人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【緊急警告】巨大地震発生に念のため警戒してください

2013-04-28 22:49:46 | 気象・地震
世間が大型連休ムードの中、こんな縁起でもない話をするのは大変気が引けるし、いたずらに根拠のない危険を煽るつもりもない。しかし、そのときが来てから「やはり警告を発しておけばよかった」と後悔することになっても困るので、念のため、警戒を促したいと思う。

南さつま市 イルカが打ち上げられる(KTSニュース)

鹿児島・南さつま市の海岸でイルカが31頭も打ち上げられた。これだけまとまった数のイルカが一度に打ち上げられるのは、日本近海では3.11の直前以来である。ちなみに、そのときのニュース映像は以下のとおりだ。

海岸にイルカ約50頭打ち上げられる 茨城・鹿嶋(11/03/05)


東日本大震災は、この6日後に発生している。

海の生物、特にイルカ・クジラは海底や海中の電磁波、磁場の変化に対してきわめて敏感である。大規模な地殻変動の時は、地球磁場にも大規模な変動が起きることが多く、イルカやクジラはこうした変化を察知して行動するが、時には方向感覚を失い、大量に打ち上げられることがある。誤解を恐れず言えば、多額の税金を注ぎ込みながら地震予知に関してはまったくお手上げの気象庁などよりイルカ・クジラのほうがよほど信頼できる。イルカ・クジラが1頭~数頭の時は気にする必要はないが、まとまった頭数(数十頭)で打ち上げられるときは「何かの警告」であることが多いのだ。

ただ、イルカ・クジラは潜水艦のソナーなどが発する音波にも反応することがあるため、イルカの大量打ち上げが必ず大地震につながるとは限らない。あくまでも可能性を示す材料のひとつとしていただきたいと思っている。

仮に前兆である場合、どの地域にどの規模の地震が発生するかを予測することはできない(その予測ができるくらいなら、当ブログ管理人は現在の本業などなげうって地震予測を本業にすると思う)。イルカが打ち上げられた九州沿岸から、三宅島の地震や箱根での群発地震など異変が続いている首都圏沿岸まで可能性があると思う。念のため警戒してほしい。

当ブログの警告が空振りに終わることを願っている。

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JR福知山線脱線8年、改めて企業責任を厳しく問う

2013-04-25 21:39:04 | 鉄道・公共交通/安全問題
<尼崎脱線>忘れない「9時18分」…事故から8年(毎日)

JR福知山線事故から8年となるこの日を、当ブログと安全問題研究会は、昨年までとまったく違う新たな気持ちの中で迎えた。私自身が、昨年、福島第1原発事故の責任を問う「福島原発告訴団」の告訴人のひとりとなったからである。昨年までのように、企業責任追及のために闘う「他の誰か」を支援する、という立場には、すでに私はない。107人の犠牲者とその遺族は、東電とJR西日本、相手こそ違え、最低限の法の支配にすら服する意思を持たない「国策暴力団企業」に対して闘いを挑む仲間である。

昨夜放送されたNHK「クローズアップ現代 “企業の罪”は問えるのか~JR福知山線脱線事故8年~」は、それなりによくまとまっていたとは思う。イギリスで犯罪行為をした法人に「上限のない罰金」を課することのできる法律が成立したことも、法人故殺法の名前こそ出さなかったもののある程度伝えている。もっとも、この番組はクローズアップを標榜しながら、今まで政府や企業の責任という「問題の核心」は決してクローズアップしたことがない。イギリス法人故殺法を持ち出したのも、日本政府やJRの責任に触れないで30分の放送時間を埋めるにはどうしたらいいか考えたあげくの浅知恵だろう。法人故殺法制定以降のイギリスで、企業の自主的努力の機運が生まれ、事故が30%減少したという事実以外に見るべきものはなかった。

当ブログの読者で昨夜のクローズアップ現代を見逃した人がいたら、代わりに安全問題研究会が昨年の「ノーモア尼崎事故!生命と安全を問う集会」で報告した講演録とスライド資料を読んでほしい。この資料をお読みいただければ、昨夜のクローズアップ現代など見なくて結構だと当ブログ・安全問題研究会は誤解を恐れず断言する。クローズアップ現代程度の考察は、当ブログと安全問題研究会はすでに1年も前に行っているのだ。

「みなさまの公共放送」が、潤沢な制作資金を持ちながら、私のような一鉄道ファンが行った考察程度のことを、1年遅れでようやくしているようではお里が知れている。やはり、この間、最も劣化したのは政治でも行政でもなくメディアだと思う。

