人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

昨夜の巨大地震について

2015-05-31 06:20:15 | 気象・地震
5月30日20時24分頃の小笠原諸島沖の地震について(気象庁報道発表)

震源から1000km以上離れた日本本土でも、首都圏を中心に震度5強~5弱の揺れを感じた。超高層ビルでは長期振動の影響でエレベーターが停止し、長時間にわたって閉じ込められた人もいた模様だ。

地震の規模はM8.5。9.0だった東日本大震災には及ばないが、地震のエネルギーは、M7.2だった阪神大震災の30倍以上という超巨大地震だった。震源の深さは590km。当ブログがこれまで20年以上、地震データを見続けてきた中では1、2を争う深い場所で起きたものだ。被害がこの程度ですんだのは震源がきわめて深かったためである。もし、ここ数年続いてきた浅い場所(震源深さが10~50km程度)でこの規模の地震だったら、間違いなく首都圏は壊滅し、日本は終わっていた。

震源は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界よりやや西のフィリピン海プレート内部。今、当ブログ管理人は出先に滞在中でデータを持ち合わせていないが、ここしばらく、このエリアでは巨大地震は起きておらず、地殻のストレスはかなり溜まっているものと思われる。

この地震の揺れがかなり広い範囲(日本列島のほぼ全域)に及んだことについて、昨夜あたりから「異常震域」なる報道がされているが、この現象はこんな特殊な用語を持ち出さなくても説明できる。地震の揺れは、震源から逆円錐形のように広がりながら地表に伝わる。それだけに、震源が深ければ深いほど揺れは広範囲に及ぶことになる。逆にいえば、広範囲で揺れを観測したという事実から、震源が深い場所であることの推定が早い段階で成り立つ(もちろんその逆も)。地震に関するミニ知識として頭に入れておくのも悪くない。

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口之永良部島・新岳が噴火

2015-05-29 23:30:54 | 気象・地震
5月29日に発生した口永良部の噴火活動について-口永良部島に噴火警戒レベル5(避難)の特別警報を発表-(気象庁報道発表)

口永良部島、新岳が突然の大噴火、島民が全員避難に追い込まれた。とりあえずは犠牲者が出なくて何よりだったが、思い出したのは、やはり噴火で島民が全員避難に追い込まれた三宅島のことだ。三宅島では、有害な火山ガスのため、島民が島に戻るまで数年かかった。

いずれにせよ、3・11以降の日本列島はそれまでと異なり、火山噴火が連続発生する新たな時代に入ったという自覚を全員が持たなければならない。どこのどの火山がいつ噴火してもまったくおかしくない。

毎日新聞の報道によると、口永良部島は、日本周辺で火山が集中する火山フロント上に位置している。今後火山フロント上に位置する他の火山についても注意すべきだと思う。

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「橋下劇場」、ついに終焉~「民意」に葬り去られた稀代のポピュリスト

2015-05-28 22:49:47 | その他社会・時事
(当エントリは、当ブログ管理人が月刊誌「地域と労働運動」2015年6月号に発表した原稿をそのまま掲載しています。)

 政令指定都市としての大阪市を解体、新たに5つの「特別区」を設けるとともに、特別区から権限を吸い上げ新「大阪府」に委譲することを目指した「大阪都構想」。その是非を問う大阪市の住民投票で、反対がわずかに賛成を上回り、都構想は否決された。賛否いずれが上回っても、その結果は法的拘束力を持つ。「負けたら市長を辞める」とみずから退路を断ち、この投票に臨んだ橋下徹・大阪市長は政界引退を表明。今年12月の任期満了後は次の市長選に出馬せず、引退することを明らかにした。

 得票は、賛成が69万4844票、反対が70万5585票。その差はわずか0.8%であることから、都構想推進勢力からは、橋下市長の辞任は不要との声も聞かれる。だが、これまで大阪府知事、大阪市長として「たとえ1票差でも勝ちは勝ち」として、反対意見に耳を貸さず、やりたい放題をやってきたのが橋下氏だった。そんな橋下氏が「負けるときだけは僅差だから関係ない」というわけにはいかず、引退表明は当然と言える。

