人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【年末ご挨拶】今年も1年、お世話になりました

2019-12-31 21:04:58 | 日記
鉄道全線完乗実績まとめ、10大ニュースの発表も終わり、ようやく年末という気分になってきました。

2019年もあと3時間足らずになりましたので、少し早いですが、ここで年末のご挨拶を申し上げます。

今年は当研究会がメインテーマとしているJRを中心とした公共交通問題、原発問題いずれも転機の1年だったように思います。既存の体制の限界が明らかになり、「後で振り返れば、2019年が転機だった」といわれる1年になったような気がします。来年は、東京五輪終了をきっかけに、日本社会の変化の芽がはっきり出てくることになるでしょう。

間もなく新しい年を向けます。みなさま、よいお年をお迎えください。

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2019年 安全問題研究会10大ニュース

2019-12-31 20:19:35 | その他社会・時事
さて、2019年も残すところあとわずかとなった。例年通り今年も「安全問題研究会 2019年10大ニュース」を発表する。

選考基準は、2019年中に起きた出来事であること。当ブログで取り上げていないニュースも含むが、「原稿アーカイブ」「書評・本の紹介」「インターネット小説」「日記」「福島原発事故に伴う放射能測定値」「運営方針・お知らせ」カテゴリからは原則として選定しないものとする。

1位 福島原発事故刑事訴訟で東京電力旧経営陣に無罪判決<原発問題>

2位 関西電力で原発マネー不正還流問題が発覚<原発問題>

3位 台風15号、19号連続襲来で鉄道大被災、新幹線長野車両センターが水没<鉄道・公共交通/安全問題>

4位 都市部で新規開業相次ぐ~おおさか東線、相鉄~JR連絡線が開業/JR石勝線夕張支線が廃止、日高本線は沿線7町がJR北海道と「個別協議入り」決定<鉄道・公共交通/交通政策>

5位 「桜を見る会」問題表面化、安倍政権が史上最長となる一方弱体化へ<社会・時事>

6位 幌延・深地層研の研究期間の一方的延長を原子力機構が提起、地元「受け入れ」へ<原発問題>

7位 リニア中央新幹線と九州新幹線長崎ルート、いずれも途中県(静岡・佐賀)の反対で計画に大幅な遅れ~長崎ルートでは「対面乗換」長期化へ<鉄道・公共交通/交通政策>

8位 函館本線などで起きたレール検査データ改ざん問題をめぐる刑事訴訟で3労働者無罪の一方、法人としてのJR北海道に罰金100万円の判決が確定<鉄道・公共交通/安全問題>

9位 2017年に起きた「のぞみ」台車亀裂事故について、運輸安全委員会がJR西日本社員による「正常性バイアス」を原因とする調査報告書を公表<鉄道・公共交通/安全問題>

10位 JR北海道が平均11%、最大31%の大幅運賃値上げ/安全問題研究会代表ら3公述人が公聴会で反対の意見陳述<鉄道・公共交通/交通政策>

【番外編】
・歌手、大黒摩季さんが離婚を発表<芸能・スポーツ>

・雨上がり決死隊・宮迫博之さんらを引退に追い込む吉本興業所属芸人の反社問題・闇営業発覚/ジャニー喜多川ジャニーズ事務所副社長死去/NGT48メンバーによる暴行事件など、芸能界の暗部が明らかになるとともに、吉本・ジャニーズなど「帝国」崩壊を思わせる動きも<芸能・スポーツ>

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今年は、前年度と打って変わり、当ブログの守備範囲である鉄道・公共交通の分野や原発問題で大きなニュースが多かった。だがそのほとんどは悪いニュースであり、良いニュースはおおさか東線、JR~相鉄連絡線の開業くらいだろう。総じて低迷の1年だったと思う。ただ、当研究会にとっては、国の公聴会での意見陳述(10位)などを通じて、奮闘した1年だった。

原発問題でも、今年は無罪判決に関電問題と良いニュースは皆無の情勢だった。だが、冷静に情勢を見つめるならば、この2つの出来事は、日本で今後、原子力の存続はできないと内外にはっきり知らしめる効果を持つものといえる。ランキングには加えなかったが、原子力規制委が特重施設(いわゆるテロ対策施設)の工事の遅れを理由に来年春以降、順次稼働中の原発の停止を命じる構えも見せており、来年は再び原発ゼロが実現する可能性がある。あきらめず、希望を持って反原発の闘いを続けたいと思う。