冒頭で引用した毎日新聞の記事は、JR西日本主催の「追悼慰霊式」で遺族代表のスピーチを行う人が昨年に続き、2年連続で誰もいなかったことを伝えている。JR西日本が本当に安全第1の企業になったかどうかは、かけがえのない人を奪われた遺族こそが最もよく知っている。その人たちがスピーチを拒否する実態を見れば、JR西日本が自画自賛する安全への取り組みもいまだ心許ないものであることがうかがえる。JRは成果を強調するが、ここ1、2年はJR西日本の社員の不祥事が報道されることがむしろ増えた印象がある。不祥事を起こす社員は全体から見れば一部に過ぎないが、こうした不祥事の続発は、JR西日本が多くの社員にとって働きやすい環境にないことの最も象徴的な現れである。社員にとって働きやすいと言えない会社が、利用者にだけ親切になどなれるか? 言うまでもないであろう。

昨年1月の刑事裁判で無罪が確定した山崎正夫・前社長のほか、検察審査会の議決による強制起訴を受けて被告の立場にある南谷昌二郎、垣内剛の両元社長は慰霊式に参加し、現場に献花に訪れた。しかしJR西日本の強権的企業体質を作り上げた張本人であり、「天皇」とまで呼ばれた井手正敬・元社長はこの日も現れなかった。2009年、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会委員によるJRへの調査報告書「漏えい」事件が起きたが、その後設けられた説明会の場にも井手氏は一度も姿を見せなかった。彼が遺族の前に姿を現すのは強制起訴の法廷だけだ。

福知山線脱線8年、負傷者の半数なお心身不調(読売)という記事のとおり、多くの被害者がいまだ事故前の生活に戻れないでいるなかで、罪を認めるどころか犠牲者に追悼の意を表すことすらしない井手氏の「人格欠落者」としての傲慢な振る舞いは今なお続いている。

組織の指導者が責任を取らないことが文化となってしまっているこの日本で、果たして企業犯罪の責任を問えるようになる日は来るのだろうか。そのことを考えるたびに、私のなかで絶望と希望が綱引きを繰り返す。膨大な被害を出したあの戦争も、日航機御巣鷹事故でも誰も責任を問われなかった(帝国主義者が別の帝国主義者を裁く「東京裁判」があるにはあったが)。過去の歴史は惨憺たる事実を私たちに告げている。一方、尼崎事故では、遺族の粘り強い闘いで、JR西日本発足以来の歴代4社長全員が被告人席に座ることになった。この国で組織の指導者、責任者と呼ばれる人たちは世界有数の無能揃いだが、市民は一方で世界有数の英知を持っている。その市民たちが今、歴史の針を、少しずつではあるが着実に前に進めている。私はそう信じたい。

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被災、脱線忘れない JR東日本が白河に列車車両保存

2013-04-23 23:41:28 | 鉄道・公共交通/安全問題
被災、脱線忘れない JR東日本が白河に列車車両保存(福島民友)

2005年、強風によって列車が転覆し、5人が死亡したJR羽越線事故の被害車両を、JR東日本が、福島県白河市にある総合研修センターに保存することになった。

羽越線事故は、2005年12月に発生した。砂越(さごし)~北余目間で列車が強風にあおられ転覆、乗客5人が犠牲となった。尼崎事故のようにメディアで大きく取り上げられることもなく、すでに世間では忘れられようとしている。しかし、遺族は依然としてJR東日本の謝罪・賠償対応に強い不満を持っており、事故が忘れられるようなことはあってはならない。

総合研修センターは、JR化以降、閉鎖した国の機関の跡地に建てられたJR東日本の社員研修施設だ。運転士、車掌などの現場職員を初め、社員の研修が行われている。少ないながらも、新白河駅から総合研修センター行きの東日本JRバスが運行されており、バスで行くこともできる。

福島民友の記事によれば、一般に公開するかどうかは未定という。震災で被災した車両ともども展示・公開していくことは、一般市民が災害の記憶を残し、市民レベルでも防災対策を練っていく上で参考になると思う。もちろん、社員研修用の施設だから社員の安全対策に生かしていくことが再優先だ。しかし、社員研修に差し支えのない範囲でよいから一般公開ができないだろうか。

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三宅島で震度5強、宮城では5弱…列島大揺れ

2013-04-19 23:27:32 | 気象・地震
平成25年4月17日17時57分頃の三宅島近海の地震について(気象庁報道発表)

この日の午前10時過ぎから、突然、三宅島で活発な地震活動が始まった。それも、マグニチュードが2~3といった弱いものではなく、いずれもM4台の中規模のもの。この規模の地震活動が続くということは、地殻内部のストレスはそれなりの規模で溜まっている。当ブログ管理人が三宅島の火山活動を注視していたところ、夕方になってこの地震が起こった。「やはり来たか」というのが率直な感想だ。

気象庁の報道発表では火山活動とは無関係、としている。直接的にはそうかもそれないが、地震帯と火山帯はほとんどが同じ場所にあり、相互に作用を及ぼし合っていることが知られている。この地震が引き金になり、将来の火山活動が活発化する恐れはないとは言えない。

