人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

関西~四国3泊4日の旅(2日目)~四国の未乗車区間に乗る

2022-04-30 23:47:50 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
2日目。岡山市内のホテルで起床。朝から快晴だ。

ホテルのチェックイン時にフロントに確認すると「日祝ダイヤのため、7:22岡山発の列車に間に合う形で市電が動いているかは、保証できません」といわれた。面倒になったのでフロントにお願いし、タクシーを7時ちょうどにホテル玄関に着けてもらうことにした。年齢を重ねた上、病気もして若い頃のように何でも体力任せにはできない。その分、少しだけ「お金で解決」しなければならない部分が増えるのは仕方がないと割り切ることにした。悔しいが、今後は身体の「老い」と上手く付き合っていくことが必要だ。

岡山7:22発「しおかぜ1号」で出発。四国に渡り、松山からは「宇和海9号」に乗り換え宇和島へ。「宇和海9号」は、未乗車区間だった予讃線(向井原~内子、新谷~伊予大洲)、内子線を経由する。居眠りしないよう、確実にこれらの線区の通過を確認。ついにJR四国の全線完乗が成った。

<動画>2022.4.30 瀬戸大橋線特急しおかぜ1号(瀬戸大橋区間ノーカット)


はるか昔の学生時代に、全国全線完乗の計画を立てたとき、考えたのが「時間のある学生時代に、難しいところを先に攻略しておくべき」ということだった。このため、向井原~伊予大洲の区間は普通列車しか走っていない伊予長浜経由を2009年に先に乗車しておいた。中央本線・岡谷~塩尻の区間も、普通列車しか走らず攻略が難しそうな辰野経由を学生時代に先に乗車し、忙しくなる社会人時代に備え、特急列車で簡単に走破できるみどり湖経由を後回しにすることにした。この戦略が、今ここに来て功を奏している。学生時代の判断に誤りはなかったと思う。

宇和島で少し早めの昼食を摂ろうとするものの、コロナ禍もあってめぼしい飲食店が見つからない。コンビニで食料を調達し、予土線~土佐くろしお鉄道中村線を経由する窪川行き4816Dに乗車。週末とあって、子どもたちが入れ代わり立ち代わり、運転席横に立って前面を見る姿がほほえましい。こんな光景を目にするのもずいぶん久しぶりのような気がする。

<写真>予土線に実在する駅名 過去にはこんなツアーが組まれたことも


<写真>窪川駅で撮影した予土線キハ32系(ウルトラマンデザイン車両)


<写真>キハ32系と「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」が並ぶ


<写真>自動販売機にまで列車名


<写真>土佐くろしお鉄道中村線の列車


14:23に窪川着。ここでは「あしずり12号」(15:51発)まで1時間半も空く。遅めの昼食、留守電対応、ショートメール返信など処理しつつ、15:13発臨時特急「志国土佐 時代(とき)の夜明けのものがたり」の発車を見る。この列車に乗りたかったが、途中駅で「あしずり12号」に追い抜かれるため、見送った。それにしても、JR九州・四国は最近、列車愛称が「キラキラネーム」化しているように思う。みどりの窓口で「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」○枚なんて言いたくないし、第一、覚えられない。個人的には、こんな長い列車名が指定席特急券の券面にどう記載されるかは、見てみたい気もするが……。

空腹も満たし、「あしずり12号」に乗車。高知まではすでに乗車済みで、今回再び全線を乗る必要はなく、伊野で下車。未乗車のとさでん交通に乗ることにする。とさでん交通伊野駅は、地図で事前に確認していたがJR伊野駅から徒歩で5分とかからない。念のため、乗り継ぎを40分後の列車として旅行計画を立てておいたが、とさでん交通伊野停留所まで行ってみると、まさに伊野線電車が発車するところだったので乗り込む。まず無理と思っていた乗り継ぎに成功。トラブル続きだった昨日と打って変わり、この日は事前計画より順調に来ている。

とさでん交通伊野線は、伊野~朝倉が非自動閉塞式。続行運転を行うため、ラッシュ時間帯限定で非自動閉塞に切り替える区間は、長崎電軌などに例があるが、終日非自動閉塞で運行されている区間は、今はここだけのようだ。女性運転士が朝倉駅で通票を駅員に渡すと、駅員が対向列車の運転士に直接それを渡す。1閉塞区間であることを考えると、鉄道でいうスタフ閉塞式に当たる。なお、伊野~朝倉での非自動閉塞については、個人サイトだがこちらに詳しい(なお、リンク先サイト(「通票よんかく」さん)では伊野~朝倉間の運転方式を「通票式」と記載しているが、これはスタフ閉塞式のことである)。