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戦後日本新自由主義の元凶、中曽根元首相を「追悼」する 地域から反撃し公共交通再国有化を

2019-12-25 23:48:02 | 鉄道・公共交通/交通政策
(この記事は、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2020年1月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 11月29日、中曽根康弘元首相が死去した。戦後日本に巨大な「影」を作り出した元凶、中曽根元首相をこのまま安らかになど眠らせるわけにいかない。

 ◎最大の罪 国鉄分割民営化

 中曽根氏が首相就任時、米国にはレーガン政権、英国にはサッチャー政権が登場。国有企業民営化、規制緩和などの新自由主義政策が本格導入された。英国では炭鉱など主要産業の労働組合を解体する大規模な攻撃が始まっていた。

 中曽根元首相は、レーガンやサッチャー同様、こうした政策を日本にも本格導入した。1985年に電電公社(現NTT)、専売公社(現日本たばこ産業)を民営化。通信事業や塩の専売といった市民のための重要な産業を自由化し大企業に売り渡した。

 過酷を極めたのは1987年に行われた国鉄分割民営化だ。全国1社だった国鉄を6地域と貨物、7会社に分割し民営化。この過程で10万人近い国鉄労働者が追い出された。1985年度の国鉄労働者は約31万7千人。分割民営化はその3分の1を解雇するものだった。分割民営化に反対する国労などの組合員は鉄道業務から草むしりなどの業務に転換されることをはじめ、自発的に辞職するよう仕向けられる中、100人以上の労働者が自ら命を絶った。

 優良な資産も抱え、見せかけの赤字に過ぎなかった国鉄を偽装倒産させ、多くの労働者を解雇する。国のお墨付きを得たこの方式はその後、民間にも広がった。国鉄分割民営化は労働者総首切り社会の始まりになった。

 中曽根元首相は「1人も路頭に迷わせない」と言いながら、最終的にどこにも採用されない1047名を生み出した。

 ◎安全、地方を切り捨て

 国鉄労働者の3人に1人を追い出す異常な「改革」は、必然的にあってはならない事故を生んだ。従来より少ない人員で増えた列車本数とスピードアップを同時に実現させようとする過酷な労働強化で、JR西日本では信楽高原鉄道事故(1991年、42人死亡)、福知山線脱線事故(2005年、107人死亡)など大事故が相次いだ。分割民営化当時の国労組合員を思わせる運転士への非人間的日勤教育は強い批判を浴びた。

 JR東日本でも風速規制が緩和され、羽越線事故(2005年)で5人が死亡。北海道でも石勝線列車火災事故(2011年)が起きた。JR北海道発足時、1万3千人だった社員数は2013年時点で6800人。分割民営化で減らした労働者数をさらに半分に減らす「改革」の当然の結末だ。

 JR北海道は2016年11月に自社単独では維持困難な路線として10路線13線区を公表。その営業キロ数はJR北海道全体の半分に及ぶ。労働者も路線も半分に減らすJR北海道。新自由主義的国鉄「改革」の象徴だ。

 国鉄末期に廃線が進んだ北海道では、高校生やお年寄りが学校や病院にも満足に通えない地域が続出している。公共交通の安全も地方も破壊し、労働者を路頭に迷わせ、政治家は平気で公約を破り、嘘をつく。中曽根元首相と新自由主義が日本にもたらした大災厄だ。

 ◎廃線に反対し、地域は立ちあがる

 大手メディアは国鉄分割民営化の中身には一切触れず、中曽根元首相の「功績」と大々的に宣伝する。だが「そう思っている人たちは北海道の現実を見てほしい」(元国労稚内闘争団・田中博さん)との声が上がる。道民が望んでもいない北海道新幹線工事が着々と進みながら、存続を望む生活路線は次々と廃止されていく。「新幹線以外はすべてJRから切り捨て、民間企業か地元自治体でやれというのが国の方針。国は分割民営化の延長線上に廃線を位置づけ、意識的にやってきている」。そう指摘するのは元国労函館闘争団の佐々木勉さんだ。