また、この日の夜には宮城でも震度5弱を記録した。こちらは東日本大震災の余震活動の一環と見られる。

それにしても、最近、日本周辺は大揺れに揺れている。これまで地震と無縁だった地域でも、前兆もなく突然大きな揺れが襲うことがあり得るので十分警戒してほしい。

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郡山市長選で新人・品川氏当選~現職・原正夫氏の真の敗因は…やっぱり「アレ」しか考えられない

2013-04-16 23:30:04 | 原発問題/一般
(この記事は、当ブログでいったん発表した内容を、修正・加筆後、月刊誌「地域と労働運動」2013年5月号に再掲したものです。)

郡山市長に品川氏 7656票差で現職の原氏破る(福島民報)

●現職「まさかの敗北」

 原発事故後の「復興」のあり方を問う選挙として注目を集めた福島県郡山市長選挙は、14日投開票が行われ、大方の下馬評を覆して新人・品川万里氏が初当選を果たした。福島県内のあらゆる組織・団体の支援を取り付け、盤石と思われていた現職・原正夫氏がまさかの敗北を喫した。

 市長選を巡る動きは昨年秋頃から始まり、年末頃から本格化した。原、品川両氏は2009年の市長選でも戦っており選挙は前回と同じ顔ぶれ。昨年末には第3の候補として福島県議出馬の噂もあったが、原氏の支援に回る代わりに出馬を取りやめるという「密約」が原氏との間で交わされた、との噂も飛び交った。この間、雪辱を果たした品川氏に特に得点となるような大きな出来事があったわけでもない。

 福島県の中央に位置し、交通が便利で、全国規模の大企業が福島県内で1カ所だけ拠点を構えるとすれば福島市より郡山市、と言われることも多く、郡山市は経済県都と呼ばれてきた。実際、筆者が福島時代に仕事で付き合いのあった業者の中には、「福島支社(支店)」を名乗りながら住所は郡山市という企業もあった。ただ、近年は郡山駅前の商業ビルから大手デパートの丸井が撤退した後、テナントの入店がなかなか決まらないなど、沈滞ムードも漂っていた。

 現職の原氏は、自公両党を含め、地元商工会議所、医師会など様々な団体の支援を取り付け盤石の体制で、「もし原が負けるなら陣営の慢心のみ」「最大の敵は陣営内部」と言われるほどだった。その原氏が負けたのである。メディアの中には「自公が青森、福島・郡山の2市長選で敗北 「アベノミクス」支持限定」(毎日)という見出しが躍っているものもあるが、本当にアベノミクスが敗因なら青森や郡山だけでなく、他の市町村でも自公が負けるはずである。実際にはそうなっておらず、アベノミクスは原氏の敗因ではないと見なければならない。

 ●郡山市最大のタブー

 では、盤石と言われた原氏の敗因は何なのか?

 消去法で当てはまらないものをひとつずつ消していくと、最後にひとつだけ残るものがある。ああ、やっぱり敗因は「アレ」だったか、と思う。郡山市民なら誰でも知っている「公然の秘密」にして、公の場で語ることは誰であれ許されないとされる、今や郡山市政最大のタブー。なにしろ、市議会で市民派議員が市長にこの問題を質したところ、その部分の発言だけが会議録から削除されてしまったほどなのだ。

 しかし、仮にもここは言論の自由のある日本である。言論統制、強権支配は長くは続かなかった。このタブーを破るメディアが現れたのだ。地元で発行されている月刊誌「財界ふくしま」2013年1月号(発売は2012年12月)が正面からこのタブーに挑んだ。その衝撃の内容は以下のとおりだ。

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「財界ふくしま」2013年1月号記事「ざいかい短信~動き始めた郡山市長選」より(一部抜粋)

 来年(平成25年)4月26日に任期満了を迎える郡山市長選に向けた動きが水面下で活発化している。11月末時点で出馬が確実視されているのは現職で3期目を目指す原正夫と前回(平成21年)の市長選で約1万1000票及ばずに敗れた品川万里の2人で、…(中略)…原、品川による2度目の一騎打ちの可能性が高まっている。

(中略)

