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「JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書」に対する政府答弁書

2014-11-30 22:06:09 | 鉄道・公共交通/安全問題
当研究会が、山本太郎参議院議員を通じて提出した「JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書」に対する政府答弁書が決定されたのでお知らせします。

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答弁書


答弁書第七四号

内閣参質一八七第七四号
  平成二十六年十一月二十一日

内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員山本太郎君提出JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 国土交通省としては、平成二十六年一月二十四日に鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二十三条第一項及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号。以下「JR会社法」という。)第十三条第二項の規定に基づき国土交通大臣が発出した「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」(以下「命令」という。)を受け、北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)において策定され、同大臣に報告された命令別添別紙2「第一歩の改善」についての措置を講ずるための計画は、基本的に命令の内容を踏まえたものであると認識しており、当該計画の実施状況についても、JR北海道からの定期的な報告、五年程度の常設の監査体制等により、適切に把握することとしている。

三について

 お尋ねの点については、鉄道事業等監査規則(昭和六十二年運輸省令第十二号)第七条第二項の規定に基づき平成二十五年九月から平成二十六年一月までの間にJR北海道に対して実施した保安監査(同規則第三条第一号に規定する保安監査をいう。)の中で、事実関係の確認を行った。JR北海道からは、検査データの改ざんに係る具体的内容に関する資料は残っておらず、詳細については不明である旨の回答を得ている。

四について

 国土交通省としては、JR北海道が、輸送の安全の確保を前提としながら、経営基盤の確立を図ることが必要であると考えており、このため、JR北海道に対して、JR会社法第十二条第一項に規定する経営安定基金の設置に加え、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)附則第四条及び第五条の規定に基づき、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)を通じ、老朽化した施設の更新等のため、平成二十三年度からの十年間で総額六百億円の助成金の交付等の支援を行っているところである。

 また、同省は、JR北海道に対し、命令において、安全確保のため必要な設備投資を早急に行うため、安全投資と修繕に関する五年間の計画の策定及び機構からの助成金等の活用の前倒しの検討を命じたところであり、同省としては、当該計画の実施状況を把握し、適切に対処してまいりたい。

五について

 鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成十三年国土交通省令第百五十一号)等において規定されている鉄道車両の定期検査の周期は、技術の進展等を背景として、走行試験、外部有識者による検討等を踏まえて定めており、適切なものであると考えている。

 なお、御指摘のトラブルの原因については、JR北海道より、第三者も交えた検証の結果、エンジンの構造上の問題と特定されたとの報告があったところである。

六について

 御指摘の「交通権」の意味するところが明らかではないが、鉄道軌道整備法(昭和二十八年法律第百六十九号)に基づく災害復旧事業費補助については、同法第八条第四項において「鉄道事業者がその資力のみによつては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難であると認めるときは・・・補助することができる」と規定されており、これを踏まえ、鉄道軌道整備法施行規則(昭和二十八年運輸省令第八十一号)第十五条の三第三項第三号イにおいては「三年間・・・における各年度の鉄道事業の損益計算において経常損失若しくは営業損失を生じていること」、同号ロにおいては「基準期間における各年度の鉄道事業者が経営するすべての事業・・・の損益計算において経常損失若しくは営業損失を生じていること」等が規定されているところであり、経営の厳しい鉄道事業者が対象となっている。

 地域の鉄道の復旧については、基本的には事業主体である鉄道事業者が、地方公共団体等と議論しながら対応していく必要があると考えている。また、鉄道を含む地域の公共交通については、交通政策基本法(平成二十五年法律第九十二号)及び地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成十九年法律第五十九号)において、地方公共団体は、地域の諸条件に応じた施策を実施し、地域公共交通の活性化や再生に主体的に取り組むよう努めること、国は、交通に関する施策の総合的な策定及び実施や情報提供等に取り組むよう努めること等が定められている。

 このような見地から、地域の公共交通が確保されるよう適切に対処してまいりたい。

七について

 中央新幹線(東京都・名古屋市間)の環境影響評価については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に従い、平成二十六年四月二十三日に東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)から送付された「中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書」(以下「環境影響評価書」という。)について、環境大臣は同年六月五日に意見を述べ、国土交通大臣は、当該意見を勘案し、同年七月十八日にJR東海に対し意見を述べた。この意見を受けて、JR東海は同年八月二十六日に補正を行った環境影響評価書を同大臣に送付した。同大臣は、当該補正後の環境影響評価書の記載事項及び同年七月十八日に述べた同大臣意見に基づいて、中央新幹線(品川・名古屋間)の建設の事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうか等を審査し、同年十月十七日に工事実施計画を認可したものである。