 橋下市長と「都構想」の敗因については、すでにインターネットを中心にさまざまな論評が出ているが、「最も住民の近くで公共サービスを行う基礎自治体・大阪市の解体再編によって住民サービスが低下する」という都構想反対派の主張が差し迫った現実的問題として有権者の心を強く捉えた、というところにある。大阪市民以外にとってはなじみのない「都構想」だが、『自治権の拡大を求める住民投票というのは世界各地で行われているが、自分から自治権の縮小を申し出る住民投票というのは稀』(京都弁護士会所属の渡辺輝人弁護士)という論評もそれなりに核心を突いている。実際、橋下市長と維新の党がモデルとした東京都を見ると、例えば世田谷区は人口87万人で政令指定都市レベルにあるにもかかわらず、特別区であるため消防や水道といった基礎的な住民サービスの権能すら持っていない(消防は東京消防庁、水道事業は都水道局が実施)。人口96万人の千葉市が政令指定都市として、都道府県並みの権限を持っているのと比べるとその差は明らかだ。

 都構想は、大まかにいえば大阪市を世田谷区のようにしようというものであった。そこに住民が「自治体の公共サービスが低下する」という危惧を抱くのは当然であった。

 ◎露わになった「南北格差」~貧困層の反乱

 橋下市長の敗北が明らかになった17日の深夜からさまざまに行われた論評の中で、ひときわ話題になったのが、30代の若手評論家・古谷経衡(つねひら)氏による「大阪都構想住民投票で浮き彫りになった大阪の南北格差問題」と題するものであった。大阪市各区の中で、賛成多数となった区、反対多数となった区を色分けしたところ、衝撃的な結果となったのである。

 本誌はカラー刷りでないため判別しにくいが〔この記事ではカラー図を掲載〕、淀川区、福島区、西区、浪速区、中央区、東成区を境として、これ以北に位置する区はすべて賛成多数(例外として旭区のみ反対多数)、これよりも南に位置する区はすべて反対多数というように、南北でくっきりと賛否が分かれたのである。


大阪都構想への賛否は南北でくっきりと分かれた(北部=旭区を除き賛成、南部=反対)<作成:古谷経衡氏>

 この「南北格差」については、全体として賛否の差が0.8%という僅差に収まっている中では強調するほどのものではない、と論評する向きもある。しかし本稿筆者は、そうした僅差だからこそ、この違いが住民投票全体の結果に大きな影響を与えるとともに、大阪の「今」をも余すところなく示したと思う。再開発が進み、東京にも引けを取らないほど高層ビルが建ち並ぶ北部に対し、狭い路地に昭和時代そのままの雑多な店舗がひしめき合う南部。その経済格差は明らかで、都構想が実現し「基礎自治体」としての大阪市が住民サービスの権限を奪い取られた場合、生活保護受給者への締め付け強化などを通じて、しわ寄せが貧しい南部を直撃しかねなかった。それだけに、今回の都構想「挫折」は、やや大げさに言えば大阪市における「貧困層の反乱」によってもたらされたというべきだろう。

 ◎「シルバーデモクラシー」は本当か

 ところで、今回の「都構想」の敗因を「シルバーデモクラシー」(高齢者民主主義)に求める意見が、特に若者層を中心に多く出されている。年代層別の投票結果分析において、60歳代以下の世代ではすべて賛成多数であったにもかかわらず、70歳以上の圧倒的反対で結果が覆されたことをその根拠にしているが、特に若年層に利用者が多いインターネットではこうした言説の受けがいいため、シルバーデモクラシー説が多数意見のように拡散している実態がある。

 だが、こうした言説も正しいとは言えない。70歳以上の世代においても反対が多数であるものの、賛否は拮抗しているからだ。大阪市において、40代以下の総人口に占める割合は46%との調査結果もあり、必ずしも人口高齢化が極限に達しているわけではない。投票結果が一見「シルバーデモクラシー」のように思えたとしても、それは若年層になるほど投票率が低くなっていることでおおむね説明がつく。若手代表を自認する「論客」が、自分と同年代の投票率の低さを棚に上げ、自分の思い通りにならなかった投票結果を高齢者のせいにするのは間違っている。