 しかし、国と道、JR北海道が一体となって道民に押しつけようとした廃線は各地で抵抗に直面している。JRが「バス転換が適当」とした5線区のひとつ、根室本線(富良野~新得)沿線では自治体、地元経済界、労働組合、住民が一体となり災害復旧、廃線阻止を求める闘いが続く。同じ5線区の日高本線(鵡川~様似)沿線では、住民の闘いによって地元・浦河町が最後まで廃線反対を貫いた。日高町村会は密室協議でバス転換同意案を「強行採決」したが、沿線全自治体による早期の同意は見通せない情勢だ。人間も地域も再生産を不可能にする新自由主義に未来はない。最大の罪である国鉄分割民営化を検証し、JR再国有化で公共交通を復活させなければならない。

 ケン・ローチ監督の英国映画「家族を想うとき」が今、全国で公開されている。新自由主義が究極まで行き着いた社会での奴隷労働の悲惨さを描き、公開当初段階から「ケン・ローチ監督の最高傑作」との評価が出ている。そのケン・ローチ監督は、サッチャー死去にあたってこう言った。「彼女の告別式を民営化しましょう。入札を行い、一番安い見積もりでやりましょう。それこそ彼女が望んだものですから」。

 「政治家は歴史法廷の被告席に座っている」と生前、自著で中曽根元首相は豪語した。今からでも遅くないから、私たちは中曽根元首相を裁き、有罪を宣告する必要がある。氏の葬儀は分割して行い、お墓も民営化。企業管理とし、赤字になったら廃止にしてはどうだろうか。それこそ中曽根元首相もお望みだろう。

(2019年12月21日 「地域と労働運動」第232号掲載)

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東京地検特捜部長と「福島」の意外な接点

2019-12-23 21:47:51 | 原発問題/一般
現在、北海道留寿都村を舞台としたIR(カジノ)誘致問題をめぐって、東京地検特捜部が秋元司衆院議員(自民)の関係箇所を強制捜査している。捜査容疑は外国為替管理法(外為法)違反。国外から100万円を超える現金を持ち込むときは、事前に財務省(税関当局)の許可を得る必要があるが、この許可を受けていなかったためだ。

悪意がなく、単に外為法を知らなかったために摘発される例も多いが、法律の世界で通常「知らなかった」は通用しない。「想定外でした」といって通用するのは、それこそ電力会社くらいのものだろう。

政治家の絡む事件で、東京地検特捜部が立件に成功すれば、2002年の鈴木宗男衆院議員(現・参院議員)以来17年ぶりとなる。

ところで、東京地検で現在、この事件の捜査の指揮に当たっているのが森本宏という人物だ。2017年から特捜部長を務める。実はこの人、佐藤栄佐久元福島県知事による「汚職」事件の際、工事会社を経営していた知事の実弟の取り調べを東京地検で担当。「今の福島県知事はよろしくない。必ず抹殺する」と恫喝した検事である。経緯は「知事抹殺」として本にもなっている。

思えば、その後の刑事裁判で有罪判決を受けながら、認定された収賄額は「0円」という不可解な事件だった。連座制が適用され、公民権停止で福島県知事選への立候補が5年間禁止されたことで、佐藤栄佐久知事は政治的命脈を絶たれた。

佐藤栄佐久元知事といえば、東電による原発のデータ隠しに激怒し、福島第1、第2すべての原発を停止させたことで知られる。国策捜査による「知事抹殺」の背景にこの「原発停止」があると指摘する人も少なくない。佐藤栄佐久氏の復活の芽を確実に摘むため、公民権停止を必要とする勢力がいたということだろう。

その後の経過はご存じの通りだ。佐藤雄平知事時代、県は3号機のプルサーマルを受け入れた。プルサーマルの営業運転開始は2010年10月。3.11の、わずか半年前のことである。

歴史に仮定はないといわれるが、もし佐藤栄佐久知事が「抹殺」されなければ、東電は自分たちに不利なデータも隠さず公表する透明な企業に生まれ変わり、福島第1原発事故の悲劇はなかったかもしれない。事故が避けられなかったとしても、栄佐久知事がもう少し長く在職していれば、3号機のプルサーマルは3.11に間に合わず、3号機爆発による影響はもっと軽微で済んでいたのは間違いない。

その意味では、森本特捜部長も福島第1原発事故の「関係者」というべきだ。データ隠蔽に走る東電に対し、行政として当たり前の指導をしていた佐藤栄佐久県政を潰した検察。原発事故も強制捜査をしないまま不起訴で葬り去ろうとし、それも強制起訴で失敗すると今度は元検事の弁護士に3被告の弁護をさせる。