 任期満了まで約4ヵ月半、早くも動き出した郡山市長選について市内のある有識者は、 「原さんは震災後の対応で、地域住民の理解をきちんと得ない中で強引とも言える対応で次々と放射性物質の付着した汚泥を市内の公園、スポーツ広場に埋設してきた。また、娘さんと孫が治療のためとはいえ宇都宮に移るなど、『なぜ自分の身内だけ移転させるのか』との批判もいまだ根強いし、『2期目こそはと思ったが期待に応えてもらえなかった』という声もある。そうした批判は今後、ボディーブローのように効いてきますよ」と指摘。(以下略)
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 震災直後から、福島県内の主要自治体トップはほぼすべて「自分たちだけ親族を避難させている」との流言や誹謗にさらされてきた。福島市長に対しても、避難して自分だけ山形市から通勤している、とのあらぬ噂が流れた時期もあった。その噂をよく調べずに流した学者が実際に謝罪させられる騒ぎも起きた。原発事故の加害者は国、東電なのに、誰それが避難した、逃げた、裏切った、と住民どうしが分断され、いがみ合い、いつしか避難という言葉自体に福島県内が翻弄され、疲弊し、過敏に反応する中で、郡山市長に対しても、家族を避難させている、という噂が流れては消えた。前述した郡山市議の「議事録からの発言削除」事件もそうした流れの中で起きた出来事だった。

 だが、そうした情報が事実無根の流言飛語に過ぎないのであれば、自治体首長たちは公の場で堂々と反論すればよいだけのことだ。首長は公人なのだから市民が疑問を持っているなら説明責任もある。それなのに、福島市長にせよ郡山市長にせよ、そうした反論はせず、陰でコソコソ謝罪を要求したり、議事録から発言を削除したりするなど、批判とまじめに向き合わず、力で抑えつけたり、批判自体を抹殺して「なかったことにする」対応に終始した(その姿勢こそが放射能被害をも「なかったことにする」現在の反人権的市政に直接つながっている)。そうした不透明で不誠実なやり方こそが、よりいっそう「何かあるのではないか」との疑念を市民に呼び起こしたのだ。

 郡山市民はこの間、巨大な力によって「何かが隠されている」モヤモヤ感にずっと支配され続けてきた。その封印は、「財界ふくしま」誌の上記の報道によってあっさりと解かれた。

 ●問われる公務員のあり方

 「先憂後楽」という言葉がある。公務員(政治家、官僚)たるものは「市民より先に社会を憂い、自分の楽しみは市民より後にせよ」という意味である。自治体によっては新人研修で公務員の心構えとして教えているところもあると聞く。低線量被曝の恐怖の中で、「避難するかしないか」を巡って家庭、地域、学校、あらゆる場所で分断と軋轢が生まれ、市民が苦しみ続ける中で、自分だけ家族をさっさと避難させる市長の姿勢が為政者にふさわしいかどうか…今回の郡山市長選挙は、まさにそのことを巡って争われたのである。今、原氏の無残な敗北を見ていると、郡山市民ならずとも「やはり」と思うに違いない。

 こうした郡山特有の事情について、「再起の条件:’13郡山市長選 品川氏が初当選 投票率、史上2番目に低い45.01%」と題する記事で毎日新聞が詳しく報じている。この記事にもあるとおり、実際には原氏の娘と孫は「ストレスの治療」のために宇都宮に移転したわけだが、仮にそうだとしても、避難できずに福島にとどまっている県民から見れば釈然としないであろう。震災後の福島を2年間、見続けてきた筆者としても全く納得できない。「世界中の御用学者たちを総動員した“研究成果”を元に、原発事故後の身体の異変はすべてストレスが原因とする新しい知見が得られつつあり、この知見を元に、福島には世界最高水準の“ストレス医療体制”が整えられようとしている。であるならば、郡山市長がまず率先垂範してストレスに悩む娘さんとお孫さんを県外の病院ではなく県内の“世界最高度ストレス医療”に委ねてはどうか」。そんなイヤミのひとつも言ってやりたくなるのも事実なのだ。

 今回、勝利した品川氏はこのような屈折する郡山市民の心理を実に巧みに突いたと思う。品川氏の今回の市長選スローガンは「逃げない!」だった。前述の毎日新聞の記事では、「行政の長としてあらゆる事態に対応するのが『逃げない』という意味です」「自分のスタンスを申し上げたわけで、相手(候補)がどうこうではない。(市民の反応を)意識したわけではない」などとうそぶいているが、原氏を全力で意識していたことは間違いないだろう(もちろん、今の郡山市で「逃げない!」を市民に対して使うことは間違っている。郡山の放射線量は相変わらず全力で避難が必要な水準だ)。そして結果的には「逃げない!」のスローガンは、「財界ふくしま」の報道のとおり、原氏にとって「ボディーブローのように」効いたのである。

 今、郡山市では、「子どもたちを放射能のない安全な環境で学ばせたい」と、市民が「ふくしま集団疎開裁判」を起こしており、仙台高裁の決定は遠くない時期に出されるものとみられる。そうした学校集団疎開を求める市民の訴えは抹殺し、議会での議員の批判も議事録から抹殺。子どもたちも日常的に利用する公園のすぐそばに市民の了解もなく汚染残土を埋却する杜撰な作業を「除染」と言い張り、市民を危険に晒して顧みることもない。その上、市民には郡山の「復興」に向け一丸となって頑張れと言いながら、自分だけはさっさと娘と孫を宇都宮に移転させる……。