 それに、たとえシルバーデモクラシーを裏付けるようなデータが得られたとして、そのことの何が問題なのか。確かに、余生の短い高齢者にとって、長期的視点から見た「公益」より短期的視点から見た「私益」を投票行動の基準とすることは合理的である。しかし、選挙は誰しも自分の利益を最大にしてくれる人を選ぶものだ。会社の社長に言われたからと自民党に投票し、あるいは労働組合の役員に言われたからと民主党に投票する中年世代と「私益」追求という意味では同じであり、ことさら高齢者だけが批判されるいわれはない。自分では別の勢力に投票したいと思っているのに、社長に言われたからと自民党に投票している現役世代の方が、自分の政治的意思を抑圧してまで安倍自民「独裁」を助けているという意味では何倍も悪質である。

 むしろ、リタイアして年金生活に入り、一切の経済活動から切り離された高齢者には、会社の社長が自民党へ投票依頼をしてくることも、労働組合が民主党への投票を依頼してくることもない。あらゆる利害関係から中立でいられる高齢者こそ、自分が望んでいる政党、候補者にしがらみなく投票できるという意味で、最も「民意」を反映していると言えるのではないだろうか。高齢者民主主義も、若者に目の敵にされるほど悪いことばかりではないのである。

 ◎勝ったのに「お通夜会見」の自民府連

 今回の「都構想」住民投票では、敗北した橋下市長が吹っ切れたかのような表情で記者会見していたのと対照的に、自民党大阪府連の記者会見が、勝ったにもかかわらず「お通夜」状態だったのが印象的だった。

 今回の住民投票は、橋下市長みずから「大阪に今、必要なのは独裁」「改憲国民投票への予行演習」と放言、改憲を目指す安倍政権が都構想実現後の連携を見越してなりふり構わず橋下市長に秋波を送る中で行われた。安倍政権が橋下市長に暗黙の(といえないほど露骨な)支持を表明する中で、あえて中央に反旗を翻した自民党大阪府連は、共産党議員と一緒の選挙カーで反対演説。「呉越同舟」、また太平洋戦争時の中国における抗日戦線「国共合作」をもじって「自共合作」と呼ばれるほど、こちらもなりふり構わぬ反対運動を展開した。都構想否決は自分たちの望んだ通りの結果であったはずなのに、笑顔ひとつない柳本幹事長はじめ、自民党大阪府連のこの会見は何を意味しているのだろうか。

 やはり、彼らは知っていたのだろう。自民党本部と首相官邸が橋下市長支持であり、都構想可決後の「改憲連合」目指して動いていることを。共産党と一緒の選挙カーで「呉越同舟」の反対運動を展開しながら、彼らはどこかで都構想の可決を信じ、投票終了後は見せかけだけの「処分」によって党本部と手打ちをした上で、一緒に改憲になだれ込もうと考えていたのだと思う。投票結果がそのような暗黙のシナリオを大きく狂わせるものとなったからこそ、彼らは青ざめた表情で会見せざるを得なかったのだ。

 ◎維新と改憲連合に打撃、さあ反撃だ

 橋下市長みずから退路を断ち、負けたら辞めると公言して臨んだ住民投票で、橋下維新は敗れた。彼自身が認めるように、この住民投票は単なる一自治体の再編のあり方を問う存在から大きく飛躍し、改憲国民投票の予行演習としての意味づけを与えられたものになっていた。そこでの敗北は、自公プラス維新による改憲連合の形成目指していた安倍官邸にも打撃を与え、そのシナリオを大きく狂わせるものとなった。現状では、自公に維新を合わせても参議院では改憲発議に必要な3分の2に達しない。2016年度の改憲国民投票を目指し、運動方針にまでその目標を書き込んだ自民党も、改憲発議ができないとなれば戦略の基本的見直しを迫られる。

 今後は、改憲発議に必要な3分の2を確保するため、橋下市長引退後の維新「分裂」を起爆剤にした民主党内改憲派との「大連合」の動きが出てくるのではないかと筆者は予測する。こうした動きに引き続き警戒をしなければならないが、オリンピックを奇貨としたさらなる東京一極集中と地方の衰退、貧富の格差の拡大、戦争政策と原発再稼働をめぐる動きはもはや耐えがたいところまで来ている。貧困層の多くが集中する大阪市南部で「貧者の反乱」が起きたように、私たちに勝機はある。安倍政権の目指す道は、戦争と貧困、そして破滅へとつながっている。「この道ではない、別の道」を目指し、それぞれが自分の持ち場から反撃の声を上げよう。