朝倉を過ぎても、鏡川橋までは単線区間。ここからようやく複線化する。約1時間で高知市内一の繁華街、はりまや橋に到着。はりまや橋~桟橋通五丁目まで乗り通し、折り返し高知駅前まで乗る。漫画家・やなせたかし氏の出身地らしく、この区間の車両はアンパンマンがデザインされていた。

<写真>とさでん交通600形(アンパンマンデザイン車両)


高知市内のホテルにチェックイン。伊野電停で予定より早い車両に乗り継げた分、チェックインも計画より早くなった。トラブル続きだった前日と対照的で、順調すぎて怖くなる。明日、計画通りに行けば、とさでん交通も全線完乗できる。ホテルでゆっくり休み、明日に備える。

【完乗達成】予讃線、内子線

なお、これによりJR四国は会社としても全線完乗となった。

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関西~四国3泊4日の旅(1日目)~ダイヤ乱れでトラブル続き!

2022-04-29 23:15:53 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
このブログに旅の記録を書くのなんて、何年ぶりになるだろう。おそらく10年くらい書いていないのではないだろうか。

福島原発事故が起きて以来、それどころではなかったし、2016年には胃がんの手術を受け、またJR北海道が本格的に路線廃止に乗り出したため、のんきに旅行などしている状況ではなかった。その上にコロナ禍と続いた。たまに1泊2日程度の旅行に出かけることはあったものの、ほとんどがドライブで、当ブログに書けるような鉄道メインで数泊を伴う大型旅行は、5年ぶりになると思う。

とはいえ、昔みたいに旅行の行程を細かに書き綴るようなことは、現状ではできそうもない。そこで、概略を示すにとどめたいと思っている。

旅行に出るきっかけは、4月29日、兵庫県尼崎市で開催された「ノーモア尼崎事故!生命と安全を守る集会」で講演をする必要があったためである(講演に使った資料は後日掲載予定)。講演依頼を受けたときは、集会終了後まっすぐ帰る予定にしていたが、阿佐海岸鉄道でDMVの運転が始まったことを思い出し、ぜひ乗っておきたいと考えた。何しろDMVは、最初に開発を手がけたのがJR北海道だが、資金難でお蔵入りになったものだ。日高本線が災害で不通になった後、どこで聞きつけてきたのか、「DMVという乗り物があるらしい。JRが災害復旧をしないなら、不通区間を道路で迂回してでも復旧させたい」と沿線のある町長から相談を受けた経緯もある。結局、日高本線は大部分が廃線となり思いは実らなかったが、こうした経緯がある乗り物だけに、実物をどうしても見ておきたかった。

もう1つの目的は、JR四国を全線完乗にすること。相次ぐ自然災害とコロナ禍で、全線完乗活動から遠ざかって久しいが、あきらめたわけではない。久しぶりに、現時点での未乗車区間を示しておく。

【北海道】なし(完乗達成)
【東日本】北陸新幹線(長野~上越妙高)、仙石線(松島~高城町、陸前大塚~陸前小野)、吾妻線(岩島~長野原草津口)、中央本線(岡谷~塩尻(みどり湖経由))
【東海】なし(完乗達成)
【西日本】北陸新幹線(上越妙高~金沢)
【四国】予讃線(向井原~内子、新谷~伊予大洲)、内子線
【九州】肥薩線(人吉~隼人)、吉都線、日南線、指宿枕崎線

四国内の未乗車区間に全部乗り、DMVにも乗ろうと思うと、結局、四国を反時計回りにほぼ1周することになる。ここまで長い距離を乗るなら「四国フリーきっぷ」がよさそうに思えた。実際、通常運賃と事前に比較してみた結果、ほとんど変わらなかった。特急に乗るたび、いちいち特急券を買い足す煩雑さも考え、四国フリーきっぷを選んだ。その結果、四国入りの経路は往復とも瀬戸大橋線となった。

4/29は「ノーモア尼崎事故」集会終了後、新幹線で新大阪から岡山へ移動。北陸地方の強風のため、ダイヤは大幅に乱れ、運転本数も減少。尼崎駅でまさかの17分待ち(千歳線でも日中は12分間隔なので、まさか関西で北海道より長く待つとは思っていなかった)。その上、新幹線の自由席は満席でデッキに立って移動となった。指定席はガラガラだったので、直前に旅を思い立った人が多いのだろう。

泊まる予定のホテルは岡山駅から少し離れているが、市電があるからいいと思って予約した。だが結局、この乱れのせいで岡山市電の終電に間に合わず、岡山駅からホテルまで仕方なくタクシーを利用する。早くもトラブル続きで、明日以降の困難を覚悟した。

(サムネイル画像は、岡山駅で見かけたキハ47系。国鉄色に塗り直しているが、旧国鉄時代を知る当ブログ管理人は微妙な違和感が……なぜならこの系列はこの色ではなかったし(車体全面に朱色1号が正しい)、この色にするなら別の系列(キハ28・58系、キハ66・67系など)にすべきだろう。)