八について

 御指摘の「リニア中央新幹線建設費として九兆円を見込んでいる」の意味するところが明らかではないが、中央新幹線(東京都・大阪市間)の工事費については、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号。以下「全幹法」という。)第五条第一項の規定に基づき、国土交通大臣は、機構及びJR東海に対し、建設に要する費用に関する事項等の調査を指示し、両者は、「中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書」において、南アルプスルートの場合の建設に要する費用を九兆三百億円と報告した。これを受けて、全幹法第十四条の二の規定に基づき、同大臣は交通政策審議会に諮問し、同審議会における審議を経て、同大臣は、全幹法第七条第一項の規定に基づき、建設に要する費用の概算額九兆三百億円を含む「中央新幹線の建設に関する整備計画」を決定したものである。

 なお、中央新幹線(東京都・大阪市間)の工事費については、今後、平成二十六年十月十七日に認可した工事実施計画の区間以外の区間に係る環境影響評価を行い、その結果を踏まえ、JR東海による工事実施計画の認可申請の段階で精査されるものと考えている。

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事故が起きても乗客は放置、業者選定はお手盛り、金融機関も見捨てるずさん計画~本当にこれでいいのか?

2014-11-25 22:01:51 | 鉄道・公共交通/交通政策
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2014年12月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 10月17日、JR東海が計画している中央リニア新幹線計画を国土交通省が認可した。東京~名古屋間は長野県などの山岳地帯を通る。全国新幹線鉄道整備法に基づくもので、JR東海は東京~名古屋間を2027年に、名古屋~大阪間を2045年に開業させる計画であり、「東海道新幹線の代替路線として必要」などと主張する。だがその実態は環境破壊、住民無視、地方への一方的な負担押しつけなど原発と全く同じだ。情報を隠し、強引に推進されている点も原発を思わせる。

 ●避難は「乗客で助け合え」

 リニア新幹線は、東京~名古屋間の86%をトンネルが占める。過去には北陸本線・北陸トンネル内での急行列車火災事故(1972年、25人死亡)などの惨事が起きた。日本有数の地震帯、中央構造線を貫くルートで建設されるリニア新幹線で、地震による事故の危険性は大きい。非常用の避難口は5~20キロメートルに1か所の割合で設置されるがもちろん万全ではなく、地下トンネルでの事故のとき、1000人近い乗客をどこにどう避難させるのか。

 沿線地域での説明会の際、建設に反対する住民がこの点をJR東海に質問したところ「お客様同士で助け合っていただく」という驚くべき回答だった。JR東海は「事故など起きるはずがない」として全く安全対策を講じない。

●環境破壊の「見本市」

 リニア新幹線の事業認可にあたって、太田国交相は「環境問題は存在しない」と表明した。だがこれは大きな嘘である。実際には、リニア新幹線は環境破壊の見本市だ。

 環境破壊で最大のものは水脈の変化だ。もともとリニア以外でも、大規模なトンネル工事の際には地下水脈が変化し、周辺地域で井戸が枯れることがある。山梨県に建設されたリニア実験線でも周辺地域では沢が枯れる被害が数十件も出ている。全区間の86%がトンネルのリニアでは、東京~名古屋のリニア沿線区間すべてで同じ問題が起こるのは確実だ。

とりわけ静岡県では、リニア建設で大井川からの水量が毎秒2トンも減少すると見込まれている。周辺7市、63万人分の生活用水と同じ量だ。

 リニア通過地域となる長野県大鹿村では、生活用水も農業用水もすべて自給自足でまかなっている世帯がある。こうした自給自足の生活もリニアによって破壊される。

 全区間の86%がトンネルだけに、リニア建設によって生まれる残土は膨大な量にのぼり、その処理はいずれ解決不能な問題として突きつけられることになる。リニア建設で出る残土の量は大鹿村だけで300万立方メートル(東京ドーム3杯分)。この膨大な量の残土を運搬するため、大鹿村では工事期間中、すれ違いも困難な狭い村道を1分間に3台のダンプがひっきりなしに行き交う計算になるという。この村道は地元保育園児の通園路になっており、園児を巻き込む事故の発生は避けられない。