福島原発事故は明確な検察犯罪である。今抱えている仕事が落ち着いたら「検察犯罪としての福島原発事故」という本でも書きたいと思っているくらいだ。カジノ捜査も結構だが、その前に森本氏は福島県民に詫びてもらいたいというのが私の率直な気持ちである。

余談だが、外為法で現金を持ち込む際に、なぜこのような事前届出制が採られているのかという疑問を抱く人もいるかもしれない。これは、政府・金融当局のあずかり知らないところで多額の現金が持ち込まれるという行為が繰り返された場合、その分「紙幣を刷った」のと同じことになり、インフレ要因になるのを防ぐために違いない。金融当局としては、マネーサプライ(通貨供給量)に影響を与えるような多額の現金持ち込みは、事前に把握する必要があるのだ。

もっとも、アベノミクスで量的緩和政策が続き、何兆円もの過剰な資金が政策的に市場投入されている現状で、たかだか100万円の現金持ち込みを取り締まる意味があるとも思えない。この点も、今回の強制捜査が「カジノからの中国排除」を狙った国策捜査だと考える根拠のひとつである。

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【安倍風刺お遊びネタ】桜を見る会での安倍首相の姿が某国の「偉大なる首領様」に似ている件について

2019-12-10 22:51:08 | その他社会・時事
まずは以下の2枚の写真をご覧いただきましょう。

朝鮮民主主義人民共和国・万寿台(マンスデ)に立つ「偉大なる首領様」金日成主席の銅像でございます。



お次は、桜を見る会での安倍首相のお姿でございます。



大変よく似ていると思いませんか?

朝鮮民主主義人民共和国で建国の父として国民に崇められている(恐怖政治で崇めさせられている)金日成(キム・イルソン)主席ですら片手しか挙げていないのに、安倍首相は両手を挙げています。今や安倍首相は、偉大なる首領様を超える存在になりつつあります。どちらの国も一党独裁で、指導者を批判すると殺されたり、ヤジを飛ばすだけで排除されたりするという共通点もありますね。

日本には自民党以外の政党もあるから一党独裁ではないという安倍信者(支持者ではない)や自民党支持者からの抗議は受け付けません。なぜなら朝鮮民主主義人民共和国にも朝鮮社会民主党、天道教青友党という政党があり、日本と同じように「選挙」を通じて朝鮮労働党が選ばれているからです。

これからはみなさんも、道で近所の人に出会ったら「偉大なる首領、安倍晋三同志万歳!」と元気よくあいさつしましょう。

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「桜を見る会」に新事実 「税金乱費パーティー」は非正規公務労働者にも犠牲をしわ寄せ!?

2019-12-07 11:50:33 | その他社会・時事
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に発表した記事をそのまま掲載しています。)

 連日、メディアを賑わせている「桜を見る会」問題。安倍首相はこんな時期でもメディア各社「メシ友」との懇談を通じた口封じに余念がない。だがピークこそ過ぎたものの未だメディアでは追及が続く。今まで安倍官邸のメディア封じに屈してきた各社が今回、報道を続けているのは不思議だと思っていたが、その理由がちらりと見える場面があった。NHKが平日夜11時から放送している「ニュースきょう一日」でその日、話題になったニュースがランキングで示されるコーナーがある。そこで桜を見る会関連ニュースが1位を占める日があった。どうやらメディア各社にとって桜を見る会ネタは「数字が取れる」ようなのだ。

 さて、その「桜を見る会」に関連し、ネットメディア「ダイヤモンド・オンライン」が12月2日付で記事を配信している。当初はあまり目新しさもなさそうなので、読み飛ばそうと思った瞬間、見過ごせない記述を記事中に見つけた。その一節を引用する。

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●「桜を見る会」は疑惑だらけ、長期政権の病は想像以上に深刻だ(ダイヤモンド・オンライン)

 桜を見る会の参加者数は、安倍政権になって年々増え続け、14年の1万3700人から19年は1万8200人。支出額も14年の3005万円が5519万円に増えてきた。

 だが内閣府は予算要求の際、参加者数を8000人と実態より大幅に少なく見積もり、15年度以降の予算計上額は1767万円とずっと同じだ。

 予算を超えた分は、「庁費」と呼ぶ、さまざまな事務費をまかなう会計課所管の一般共通経費から融通してきており、「毎年の桜を見る会の参加人数が読めない状況で、最低限の人数を前提にして予算要求をしてきた結果」という。
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 驚くべきことに、内閣府は、「桜を見る会」が予算面でも参加人数で見ても膨張する一方なのがわかっているのに、予算要求額を前年と同額にずっと据え置いてきたのだという。増額要求をすれば財務省にその理由を問われるからだ。ただでさえ「アベ友大お花見会」と化したイベントについて、財務省に増額要求の根拠など説明はできないだろう。頭を抱える内閣府官僚の姿が目に浮かぶようだ。結局、内閣府は増額要求をせず、予算を超えた分は「庁費」と呼ばれる予算費目から支払っていた、とこの記事は指摘している。

