを駆使して運動が呼びかけられ、その趣旨に賛同する個人が緩やかに連合して共通の要求を作り、政府・自治体に突きつけ、動かすというスタイルはエジプトと全く同じといえる。コラムニストの日垣隆さんも『あらゆる国の政変は、巨大メディアよりも、〔携帯電話などの〕パーソナルメディアをどちら側(独裁者側か民衆か)が制御するかにかかっている』と述べている(『週刊現代』2011年11月26日号連載『なんなんだこの空気は~メディア考現学』より)。ツイッターやフェースブックといった新しいソーシャルメディアをめぐる「民衆」対「原子力村・経団連・ウォール街」のせめぎ合いは、今のところ民衆優勢で進んでいる。この流れを維持できれば、日本でも政治的潮流の変化は遠からず訪れるだろう。

 この間の経過を見れば、企業の論理に絡め取られ、この期に及んでも命より経済活動と言い募る中高年男性は変革の担い手たり得ない。期待できるのはやはり女性と若者である。命を生み出し、つないでいくこと以上の大義などこの世には存在しないし、ぜいたくな消費生活をすることが幸福の尺度ではないと理解している若者層は、大量生産・大量消費が美徳と信じ切っている中高年男性よりもはるかに成熟している。来るべき日本の変革を担うのは彼らである。3.11をそのスタートと位置づけたい。

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【管理人よりお知らせ】放射線量測定場所の変更等

2011-11-25 23:17:28 | 運営方針・お知らせ
管理人よりお知らせです。

1.放射線量測定場所を変更します。

これまで、当ブログでは西郷村転作促進技術研修センターで放射線量測定を実施してきましたが、今後は測定場所を「新白河駅西口(高原口)」に変更します。

従来、当ブログでは「西郷村転作促進技術研修センター」を測定場所としてきました。この場所には、地域住民にもほとんど利用されていない場所であること(住民を放射能から防護するという観点ではあまり意味がない)、すぐそばに携帯電話の基地局があること(放射線のうち線量計で捕捉できるγ線は電磁波であり、携帯電話の電波も電磁波であることから正確な線量が測定できているかどうか疑問がある)という問題点がありましたが、自宅から近い場所でないと毎日測定では長続きしないということもあり、この場所で測定を行ってきました。自宅から歩いて行ける距離にあり、舗装路面と土壌の両方の放射線量を測定できる場所としてここはありがたい存在でした。

しかし、測定を週1回に減らしたことで事情が変わりました。週1回であれば、徒歩で行けないような場所でもそれなりに長続きさせることが可能ですし、より住民防護のためになるよう、住民によく利用されている公共施設を測定地点とするほうがよいと考え、変更することとしました。

新白河駅は、行政(西郷村)による放射線量測定も行われていますが、2~3ヶ月に1回です。当ブログがこまめに測定を行うことで、行政の不足を補いたいと考えています。

2.「原稿アーカイブ」で管理人の原稿を発表する際には、媒体名を明示するよう取り扱いを変更します。

これまで当ブログの「原稿アーカイブ」カテゴリで管理人の原稿を掲載する際には、『(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌に発表した原稿をそのまま掲載しています。)』のように、媒体名を明示していませんでしたが、今後、媒体名を明示するよう取り扱いを変更します。管理人の執筆活動の進展により、原稿が理由で取材等を受ける機会が増えてきたことが主な理由です。

すでに、個人ブロガーが原稿を基に取材を受けたり、ブログが書籍化されたりということが珍しくなくなっています。ネットの普及を背景に、個人がメディア並みの発言力を持つという状況も生まれてきています。当ブログ管理人も、今年に入ってから、原稿が理由で民放テレビ局の取材を受け、その内容が番組に反映されるという経験をしました。

こうしたことを踏まえて、寄稿した媒体名を曖昧にするよりは明示するほうが寄稿先の媒体と自分自身の両者にとって有益であると判断しました。

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今度は浦河沖で震度5弱

2011-11-24 22:20:45 | 気象・地震
今日未明、震度4(福島県沖)の地震で安眠を破られたと思ったら、今度は浦河沖だ。茨城県沖、広島県北部に続いて、また日本中が大揺れに揺れ始めた。9月、10月と不気味なくらい地震が少なく静かだったのは、やはり嵐の前の静けさだったのか。

平成23年11月24日19時25分頃の浦河沖の地震について(気象庁報道発表)

冷静に、報道発表を見よう。地震の規模を示すマグニチュードは6.1(速報値)、震源深さは約30km(速報値)、発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)となっている。この付近では、2008年9月11日にも地震(十勝沖、プレート境界型)が発生しているが、このときの地震はM7.0だったから、今回の地震はそれより約30分の1のエネルギーということになる。