 今回の郡山市長選は、そんな暴君・原正夫を引きずり下ろすための選挙だったのだ。

(2013年4月20日・黒鉄好)

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【管理人よりお知らせ】「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.20尼崎集会」のご案内ほか

2013-04-14 18:12:53 | 鉄道・公共交通/安全問題
管理人よりお知らせです。

1.「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.20尼崎集会」のお知らせ

早いもので、今年もJR福知山線脱線事故(尼崎事故)の日である4月25日が迫ってきました。尼崎事故被害者やJR労働者で作る「ノーモア尼崎事故!いのちと安全を守る集会実行委員会」では、今年も例年同様、ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る4.20尼崎集会を尼崎市の現地で開催します。

チラシ(サムネイル写真をクリックしてください)を掲載しますので、公共交通の安全問題を考える一環として、ぜひご参加ください。

なお、当ブログ管理人は、今年から北海道在住となったため参加はできませんが、安全上のトラブルが相次いでいるJR北海道とも合わせ、引き続きこの問題に注目していきたいと思っています。

2.大阪市営交通民営化反対署名について

大阪市で、橋下市長のもと、一度は葬り去られた市営交通民営化が再び政治的日程に上っています。しかし、公共交通の民営化は、JRで起きた尼崎事故や羽越線事故、ローカル線廃止に見られるように、必ず事故やサービスの低下をもたらします。当ブログと安全問題研究会は、国鉄での経験をもとに、大阪市営交通民営化に反対します。

当ブログとと安全問題研究会では、民営化反対の署名に取り組むことにしました。署名用紙は、こちらからダウンロードできます。安全問題研究会の民営化反対理由も併せてご一読のうえ、ご協力をお願いします。

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淡路島で震度6弱、阪神・淡路大震災来18年ぶり

2013-04-13 23:29:51 | 気象・地震
平成25年4月13日05時33分頃の淡路島付近の地震について(気象庁報道発表)

今朝5時半過ぎ、兵庫県淡路島で震度6弱の揺れを感じる地震があった。報道されているとおり、この地域での震度6弱は阪神・淡路大震災(1995年)以来18年ぶりのことだ。地震発生時刻も阪神大震災が5時46分、今回が5時33分と同じような時間帯で、18年前の記憶がよみがえった人も多いのではないだろうか。

気象庁の報道発表を見よう。

発生日時 4月13日05時33分頃
マグニチュード 6.0(速報値)
場所および深さ 淡路島付近、深さ約10km(速報値)
発震機構等 東西方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)

震源は、阪神大震災と比べて南西に位置している。発震機構(地震のメカニズム)は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型。阪神大震災の横ずれ断層とは異なる。

地震の規模はM6.0(速報値)で、阪神大震災と比べて約1小さいから、地震のエネルギーは約30分の1。にもかかわらず揺れが大きかったのは、直下型で、しかも震源が浅かったことによる。

この地震が阪神大震災の余震かどうか、また、南海トラフ地震と関係があるかどうか、専門家と気象庁、あるいは専門家同士も見解が割れている。

参考記事:淡路島震度6弱 阪神大震災の余震か否か…専門家と気象庁割れる見解(産経)
阪神、南海トラフとの関係は…(毎日)

当ブログは、阪神大震災との関係は不明、南海トラフ地震との関係は「あり」との見解を取る。

地震学の世界では、M7~8クラスの巨大地震の場合、20~30年後でも余震、あるいは関連地震との見解が取られることがある。今回の場合、阪神大震災以降、体に感じない微小地震が続いていたとして「余震」との立場を取る専門家もいる。しかし、余震ならこの間、もうちょっとはっきりした地震活動の実績が必要なのではないだろうか。

当ブログは、むしろ、3.11以降活発化した和歌山県北部の地震に触発されて起きた地震ではないか、という気がする。

一方、今回の地震は、遠くない将来、南海トラフ地震が起きたとき「今思えば、あの地震も前兆だったのか」と振り返られることになる地震のひとつになるのではないか。3.11以前も、宮城・岩手内陸地震を初め、2009~10年頃から内陸部での断層型地震が相次ぐようになり、それが東日本大震災につながった。リンク先記事の古村孝志教授(地震学、東大地震研)のコメントにあるように「南海トラフでの地震が近づくにつれ、内陸地震が増える傾向は歴史上知られている」のである(古村教授は南海トラフを例に出しているが、他の海溝型地震についても同じことである)。

西日本での海溝型地震といえば東海地震ばかりが注目されてきたが、最近の内陸での地震の傾向を見れば、東海よりも東南海・南海地震のほうが先に来る可能性が高い。西日本の太平洋岸各地にお住まいの皆さんは、数年後に訪れるであろう「Xデー」に備え、今から備えをしてほしい。

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事実上破たんした汚染水処理計画~福島第1は直ちに国有化し、国の責任で収束を!