 長年、筆者は霞ヶ関ウォッチャーとしてその取材・観察を続けてきたが、「庁費」とは簡単に言えば中央省庁や国の機関の生活費予算である。各省庁やその出先機関で文房具などの事務用品を購入したり、また光熱費の支払いに充てたりする予算だ。清掃業者、警備業者、設備保守業者などへの委託費、また修繕費に該当しない簡単な機械などの修理費も基本的にはここから支払う。

 庁費の中には「会議費」という費目もある。会議開催に伴って発生する会場使用料や参加者への弁当代といった経費に宛てるものだ。「桜を見る会」の資金不足分に充てる経費として、「この費目なら後々に問題とならないですむ」と官僚が考えたとしても不思議ではない。

 だが、この庁費には隠された問題がある。非常勤職員と呼ばれる、いわゆる非正規公務労働者の賃金もここから支払われているのだ。非正規労働者問題、官製ワーキングプア問題を長年、追いかけてきた方々には周知の事実かも知れないが、正規職公務員の給与は職員基本給の費目で支払われる一方、非正規公務労働者の賃金は「庁費」の中の「賃金」という費目から支払われているのである。公務関係の労働組合を中心に、日本の労働運動は一貫してこれを非正規公務労働者に対する重大な差別と捉え、正規職公務員同様に職員基本給の費目から支払うこと、同一労働同一賃金とすることなどを求めてきた。

 今回、「桜を見る会」の参加者も経費も膨れあがるままに放置され、その穴埋めが庁費の費目を使って行われていたことが何を意味するか、ここまで明らかにすればおわかりいただけるだろう。内閣府の庁費予算全体が増えていれば別だが、そうでない限り、この穴埋めによって庁費の費目から支払われる予定だった他の支出がその分削られることを意味する。内閣府が文房具購入費や光熱費を節約したり、他の会議を中止するなどであれば無駄な経費や仕事の見直しという面もあるから一概に否定するものでもないだろう。しかし、光熱費や事務費を削るといってもおのずから限界がある。「桜を見る会」の無駄遣いが、本来なら引き上げられるはずだった内閣府非正規公務労働者の賃金に影響を与えているかもしれないのだ。

 非正規公務労働者の賃金が人件費ではなく「物品購入費」と同じ予算費目から支払われているという事実だけでも重大な差別なのに、しかもその経費さえ「アベ友大お花見会」のドンチャン騒ぎのせいで圧迫されているというのだ。こんなことをしでかしておいて「働き方改革」などといったいどの口が言っているのか。非正規公務労働者はもちろん、他の労働者も含めた全体でこの問題に対する怒りを叩きつけるべきだろう。

 自分たちのお仲間や取り巻き連中だけを優遇、「インナーサークル」だけを利し、他の市民には負担だけが押しつけられるような極端な側近政治が安倍政権の特徴だ。多くの日本人が先進国と信じて疑うこともなかったこの国は、安倍長期政権で堕落・腐敗の極致となり、筆者の目にはかつてのフィリピン・マルコス政権やインドネシア・スハルト政権の末期とさほど変わらないレベルに見える。確かにトランプ大統領だって娘のイヴァンカさんに政務をさせているし、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も妹である金与正(キム・ヨジョン)氏を政治にタッチさせている。「だから安倍昭恵夫人が桜を見る会の参加者選定に関与しているくらい問題ないではないか」という安倍首相支持者の寝言にだまされてはならない。イヴァンカさんは正式に大統領補佐官に任命されているし、金与正氏も対外宣伝担当の朝鮮労働党第一副部長という役職にきちんと就いているからだ。政府の公職にも自民党の役職にも就いていない完全なる「私人」(政府閣議決定)が何らの法的根拠もないまま、恣意的に国家権力を行使している。その意味では、もはや日本は朝鮮民主主義人民共和国にも劣るような反法治主義、側近政治状態になっているのだ。