気がかりなのは、2008年9月11日の地震と発震機構が全く同じである上、震央も少し離れているものの、プレート境界からそれほど遠くないことだ。もちろん、そのことだけをもって来るべき大地震の前兆とは言い切れないが、東北地方では、2009年頃から岩手・宮城内陸地震に見られるような北米プレート内部での逆断層型地震が続いた後、東日本大震災へとつながっていった。北海道でそれと同じ経過をたどる可能性は否定できない。

一方、この付近では、2003年9月26日に十勝沖でM8.0、M7.1という巨大なプレート境界型地震が立て続けに起こっており、前述の2008年のものも含めると、5年間でM7以上が3回発生した。これら3回の地震でかなりのエネルギーが放出されていることから、東北地方とは状況が異なる面がある。

とはいえ、3.11以降、北米プレート全体がかなり活発な地震活動を続けていることは事実である。注意するに越したことはない。

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本日の放射能測定値

2011-11-24 19:30:37 | 福島原発事故に伴う放射能測定値
・計測年月日、時間
 2011年11月24日 午後7時05分~7時15分

・計測場所
 福島県 西郷村転作促進技術研修センター

・計測時の気象条件(晴/曇/雨/雪の別及び風向、風速)
 天気:小雨
 風向・風速:北西 5m

・計測結果(単位:マイクロシーベルト/時)
(1)八雲神社境内
  大気中(高さ100cm)   0.77
  土壌(高さ10cm)    1.04

(2)福島県西郷村転作促進技術研修センター正門前
  大気中(高さ100cm)   0.52
  舗装路面(高さ10cm)  0.45

<放射線量測定に関するお知らせ>
次の定期測定は、12月1日(木)に実施する。なお、次回から測定場所を変更する予定なのでご了承いただきたい。(詳細は別エントリーで)

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初雪を観測しました

2011-11-22 23:13:09 | 日記
本日、歩いて出勤している途中、初雪を観測した。ここ白河では例年、11月後半に初雪を観測することが多く、その意味では平年並みといえる。

しかし、昨年までのように今年は初雪をのんきに喜んでいられない。放射能が含まれた「黒い雪」かもしれないからだ。

雨と同様、雪にも極力、濡れないようにしたいと思う。

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そして除染は利権となり、福島県民は滅亡を選んだ

2011-11-21 23:32:57 | 原発問題/一般
11月7日付の記事「除染は福島を救わない」で当ブログはこのように記した。

『除染が利権かどうかを見極める手っ取り早い方法を当ブログ読者だけにお教えしよう。簡単なことだ。除染事業を「誰が受注するか」を見ればいい。もし受注するのが東京電力の関連会社なら、それは完全な「原子力利権」と思っていい。受注するのが大手ゼネコンなら、それも利権だが、この場合は、利権の分捕り合戦において原子力村が一定の譲歩を強いられたことを意味する。除染が利権でないと断定できるのは、受注者がこのどちらでもない場合に事実上限られる』

さあ、相手側がどう出てくるか、お手並み拝見と思っていたが、「政府、警戒区域除染へ調査開始 福島・大熊町 モデル事業、効果的手法を見極め」との見出しが付いた11月18日付の日本経済新聞はこのように伝えている――『18日は作業の委託を受けた日本原子力研究開発機構と大林組などの作業員約30人が参加した』

当ブログの予想通り、除染事業は大手ゼネコン・大林組が受注し、利権となった。「除染を利権にしてはいけない」と訴えていた東大アイソトープ研究所長の児玉龍彦さんは、今後どのような態度を取るだろうか。

福島県議選を含む、県内の自治体選挙が終わった。4月の統一地方選として実施される予定だったが半年延期されていたものだ。原発立地町である大熊町・双葉町では東電社員の現職が当選した。県議選でも、自民・民主の2大政党では現職から順に当選している。「県議選で新人が台頭、世代交代」(福島民友)という報道は一見もっともらしいが、新人の当選者数が前回の10人から18人に増えたことのみをもってそう報じているに過ぎない。実際には当の福島民友が掲載している結果の通り、現職の引退で減った枠に新人が潜り込めたに過ぎないというのが真相だろう。私の見るところ、結果は惨憺たるもので絶望という言葉しか思い浮かばない。

長年、立地交付金で補助金(=麻薬)漬けにして原発を推進し、安全神話を垂れ流していた民主・自民の現職に投票した連中はどういう頭の構造をしているのかと思ったら、『原発周辺の住民複雑 従来型の「パイプ重視」』(産経)という報道の中にそのヒントが示されている。