 東京~名古屋の全区間では、残土の量は6000万立方メートルに上る。諏訪湖(長野県、531平方キロメートル)をすべて埋め立て消滅させられるほどの量だ。これほど膨大な量の残土のうち処分場所が決まったのはわずか2割。それも地元住民との話し合いもせず、JR東海が一方的に決めた場所でしかない。

 名古屋~大阪間ではリニアが岐阜県東濃地域を通る天然ウラン土を貫く恐れもある。そうなれば放射性廃棄物であるウラン残土が大量に発生する。JR東海はその処理について「大阪市などの震災がれきの処理を参考にしたい」としており、福島原発事故による放射能汚染を全国に拡散させた広域がれき処理の手法が再び使われることになる。

 ●恣意的に業者選定し放題の一方、金融機関は見放しか

 リニアの建設費について、JR東海は9兆円と試算するが、かつての東海道新幹線建設費も当初試算の1972億円から、1963年3月になって2926億円に上方修正されており、JR東海の試算通りに収まる保証はどこにもない。

 この問題を取材してきたジャーナリスト・樫田秀樹さんによれば、ある外資系大手証券会社は、もしJR東海がリニア着工に踏み切った場合、JR東海には投資しないし顧客にも投資案件としては勧めない意向という。社長みずから記者会見で「絶対にペイしない」と表明するような事業に、9兆円も借金してまで突っ込んでいく企業は投資案件として適さないとの判断だ。民間企業としては合理的判断だろう。このままリニア建設に突き進んだ場合、本当にJR「倒壊」になりかねない。

 表面上は口にしないが、JR東海の多くのステークホルダー(利害関係者)がこの外資系大手証券会社と同様の判断に傾いているとの情報もある。事業認可が下りたとはいえ、JR東海は意外にも資金調達に難渋しそうな状況という。

 乗客が避難するための地上出入口の建設が予定される地域では住民の立ち退きが計画されているが、絶対に立ち退かないと表明している住民もおり、今後、一山も二山もありそうな気配だ。着工が決まっても、建設を止めるチャンスはある。

 一方、この間の当研究会の調査により、リニア建設工事における業者選定について、重大な問題が浮上した。従来、建設が進められてきたいわゆる整備新幹線では、建設主体は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構、前身は日本鉄道建設公団)であり、工事完成後、鉄道・運輸機構が運行主体となるJR各社に新幹線を引き渡す方式が取られてきた。現在建設中の北海道、北陸各新幹線もこの方式による建設だ。独立行政法人発注の工事では国の機関に準じた調達手続きが必要であり、競争入札が行われる。加えて、国の機関や独立行政法人が発注する建設工事で予定価格が20億円を超えるものは、政府調達協定(WTO協定)に基づく国際入札となる。鉄道・運輸機構側が恣意的な業者選定を行うことは原則としてできない仕組みだ(注)。

 JR東海も、完全民営化されながら旧国鉄の事業を継承した企業として政府調達協定の対象機関に指定されていることから、国内法やJR東海の社内規程で競争入札が義務付けられていなくても、当然に国際入札になるものと予想していた。ところが、当研究会の調査により、この10月からJR本州3社が政府調達協定の対象外になったことが判明したのである。日本政府は、JR本州3社について、完全民営化の時点から政府調達協定の対象外となるよう協定締結各国に働きかけていたが、EU(欧州連合)が異議を唱えていたため実現していなかった。今回、EUが異議を撤回し、ようやくJR本州3社の政府調達協定からの除外が実現したのだと政府は主張するが、この絶妙すぎるタイミングを見ると、JR本州3社の政府調達協定外しをリニアのため急いだのではないかと勘繰りたくもなる。

 今回のリニア工事は、従来の整備新幹線同様、全国新幹線鉄道整備法を建設根拠としているにもかかわらず、JR東海が建設費の全額を賄うため、鉄道・運輸機構は関与せずJR東海がみずから建設事業者を選定する方式となる可能性がある。この場合、民間企業であるJR東海は国の機関や独立行政法人のような厳格な業者選定手続きを取る必要がないから、JR東海の覚えのめでたい事業者がお手盛りで選定される可能性がある。JR東海がどんな業者選定手続きを取るかについても、私たち市民は厳しく監視しなければならない。リニアは失敗が運命づけられている事業であり、お手盛りで業者選定が行われ、不当に高い建設費が投じられた挙げ句、いざJR「倒壊」となった後「税金を投入してJR救済」では国民は踏んだり蹴ったりだからだ。