2013-04-10 22:31:51 | 原発問題/一般
福島第一 汚染水計画破綻 貯水池構造上の欠陥(東京)

3.11以降2年間、福島を見続けてきた当ブログは、福島第1の収束スキームにもし崩壊が訪れるなら、それは汚染水(保管場所がなくなる、または漏れ出す)か作業員(作業員の確保が困難になる)のどちらかになるだろう、と思っていた。その意味では、今回の事態は想定の範囲内である。これまでの収束スキームは、リンク先記事にあるように、事実上、破たんしたと言っていいだろう。

東電は、利益を生まない福島第1に関しては、今なお「いかに経費を抑えるか」しか念頭にないように見える。作業員はその場限りの無計画な使い捨てで賃金は極限まで値切り、被害者への賠償も踏み倒しが当たり前。収束作業のカギを握る汚染水の地下貯水槽ですら、今回明らかになったように「穴掘ってビニールシート」だ。お花見のレジャーシートじゃあるまいし、こんな設備で漏出など防げるわけがない。私企業である東電に収束作業を任せてもこれ以上の結果にはなり得ない。

仮に、地下貯水槽がうまく役目を果たしたとしても、結果は同じだったろう。もともと地下貯水槽は貯水タンクが満水になるのを少しでも遅らせるための急場しのぎの性格が強かった。福島第1原発の敷地内は、すでに貯水タンクだらけになっている。これがすべて満水になったらその後をどうするかについては、誰も黙して語らない。

当ブログは、この事態に及んだ以上、福島第1を東電から切り離して国有化し、収束作業も国の直轄事業にする以外にないと考える。そもそも、効果がないことが立証されつつある--そして当ブログにとっては「無意味でどうでもいいこと」の代名詞である--除染を一部地域では国の直轄で行っているのに、それ以上に重要な収束作業がなぜ東電に任せきりなのか(おそらく、除染はゼネコンが儲かるが収束作業は儲からないからだろう。全く、どこまで行っても命よりカネの連中にはつける薬もないし怒りしか湧かない)。除染などどうでもいいから、国は収束作業にこそみずから主体的に乗り出すべきだ。

そして、福島第1を国有化するのに合わせ、国は、長期にわたって帰還困難となる警戒区域や計画的避難区域を買い上げ、国有地化すべきだ。

こうすることでどのようなメリットがあるのか。まず、現状では福島第1が東電の「私有物」であるため貯水タンクは東電の敷地内にしか造れないが、これを国有化し、警戒区域や計画的避難区域も国有地化することでこれらの地域にも貯水タンクを造れるようになる。少なくとも、貯水タンクを造る場所がなくなることで収束・廃炉スキームが破たんする時期を大幅に(数年、あるいは十数年スパンで)先送りできる。仮に十数年先送りできれば、汚染水の放射性物質濃度はある程度下がるから、汚染水の処理について今よりも多様な選択肢を持てるようになるだろう。

次に、帰れるとも帰れないとも明言されないまま、避難先で先の見えない生活を強いられている強制避難者に対し、先の見通しを示せるようになる。警戒区域、計画的避難区域を汚染水置き場にすれば、これらの地域について「帰れない」という結論が確定する。その上で、避難者に対し、代替地を提供するので収束・廃炉作業という「公共の利益」のため、あなたの土地を提供してほしい--といえばよいのだ。そうすれば、多くの被災者にとって新たな土地での生活再建に向け、踏み出す決意ができる。

それはそうだが、避難者の意向を無視してよいのか、という疑問を持つ読者もいるかもしれない。しかしその心配はなさそうである。飯舘村で行われたアンケートでは、除染が完了すれば「すぐ戻りたい」と答えた人は2割に満たない。大熊町でも「町には戻らない」が町民の5割だとする全世帯調査がまとまった(関連記事)。「将来は移住も考えたい」が避難者の75%を占めたとする調査結果もある(関連記事)。初めは望郷の思いが強かった避難者も、2年という時の経過の中で現実を認識し始めている。移住を前提とした警戒区域、計画的避難区域の「収束・廃炉拠点」化の構想があってもよいと思う。

いずれにせよ、収束・廃炉作業を今のまま漫然と東電に任せ続ける限り、遅かれ早かれ作業は破たんを迎える。国が前面に出ざるを得ない時期が迫っている。今回の汚染水漏れを契機に、国営直轄事業としての収束・廃炉のあり方を真剣に検討すべきだ。

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フクシマ・アクション・プロジェクト報告~福島支配狙うIAEAに抗議行動

2013-04-09 21:51:13 | 原発問題/一般
(この記事は、当ブログ管理人が日本出版労働組合連合会発行「原発のない未来へ~出版に働くものだからこそ、できること~」No.18(2013.4.4発行)に発表した原稿を掲載しています。なお、掲載に際し、文字化けのおそれがある丸数字のみ、かっこ付き数字に改めました。)