 すべての日本人がこのことが持つ重大な意味を理解しなければならない。今度こそ安倍政権を追い詰め、退陣させ、二度と復活することのないよう徹底的に再生の芽も摘んでしまわなければ取り返しのつかない事態になる。桜を見る会への追及も「新しい年になれば終わる」などと考えているなら政治的に重大な結果を招くと、筆者は安倍政権に警告しておく。

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メーリングリストの管理業務から離れてみて思うこと

2019-12-02 21:15:44 | IT・PC・インターネット
12月2日、GMO社によるメーリングリストサービス終了に伴い、福島原発事故以降、管理業務に当たってきた5つのメーリングリストの管理業務から、結局降り、新しい方にバトンタッチしました。

当初は、安全問題研究会がサイトを置いているさくらインターネット社のメールサーバーサービスを使う予定でしたが、メーリングリストから配信されたメールにそのまま「返信」すると、メーリングリストではなく、送信者の個人アドレスが「送信先」欄に入ってしまうという挙動をどうしても解決できませんでした。サポートに電話しても「少しお待ちください」ばかりで要領を得ず、「Yahoo!メール使用者は正常に動作しない可能性がある」と意味のわからないことを言われ、同社のサービスへの移行をあきらめました。

次いで、誰もが考えつく「Google」グループ機能を使用したメーリングリストを立ち上げ移行を図りましたが、ここでも同じ症状が……

同じように、配信されたメーリングリストの投稿メールにそのまま「返信」で返そうとしたところ、「送信先」にはやはり個人のアドレスが入ります。

結局この問題の解決策がわからず、「もう疲れた」とブログはじめ、何か所かでつぶやいたところ「管理業務を引き継いでもいい」と申し出てくださった方が2名ほどいらっしゃいました。そこで、私が管理業務を行っていた5つのメーリングリストを分担して、お二方に管理人を代わっていただくことになりました。いずれも福島県内在住の方です。

その後、「Google」グループ機能では、メーリングリストのメンバーが「返信」をクリックした場合の動作を管理者が設定できる仕様になっており、しかもその設定がデフォルトでは「送信者」になっていて、これを「グループ全体」に変更することで私が意図していた動作になる(メーリングリストのメンバーが「返信」をクリックするとメーリングリストのアドレスが「送信先」欄に入り、参加メンバー全員に配信される)ということが、偶然わかりました。同じようにメーリングリストの管理をしている人(関西在住の方です)と別件で電話がつながった際に愚痴ったところ、そのように教えてもらったのです。

しかし、私がそれを知ったのが、わずかの時間差で次の方に管理業務をバトンタッチした後だったため、結局、管理業務はそのまま申し出てくださった方にお譲りする、ということになりました。

長年、管理業務をしていたメーリングリストでまったくといっていいほど争いごとなどの混乱もなく、しかも私の苦戦ぶりを見て交代を申し出てくださる方にも出会えたことは幸運だったと思います。

この経験は、また新たなメーリングリストの管理人になるときが来たら、役に立つことでしょう。そのときの備忘録としても、この苦闘を記録しておいたほうがいいと考え、恥ずかしながら記録にとどめておくことにしました。

反原発、改憲反対など私が加入しているメーリングリストはいくつかありますが、私ですら水準はこんなものです。未だにメールが配信されないとか、文字化けしたなどと、ネット右翼と呼ばれる人たちであればもう四半世紀も前に通過してしまったレベルの技術水準で問い合わせをしてくる人がいます。左派・リベラル派のネット技術なんて大半はこの程度です。ネット右翼や右派陣営で、もし「パヨク」からのサイバーテロなどを警戒している人がいたら、「そんな心配はする必要がない」とお伝えください。そんな技術が我々にあれば、こんな衰退はしていないと思います。

当ブログから見て「敵対陣営」である右派・保守派は、ネット活用では背中も見えないほど先を行っています。どんどんYoutubeに最新の動画をアップし、twitterをジャックし、コメント欄を埋め尽くしています。私たちの陣営は、せいぜい「フェイクニュースにご注意を」と紙媒体で訴えるのが精一杯の状況で、ネット活用という意味では、100年後も右派に勝つのは無理だと実感しました。

「ネットはもうやめました。でもあなたの書いたものは読みたいので郵送かFAXでください」という方にもこの間、多く出会いました。当ブログ管理人は、最近はネットでの露出は控え、地道に紙媒体で書き、それを人に直接会って届けるという「地上戦」重視の方針で臨んでいます。

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