注)もっとも、北陸新幹線の融雪設備工事では、鉄道・運輸機構側が応札業者側に予定価格を漏らす「官製談合」が行われたことが今年2月に明らかになっている。この工事を受注し、談合の「幹事社」でもあった高砂熱学工業に鉄道・運輸機構の職員が天下っていたことも判明している。

 ●次々と抗議声明

 これほど問題だらけの巨大公共事業が、沿線住民にまともな説明もなく強引に推進されている。国内大手メディアもリニアの問題点を全く報道しない。JR東海がメディアの大スポンサーであるため、「事故が起こらなければ批判できない」(関係者)というのだ。電力会社による巨大な「広告マネー」に支配され、福島事故が起きるまで全く批判的報道ができなかった原発と全く同じだ。

 リニア新幹線工事の認可に対し、計画に反対している市民団体などから次々と抗議声明が出された。リニア新幹線沿線住民ネットワークは、安全対策・避難対策、電磁波対策などが不十分であることなどを理由として着工認可に抗議し撤回を求める声明を発表。公益財団法人日本自然保護協会も「日本の環境行政史上に大きな汚点を残す」として認可の即時撤回を求めた。

 リニアにより生活用水が断ち切られるなどの大きな影響を受ける静岡県では、市民団体が事業認可の差し止めを求めた訴訟も準備している。

 安倍政権は、リニア建設を「成長戦略」に位置づけている。安倍政権打倒の闘いと結んで、百害あって一利なしの無謀なリニア計画を中止させよう。

(2014.11.16 黒鉄好)

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11月22日、22時08分頃の長野県北部の地震について

2014-11-23 00:08:37 | 気象・地震
22日午後10時08分頃、長野県北部で起きた地震について簡単に解説する。

平成26年11月22日22時08分頃の長野県北部の地震について(気象庁報道発表)

震源:長野県北部
地震の規模:M6.8(速報値)
震源の深さ:約10km
発震機構(地震のメカニズム):北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報値)

今回の地震の震源地にごく近い場所で、東日本大震災の翌日の2011年3月12日にM6.7の地震が起きている(当時の報道発表)。震源地だけでなく、地震の規模もほぼこの地震と同じで、発震機構も今回と同じ。3年8ヶ月の間隔を置いているが、事実上関連地震と見るべきだと当ブログは判断している。

なお、当ブログがきわめて注目しているのが、今年9月に起きた御嶽山噴火との関連だ。御嶽山、今回の地震の震源、そして2011年3月12日の地震の震源の位置関係を示すと、以下の地図の通りとなる。



今回の地震の震源は、糸魚川・静岡構造線のほぼ真上である。長野県では、1979年に御嶽山が噴火した後、1984年に長野県西部地震が起きているが、その震源は御嶽山の間近だった。今回の地震の震源は、9月に噴火した御嶽山とは約150kmほど離れており、関係があるかどうか現時点で当ブログには判断できない。ただ、県庁所在地の長野市を取り囲むように地震と噴火が続いているのは、少々不気味ではある。

気象庁では、今後1週間程度、最大で震度5強程度の余震があり得るとしている。御嶽山のことも考えると、この地域の地殻変動が活発化していることは疑いなく、近隣にお住まいの方は十分注意してほしい。

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JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書

2014-11-14 22:50:00 | 鉄道・公共交通/安全問題
安全問題研究会は、山本太郎参議院議員を通じ、11月13日付で「JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書」を提出したのでお知らせします。

なお、質問主意書の内容は以下の通りであり、政府は、質問書受領後7日以内に答弁しなければならないと定められています(国会法75条)。この質問主意書を政府は11月21日に受領しているので、11月28日までに答弁が行われることになります。

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<参考>国会法

第75条 議長又は議院の承認した質問については、議長がその主意書を内閣に転送する。
○2 内閣は、質問主意書を受け取つた日から七日以内に答弁をしなければならない。その期間内に答弁をすることができないときは、その理由及び答弁をすることができる期限を明示することを要する。

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(参議院サイトより)

JR北海道の安全問題、ローカル線問題及びリニア中央新幹線に関する質問主意書

 昨年から顕在化した北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)における事故は、最悪期を脱したものの、依然として完全には収束していない。本年一月には旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(以下「JR会社法」という。)に基づく史上初の監督命令が出される一方、レール検査データの改ざんが明らかになるなどJR北海道の安全管理体制が問われる事態が続いている。こうした中、ローカル線の経営が深刻化しており、災害で不通となった路線の復旧スキームを見直す声が野党のみならず与党にも出ている。また、東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)に対し、国土交通省が着工を認可した中央新幹線(東京都・名古屋市間)(以下「リニア中央新幹線」という。)は問題だらけの計画である。こうしたことを踏まえ、以下質問する。