「国・県とのパイプ」なんて言葉、私の故郷の九州でももうとっくに死語となった。公共事業予算が腐るほどあった田中角栄の時代ならばともかく、今どき何を考えているのかと思うし、第一、何も決断しない、カネもない、あるのは汚染水を飲み干すような馬鹿げたパフォーマンスだけという中央政府から彼らは一体何を引き出そうと思っているのだろうか。その上、この期に及んで東電社員の現職をすんなり当選させるなんて、投票した人たちには悪いがだんだん頭痛や悪寒がしてきた。ひょっとして彼らは冗談ではなく本当にまだソ連が健在で、今もブレジネフ書記長が「西側資本主義せん滅」を狙って日本に核ミサイルを向けている、とでも思っているのではないか。

今回の選挙は、ある意味、私が最も恐れていたとおりの結果となった。それと同時に、いち早く福島から避難したのがどのような人で、今も福島に残っているのがどのような人かも浮き彫りにした。端的に言えば、自覚的で多少なりとも事態を客観視できる人たちはもうとっくに福島に見切りをつけ、いま福島に残っている人たちは「命優先か経済活動優先か」を天秤にかける水準にすら達していない、「おらが街にいつ道路さ造ってくれるんだべ」というような未開人だということだろう。

今回の選挙結果を見て、福島は終わったと確信した。20年後、この県がもはや日本地図の上に残り続けることはできないだろう。今さらながら思うのは、「どのような国民も自分の頭を越える政府を持つことはできない」という事実だ。放射能汚染食品を、食べたくないと言っている子どもの口にまで無理矢理押し込む佐藤雄平・福島県知事を、当ブログはこれまで徹底的に叩き、批判してきたが、今度の選挙を見て、それは県民の民度の反映なのだということに改めて気付かされた。当ブログは福島県を沈みかけのタイタニック号のようなものだと思っていた。今度の県議選次第では、沈没から脱することができるかもしれないと一縷の希望をかけていたが、それは絶望に変わった。このタイタニック号が沈没を免れることは、もはやできない。

このブログを読んでいる福島県在住の若者・女性に呼びかける。行政に避難命令を出してもらえるというような淡い幻想を持っているなら捨てるべきだ。人間として健康で長生きしたいと思うなら、救命胴衣が残っているうちにこのタイタニックから早く脱出しなければならない。もはやこの県は守る価値すらない。生まれ育った土地への愛着を持ち、去り難いかもしれないが、そうしたセンチメンタリズムに別れを告げるべき時だ。

当ブログ管理人も、これまで福島に残りながら、なんとか子どもたちや女性にとって最善の道がないか模索してきた。しかし、私はもうこの県になんの期待も幻想も抱かない。全身にたっぷり放射能を浴びてでも、生まれ育ったこの町でなければ死ねないという高齢者たちは勝手にすればいい。ただ、若い人、子どもや女性だけでも避難させてやってくれ。それと、汚染がれきや汚染食品の出荷によって他の地域に迷惑はかけるな。それさえ約束してもらえるなら、もう私は何も言わない。

この選挙結果に私の心は折れかけている。私もできるだけ早い段階で福島から避難できるよう今後、全力を尽くすことにする。

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2011年11月21日19時16分頃の広島県北部の地震について

2011-11-21 21:36:00 | 気象・地震
2011年11月21日19時16分頃の広島県北部の地震について(気象庁報道発表)

広島県北部で震度5弱の地震があった。この地域は地震に関しては安全地帯だと思っていたので、当ブログとしては虚を突かれた。

震源は広島県北部、震源深さは12km(暫定値)、地震の規模はM5.4。発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型(速報)。東日本大震災以降、直接無関係な西日本の地震にまで共通しているのはとにかく震源が浅いことだ。地震の規模としては、日本では毎月のように起きているレベルのものだが、震源が浅いため大きな揺れとなり大騒ぎになる。震源の浅い地震は本当に勘弁してほしい。

報道発表に目を移すと、この地域でも大きな地震が過去10年に2回起きている。2000年の鳥取県西部地震と、2001年の芸予地震である。特に鳥取県西部地震はM7.3と阪神大震災並みの規模だった。

今回の地震はユーラシアプレート内部のものであり、震央の位置からしてプレート境界型地震ではあり得ない。震央付近における活断層の位置(大気イオン地震予測研究会 e-PISCOサイト)を見てみると、地図の右上、島根との県境付近に、横に伸びる小さな活断層が確認できる。リンク先のページではこの活断層は水色表示(確実度II)となっており、意外な印象を受ける。今回はこの断層が動いたのではないだろうか。

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