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レイバーネットTV第168号 : 11年目のフクシマ〜若者を襲った健康被害

2022-04-25 22:20:43 | 原発問題/一般
福島で、原発事故当時6~16歳だった6人が、甲状腺がんは原発事故が原因であるとして、東京電力に損害賠償を求める訴訟を起こした。4月20日に放送されたレイバーネットTV第168号では、この問題を取り上げている。原告の1人もZOOMを通じて出演しているので、ぜひご覧いただきたいと思う。

以下、レイバーネット日本より転載

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 4月20日のレイバーネットTVは、「11年目のフクシマ〜若者を襲った健康被害」と題して放送した。「直ちに健康に影響はありません」という会見から11年たった今、福島でどんな影響が出ているのか。この1月、小児甲状腺がんの若者6人が、東電を相手に裁判を起こした。大手メディアは大きく取り上げようとしない中で、何としてもこの裁判に注目してほしいと思い、特集を企画した。

 ゲストとして、OurPlanet-TV代表の白石草さん(写真)に登場してもらった。白石さんは3・11後、子どもたちに軸足を定めて福島を取材し、チェルノブイリ事故から28年目の子どもたちの映像をつくったこともある。原発事故後に生まれた子どもたちが学ぶ教室で、健康に問題のない子どもは一人もいないことが衝撃的だった。小児甲状腺がんだけが原発事故との因果関係を認められている病気で、日本ではすでに300人近くの子どもに甲状腺がんが見つかっているのだが、「過剰診断説」などを持ち出して、福島には健康被害はないと言い続けている。白石さんのおかげで、原告の若者、ゆうたさんにもオンラインで出演してもらえることになった。

 また、今回は少しユニークな試みとして、絵本作家の鈴木邦弘さんにも登場してもらった。彼は福島を自分の足で歩き、そこでみたもの感じたことを絵で伝えるアーティストだ。いぬとおじさんが描かれるほのぼのした画風だが、福島の人たちの悲しみと、鈴木さんの怒りが怖いくらいに伝わってくる。国が進める「復興」とは何か。絵と共に伝えてもらうことが出来た。

 健康問題に触れることは、とても難しい。私自身、避難者の人たちから、がん、突然死する若者、異常出産などの話を聞くことはあったが、福島県内では、健康異常について話をすることは許されない。「不安を煽るな」と言われたり、健康に関する話を引き出すこと自体が人権侵害だという人もいる。それでなくても、そこに暮らす人達にとって、不安や緊張を維持することは難しい。取材するのはどれほど困難だっただろう。その困難なテーマに白石さんは向き合い続け、声を上げた若者たちを全力で支えている。実際に話を伺い、本当に勇気づけられた。

 白石さんの話の中で衝撃的だったのは、大人でも動揺するガン告知を、10代が「落ち着いて」受けとめているということだった。「自分は死ぬかもしれない」という不条理に直面しても、言葉や感情を封印している人があまりに多い。「何も問題はありません」という国の見解を福島の大人たちが支え、それを見た子どもたちは親たちを困らせないように振舞っている。ゆうたさんも「もう終わったものだと割り切っていた」という。でも心の中ではモヤモヤしたものがずっとあって、白石たちと出会うことで、自分の病気と向き合うようになったと話してくれた。子ども裁判は、国に因果関係を認めさせるということだけではない、福島の子どもたちが言葉を取り戻していくための重要な場になるのだと、強く思った。

 裁判というと「子どもに言わせるなんてかわいそう」という人がいるかもしれない。でも、何が子どもを守ることなのか。白石さんが最初に「おかしい」と思ったのは「放射能被害は煙草の害よりも低い」という見解を聞いた時だったという。ちょっと待ってくれ、大人は平気で吸っているけれど、子どもにとっては一本の煙草でも致命的でしょうと。ところがこの国では、大人と子どもを同じものとして扱い、大人が大丈夫なのだから子どもだって大丈夫という考え方が許容されているのだ。これは異常なことではないだろうか。

 ガンで闘病中の山口正紀さんの感想が温かかった。「当事者にだけ語らせ続ければいいのではない」という鈴木さんが決意も、本当に同感だ。スタジオ全体が子どもたちを孤立させてはいけないという空気に包まれたのが嬉しかった。多くの人に放送を見てもらいたい。異論も含めて、オープンに語れる社会を目指したいと思う。

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〇『通販生活』最新号(2022年夏号・350円)に、『小児甲状腺がんはいま』の特集で、原告六人の話と、白石草さんの文章が載っています。より詳しいことがわかります。ぜひ読んでみてください。