一 レール検査データ改ざんや脱線事故等が続くJR北海道に対しては、国土交通省が今年一月二十四日、鉄道事業法に基づく事業改善命令に加え、JR会社法に基づく監督命令を出した。これを受け、JR北海道は、「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」における「二 第一歩の改善」について措置を講ずるための計画(以下「計画」という。)を策定し、今年七月二十三日付けで国土交通大臣宛の報告書を同省北海道運輸局へ提出している。

 計画に対し、現在、国土交通省による検証・確認作業はどの程度進んでいるのか。また、不備な点があるとの認識は持っているか。持っている場合、追加でどのような対策を講じるのか、明らかにされたい。

二 JR北海道が現状の職員数のまま、提出した計画に基づいて安全性を向上させることが可能と考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 新聞報道によれば、JR北海道におけるレール検査データの改ざん問題に関しては、一九九一年と一九九八年に会社と国鉄労働組合北海道本部(以下「国労」という。)との労使交渉の際、国労側が改ざんが行われている可能性を会社に指摘、調査を申し入れながら、会社が「法令に基づいて検査が行われているものと信じている」として何らの対策も講じなかったとされている。政府として、この事実を把握しているか。把握しているのであれば、当時、政府としてJR北海道に対し何らかの指導を行った事実はあるか。また、把握しながら何らの指導も行っていなかった場合、その理由を明らかにされたい。

四 私が、昨年十一月六日付けで提出した「JR北海道で発生した連続事故及び日本国有鉄道改革の見直しに関する質問主意書」(第百八十五回国会第四五号)の質問三に対する答弁書(内閣参質一八五第四五号)は、JR北海道に対して、「法第十二条に規定する経営安定基金の運用収入」、「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成十年法律第百三十六号)附則第四条の規定に基づき独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)が発行する特別債券の引受けによる利子収入が得られる措置」、「同法附則第五条の規定に基づく機構の助成金等として、十年間で総額六百億円の支援」により「JR北海道は、平成二十五年三月期の子会社を連結しない単体の決算及び連結決算において、それぞれ約九億円及び約七十三億円の経常利益の計上を行っているところである」としているが、最も基本的なレール検査等の安全対策すら実施できないJR北海道の実態に目を向けることなく、「利益が出ているからいい」というのは著しく誠意、真摯さを欠いた不当な答弁であると言わざるを得ない。

 鉄道事業者にとって、安全は最大の商品であり、安全輸送が確保できてこその利益でなければならないと考えるが、この点を踏まえ、再度、政府の見解を問うので、真摯に答弁されたい。

五 二〇〇一年九月に実施された規制緩和により、従来「三年(新車は使用開始から四年)または走行距離二十五万キロメートルを超えない期間」とされていた気動車の検査周期が「四年または走行距離五十万キロメートルを超えない期間」と改められた。一方、新聞報道によれば、二〇一三年四月に発火トラブルを起こした特急「北斗」用車両(キハ一八三系)は前回の検査からの走行距離が二十一万キロメートルであったほか、二〇一二年九月にも同様に直前の検査からの走行距離が二十一万キロメートルでトラブルを起こした例がある。

 長距離列車が多く運行一回当たり走行距離が長いこと、力行運転(動力をかけた状態での運転)の時間が多いこと、寒冷地であることなど北海道特有の事情があるにせよ、このようなトラブルの事例から、二〇〇一年に行われた検査周期の緩和は全く不適切である。この規制緩和を見直し、少なくとも緩和前の基準に戻すことが必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

六 自然災害で被災した鉄道事業者の路線復旧に対する国庫補助については、現在、鉄道軌道整備法第八条第四項において「その資力のみによつては当該災害復旧事業を施行することが著しく困難であると認めるとき」に限って国庫補助を行うことができるとされており、事実上、JR各社を含む黒字鉄道事業者に対しては国庫補助の道が閉ざされている。一方、二〇一一年七月の「新潟・福島豪雨」以来一部区間が運休したままになっているJR只見線(福島県)について、地元からは復旧への強い要望が出ており、今年七月には、自民党国会議員連盟が只見線復旧に対する国庫補助の道を開くため鉄道軌道整備法の改正を目指す方針を確認するなど、政権与党内部からも法改正への動きがみられる。