 2012年12月15~17日にかけて、郡山市で日本政府主催の原子力「安全」に関する福島閣僚会議が「国際的な原子力安全の強化」と「福島の復興」を目的として行われました。117か国・13の国際機関が参加。私たちフクシマ・アクション・プロジェクト(http://npfree.jp/fukushima.html)は、15~16日、会場で、会議の目的およびIAEA(国際原子力機関)の福島常駐に対する抗議行動を行いました。

 それに先立ち私たちは、この会議に関して県民への説明を求めていましたが、ようやく12月9日に説明会が行われ、県民の声を伝える場の設置も実現させました。

 そもそもIAEAは、アイゼンハワー米大統領の提唱で1957年に設立された国際機関で、「全世界における平和的利用のための原子力の研究、開発および実用化を奨励し、援助する」ことを目的としています。日本では、核開発の疑いのある国に査察を行う組織という認識が一般的ですが、実際には「平和利用」の美名の下、国際的に原発を推進すると同時に、軍事面では核拡散防止条約(NPT)と合わせ、核保有国だけに核兵器独占の特権を与える役割を果たしてきました。

 IAEAはまた、1959年にWHO(世界保健機関)との間で「WHOとIAEAが活動する際の重要事項は、互いに相手側の合意を得る」との内容の協定を結びました。この協定により、WHOは放射能が人間の健康に悪影響を与えることを発見しても、IAEAの了解なしにそれを発表することはできないとされたのです。

 IAEAは、チェルノブイリ原発事故の際にも、被害の著しかった地域に調査団を派遣しましたが、この調査団は、原発事故による死者は50人、甲状腺がんで亡くなった子どもは9人とするなど、事故の影響を極端に過小評価する報告書をまとめ、事実上、チェルノブイリでの悲惨な健康被害をもみ消しました。

 IAEAが「福島県環境創造センター」(仮称)の名称で設置を予定している施設は、福島県三春町、南相馬市の2か所に置かれることになっています。福島県の「基本構想」によれば、IAEAから研究者を受け入れ、県内各地を早急に放射能汚染から回復させるため、除染と放射線に関する研究を行う拠点として、2016年度の全面開所を目指すとされています。福島県民のための研究施設を装っていますが、彼らの過去の行動を見れば、反原発の声を抑え込み、最も被害の酷い福島で健康被害をもみ消しながら、国際原子力ロビーおよび原発の生き残りを図るための「拠点」にするという彼らの目的は明らかです。

 この会議でIAEAと福島県立医立医科大学が結んだ協定書では、どちらか一方が秘密指定とした情報については秘密性を確保する、という驚くべき内容になっており、福島原発被災者の健康管理は、初めから隠ぺいを前提として進むことが危惧されます。また、IAEAと福島県が結んだ覚書は、除染、放射線モニタリング、放射性廃棄物の管理などの内容となっています(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/fukushima_2012/fukushima_iaea_jp_1215.html)。

 閣僚会議の会場となった郡山市のビッグパレット周辺には、12月15日朝、フクシマ・アクション・プロジェクトが呼びかけた抗議行動に約100人が集まり、「IAEAは帰れ」「被災者の声を聞け」と声を上げました。「私たちを抜きに福島のことを決めないでください」と訴えると、参加者から「そうだ」のかけ声と拍手が起こりました。この行動には、ドイツ、フランス、オーストリアなど海外の市民団体のメンバーも参加、仮装したメンバーの多彩なアピールが見られました。

 会場1階の通路に並ぶ福島県作成のパネルは、津波・除染・心のケアを強調し、除染をしている、子どもたちは元気に過ごしているという内容。玄葉光一郎外相(当時)、天野之弥IAEA事務局長のスピーチは、福島のことをあまり心配せず、教訓を活かし事故の起きないよう安全対策して原発推進をという内容で、はらわたが煮えくり返りました。レベル7という最悪の事故を起こした福島でなぜ原子力「安全」に関する閣僚会議なのか。危険の間違いではないか、との声も聞かれました。

 15日11時半から、国の言いなりになり、IAEAを誘致した福島県に対し、フクシマ・アクション・プロジェクトから要請書を手渡しました。その内容は、(1)福島へのIAEAの進出をやめさせること、(2)汚染地域の住民避難と、避難に伴う損失を県の責任で賠償すること、(3)県外避難者の住宅補助の打ち切りなど避難者への非情な扱いを止め、支援をすること、(4)子どもたちの避難を実現するため、学校単位の疎開・保養を直ちに実施すること、(5)健康被害がないとの前提で進められている県民健康管理調査を根本的に見直し、科学的で客観的、公平なものとすること。併せて、健康被害の過小評価を目的とした検討委員会の議事進行や特定の方向への議論誘導などをしないこと、(6)「秘密会」の開催や健康被害のごまかし、隠ぺいを主導してきた責任者に対し、適正な処分をすること、(7)モニタリングポストによる測定を正しく行い真摯な情報公開を行うこと、(8)福島県民の共通の願いは核・原発の廃絶である。核推進機関を呼んだ国際会議ではなく、核・原発廃絶のための国際会議を開催すること、(9)これらの要請を受け入れ速やかに実行した後、今回の原発事故まで原発推進の立場を取ってきた知事として、辞任という形で県民に対し責任を取ること――の9項目です。