〇「311子ども甲状腺がん裁判」の詳細は、ウェブサイトをご覧ください。

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レイバーネットTV第168号 : 11年目のフクシマ〜若者を襲った健康被害

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【転載記事】「海洋放出は安全」チラシが全国に 菊池福島県教組副委員長に聞く

2022-04-22 21:19:04 | 原発問題/一般
「海洋放出は安全」チラシを全国の学校で配布(レイバーネット日本)

政府(経産省、復興庁)は、全国の小、中、高等学校に福島第一原発汚染水の海洋放出を後押しするチラシを昨年12月におろした。この問題について、菊池福島県教組副委員長がインタビューに答えている。福島で進むとんでもないデマ宣伝の実態を知っていただきたいと思う。

「海洋放出は安全」チラシが全国に 菊池福島県教組副委員長に聞く

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【管理人よりお知らせ】ウクライナの一部の地名について

2022-04-10 18:06:24 | 運営方針・お知らせ
管理人よりお知らせです。

ウクライナの首都キエフ及びチェルノブイリ原発について、日本政府がロシア語からウクライナ語表記への変更を行ったのに合わせ、多くのメディアが「キーウ」「チョルノービリ原発」へ名称を変更しています。日本共産党機関紙「赤旗」ですら変更に応じています。

外務省は4月上旬までは名称変更の予定はないと説明していました。それが、ここに来ての急な変更は自民党外交部会からの「圧力」によるものとしか考えられません。予算も必要でなく、日本がウクライナ陣営に立っていることを示すことができる「最も安上がりな対ウクライナ協力」としての効果を狙っているのだと思います。

せっかく福島原発事故の「風評被害」も収まりつつあるタイミングでチェルノブイリ原発に注目が集まり、多くの人がチェルノブイリから福島を連想してしまう事態を苦々しく思っていた原発推進勢力にとって、チェルノブイリ原発事故から世間の目をそらす上でもウクライナ語表記への変更が「好都合」に違いありません。

当ブログは、こうした原発推進勢力の思惑とは距離を置きたいと思います。福島原発事故をきっかけに、チェルノブイリ事故と、それがウクライナやベラルーシに与えた影響について調査・研究してきた当ブログにとっては、過去との連続性を維持することが大切だと考えるからです。このため、当ブログでは、しばらくは名称を変更せず、旧来の名称「キエフ」「チェルノブイリ」の表現を引き続き使用したいと思います。どうしても必要な場合は、これら従来の地名表記を基本とし、「キエフ(キーウ)」「チェルノブイリ(チョルノービリ)原発」のようにウクライナ語を併記する形を取ることにします。

当ブログ管理人は、ロシアが行った軍事力による一方的な現状変更を戦争犯罪とする立場で一貫しています。当然ながら、これらの措置が、当ブログとしてロシア支持を表明するものでないことは、改めて強調しておきたいと思います。



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プーチン氏が病気治療か、甲状腺がん専門家が別荘に出入り…露メディア報道

2022-04-02 23:34:50 | その他社会・時事
プーチン氏が病気治療か、甲状腺がん専門家が別荘に出入り…露メディア報道

驚くべきニュースが飛び込んできた。情報の真偽が現段階では明らかではないが、ロシアのような独裁的・情報統制的な国家では、このような情報が表に出ること自体が「帝国の終わりの始まり」を告げるものであることが多い。とりわけそれが世界の運命を狂わせた指導者に関するものであればなおさらである。

政敵を葬り去りたいとき、病気でもないのに病気をでっち上げ、強制入院させて辞任せざるを得ないように仕向ける手法は、古今東西問わず常套手段としてしばしば歴史上に登場してきた。

ちなみに、甲状腺がんというと、放射線被ばくを思い出す人が、とりわけ当ブログの読者には多いかもしれない。プーチン大統領の甲状腺がんが事実だとして、それがチェルノブイリ原発事故と影響があるかどうかは何とも言えない。甲状腺がんは、加齢に伴って発生率が上がることが知られており、ロシア人男性としてはすでに平均寿命を超えているプーチン大統領の場合、放射線被ばくの影響がなくても発生して何らおかしくないからである。

チェルノブイリや福島での甲状腺がんは、18歳以下の若年層では、通常100万人に1人程度の発生率であるものが、20万人の検査で300人近くも発生しているから問題とされているのであり、高年齢層では発生率が幾分増えたとしても、それが放射線被ばくに由来するかどうかの見極めは、実はきわめて難しい。

それはともかく、平均寿命が68歳といわれるロシア人男性にとって、プーチン大統領の69歳は平均年齢を超えており、日本で言えば80歳を超えた二階俊博前自民党幹事長や麻生太郎自民党副総裁が首相になるようなものだといえば、日本人にもその危険性が理解されると思う。プーチン大統領もそろそろ「引き際」を考えるときだろう。

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