 国鉄改革関連法案が審議されていた参議院日本国有鉄道改革に関する特別委員会において、一九八六年十一月二十八日、「各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の輸送の安全の確保及び災害の防止のための施設の整備・維持、水害・雪害等による災害復旧に必要な資金の確保について特別の配慮を行うこと」を含む附帯決議が可決されるとともに、当時の橋本龍太郎運輸大臣、葉梨信行自治大臣が決議の趣旨を尊重する旨表明している。国民の公共交通としての国鉄を引き継いだJR各社線の災害復旧に国が責任を持つことは、国会からの要請であると同時に、国民の基本的人権の一つである交通権を確保する見地からも必要不可欠のものである。

 東日本大震災という未曾有の大災害により、東北地方のローカル線の多くが被災しており、いまだ復旧に至らない路線もある。資金力を有するJR各社であっても、災害の規模によっては復旧費の捻出が困難な状況が起こり得ることを示している。国民の交通権を確保するため、基幹交通であるJR各社の災害復旧には、鉄道事業者の経営状態にかかわらず国による資金拠出の道を開くため、鉄道軌道整備法の改正が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

七 リニア中央新幹線の建設については、今年六月五日、国土交通大臣宛てに提出された「中央新幹線(東京都・名古屋市間)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見」(以下「環境大臣意見」という。)において「本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を、最大限、回避、低減するとしても、なお、相当な環境負荷が生じることは否めない」、「本事業のほとんどの区間はトンネルで通過することとなっているが、多くの水系を横切ることとなることから、地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い」として懸念が示されている。国土交通省は、環境大臣意見を踏まえた対応にJR東海が万全を期しているとは言えない中で、なぜこのような拙速な認可をしたのか。

八 JR東海は、リニア中央新幹線建設費として九兆円を見込んでいるが、東海道新幹線建設の際も、当初、千九百七十二億円と試算されていた建設費は、一九六三年三月になって二千九百二十六億円に上方修正されている。最近の石油・資材価格及び職人の人件費の高騰に鑑みれば、リニア中央新幹線の建設費も高騰が予想される。リニア中央新幹線の建設費について、JR東海が試算した九兆円に収まると考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

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会計検査院、鉄道施設の保守について、JR北海道、四国に再び「意見表示」

2014-11-02 22:51:44 | 鉄道・公共交通/安全問題
会計検査院が、鉄道施設の維持管理について、JR北海道・四国を検査した結果、社内規定通りの点検が行われていない等の実態があったことから、2012年に引き続き、この2社に意見表示を行ったことが明らかになった。

<各種報道>
レール異常164カ所放置 JR北海道 検査院が改善要請(北海道新聞)

JR保線不備 安全面の総点検が急務(北海道新聞社説)

<会計検査院が行った意見表示の内容>(会計検査院ホームページより)

●会計検査院法第36条の規定による意見表示~「鉄道施設の維持管理について」

JR北海道関係
JR四国関係

会計検査院は、「国が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計」を「必要と認めるとき」に検査することができる(会計検査院法による)。JR北海道・四国・九州は、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が全株式を保有しており、その鉄道・運輸機構は国が出資しているから、会計検査院はJR北海道・四国・九州の会計を検査することができる。

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【管理人よりお知らせ】リニア問題に関する資料をアップしました。

2014-11-01 20:30:43 | 鉄道・公共交通/交通政策
管理人よりお知らせです。

安全問題研究会サイト内に「リニア中央新幹線問題」コーナーを作りました。10月17日に開かれた院内集会の資料のほか、リニア問題に関するメディア報道などを掲載しています。

また、リンク集も更新し、リニア問題や公共事業問題に取り組んでいる各市民団体等のサイトにリンクをしました。

失われた20年を挟んで、自民党政権復活後、あれほど批判された政・官・業(ゼネコンなどの建設業界)による「鉄のトライアングル」も復活しており、公共事業批判は再び日本でタブーになりつつあります。再び「公共事業ばらまき批判」を強めるとともに、「コンクリートから人へ」の動きを大きな潮流にしなければなりません。

今後当分の間、JR関係では北海道の安全問題と並んで、リニアが大きな争点になります。当ブログと安全問題研究会でも、リニア問題を重点課題として取り組んでいく計画です。

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