 また、ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子さんは、国連人権理事会の「最高水準の健康を享受する権利に関する特別報告者」の勧告文をIAEA広報官に手渡し、IAEAが勧告に従って子どもの健康と人権を守るよう訴えました。同時にフクシマ・アクション・プロジェクトも要請書を手渡しました。

 その後、SPEEDIのデータ隠しや健康調査「秘密会」に続き、福島県による可搬型モニタリングポストによる事故直後の空間線量測定値データの廃棄がまたもや明るみに出ました。事故から2年経った今もやっていることはごまかしと隠ぺいばかりで、県民の行政不信は頂点に達しています。この上にIAEAの進出を許せば、こうしたごまかしや隠ぺいにますます拍車がかかり、県民の健康を守るためのデータは闇に葬られることになるでしょう。

 国際原子力ロビーの頂点に位置し、国家さえ超越する力を持つ巨大組織、IAEAに市民が対抗していくのは大変なことですが、最も悲惨な原発事故被害を受けた福島から核の時代に終止符を打つため、私たちはこれからも、あきらめず闘いを続けていきます。

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戻ってきた「当たり前の暮らし」に思うこと

2013-04-08 22:30:54 | 日記
福島から北海道への転居に当たって、私たちは、家財道具の多くを処分せざるを得なかった。もともと古いものがあったこと、鉄筋コンクリート造で結露のひどい住宅だったため、腐食やカビで多くの家具が傷んでいたことも理由だが、最大の理由はやはり放射能である。

原発事故以来、私たちは放射能被曝を防ぐための10箇条を策定し、実行してきた。しかし、この10箇条の9番目「外部に接する窓やドアは開放しない」に関しては実行できたとは言い難かった(それ以外の9項目はほぼ完璧に実行できた)。暖房器具の使用に伴って換気は必要だし、何よりも2011年、12年と白河では記録ずくめの猛暑となったことにより、夏の間ずっと窓は全開状態だった。大気中の放射性物質により、室内も相当汚染されていることは明らかだった。

表面がザラザラしていて凹凸の激しいものは、放射性物質がこびりつきやすい性質を持っている。そこで、家具のうち表面がザラザラしているものはほとんど処分した。それ以外のものは、北海道上陸後に丁寧に拭き掃除をすることを条件に、必要最小限のものを持ち込んだ。食器、調理用具も大半を処分し、新たに買い直した。

このようにして迎えた北海道での新生活。外に出るのにマスクをする必要がない、水道水をそのまま飲めるといった当たり前のことが福島ではできなかった。それができることの喜びが、改めて湧いてきた。

近くのイオンでも、売っている食材はほとんどが北海道産。ほうれん草も北海道産が出ていたので、久しぶりに買った。原発事故以降、福島のスーパーでは、危険といわれる東北、関東産以外のほうれん草はついに1度も見ることがなかった。最も長い間、我が家の食卓から遠ざかっていたのがほうれん草だった。放射能汚染を気にすることなく、食材を買えるというのがいかにありがたいことかを思い知らされた。

当ブログ管理人は、福島時代、仕事に準じた所用で2週間~1ヶ月に1回程度、大阪に行く生活をしていたが、大阪のスーパーでも、関西の周辺県で生産された安全な食材をいつでも買うことができる。関東、東北にいると感覚が麻痺してしまうが、「汚染地産の食材しか選択できない」という異常事態に置かれているのは、実は関東、東北だけである。

しかし、少し考えてみれば当然のことで、野菜などの生鮮食品は荷痛みが激しいから、遠距離輸送をすると輸送コストはかかるのに鮮度は落ちてしまう。わざわざ関西や北海道まで、コストをかけ、鮮度を落として輸送したところで、輸送コストがなく新鮮な地元産食材に対抗できるはずがないから、結局、生鮮食品ほど地元で消費されることになる。放射能汚染のひどい関東、東北産の食材は、結局は関東、東北で「地産地消」されるしかない…資本主義社会の基本である費用対効果とはそういうものである。

福島にとどまったまま、測定活動など様々な活動をしている多くの人がいる中では言いにくいことだが、北海道に来てこのような食品流通の事情を見ていると、結局は「福島からも首都圏からも、逃げたもん勝ち」のような気がする。

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