 私たちは超人になる必要はない。すぐに結果につながらなくても、あきらめず、全員が毎日少しずつ、平和で豊かな未来という名の花の種をまき、水をやることが大切だ。そうして水やりを続ければ、ある日、花は一斉に開く。大阪都構想住民投票の勝利と沖縄県民大会成功の喜びがこだました2015年5月17日から私たちが学び取らなければならないのは、そのような教訓である。

(黒鉄好・2015年5月22日)

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最近の地震について

2015-05-25 23:14:33 | 気象・地震
ここ最近、また地震発生のペースが上がってきた。当ブログが解説記事を書こうとしても追いつかない状況なので、ここでまとめて触れることにする。

平成27年5月22日22時28分頃の奄美大島近海の地震について(気象庁報道発表)

まずは22日夜、奄美大島近海で起きた地震だが、震度5弱と、地表の揺れは大きかったものの、地震の規模はM5.1と日本周辺地域では大きい方ではない。この規模の地震なら毎月数回は起きているレベルである。直下型で浅い場所での地震であることが特徴だ。

ただ、この地震も注意すべき点がある。震源が、この地震もまたユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界付近であることだ。すでに繰り返し述べているが、この2つのプレートの境界は南海トラフも構成している。このところ、この2つのプレート境界で中規模以上の地震が相次いでいるのは、かなり憂慮すべき事態だろう。

発生が懸念されている南海トラフ大地震は、当ブログはまだもう少し先の話だろうと思っていた。だが、最近の状況を見ていると、当ブログのこれまでの推定よりはかなり早まることになると思う。当然ながら具体的な時期は明示できるはずもないが、東京オリンピック関係者はそれも含めた準備をすべきだろう。

平成27年5月25日14時28分頃の埼玉県北部の地震について(気象庁報道発表)

そして、今日の昼、首都圏を大揺れさせた地震。

こちらも、奄美大島と同様、地表の揺れは大きかったものの、地震の規模はM5.5であり、大規模ではない。直下型で浅い場所での地震であることが地表の揺れを大きくしたケースである。場所は北米プレート内部。もともと地震がそれほど多くない場所だけにこの規模の地震でも目立つという面があることは否定できない。

震源、発震機構などの情報から見て単独地震のように見えるが、首都圏は地震に対して脆弱であることもあり、余震に警戒を怠らないようにしてほしい。

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TPP交渉中止を求め市民、国会議員らが提訴

2015-05-19 21:38:14 | その他社会・時事
TPP 交渉中止求め提訴 山田元農相ら(日本農業新聞)

日本のTPP交渉への参加の中止を求めて、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の1063名が原告となって東京地裁に提訴した。原告には山田正彦・元農相、山本太郎参院議員ら国会議員も加わっている。

なお、当ブログ管理人もこの訴訟に原告のひとりとして参加している。訴訟に当たって提出した「陳述書」の内容を以下、ご紹介する。

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 私は、鉄道ファンとして、これまで、鉄道を初めとする公共交通機関の安全問題に重大な関心を持ってきました。とりわけ、2005年のJR福知山線脱線事故では、原因調査などを通じて、速度照査型自動列車停止装置(ATS)の不備などの実態が見えてきました。

 公共交通機関で安全性が確保されるためには、各国政府がその国の公共交通の発展の歴史、投入されている技術の水準や内容などの実情に応じて、その国にふさわしい適切な安全基準や規制を確立し、適切に実施する必要があります。例えば、ATSの作動方式や条件などは、国ごとにそれぞれ異なります。

 ところが、TPP参加によりISD条項が適用されるようになった場合、このような各国の実情に応じた安全規制までが、多国籍企業により「非関税貿易障壁である」として訴えられる恐れがあります。公共交通に関する安全規制も、国際間で合意を得た最小限のものしか実施できなくなります。

 このような事態になった場合、TPP加盟各国では、社会の実情に合わない安全基準の下で、公共交通機関の事故が続発し、安心・安全な社会が根こそぎ崩壊することになるでしょう。

 私は、このような理由から、日本のTPP参加に強く反対を表明します。

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信楽高原鉄道列車事故から24年

2015-05-16 20:39:09 | 鉄道・公共交通/安全問題
遺族会代表のなり手なく、事故の風化懸念 信楽高原鉄道列車事故から24年(産経)

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 死者42人を出した信楽高原鉄道とJR西日本の列車衝突事故から丸24年を迎えた14日、滋賀県甲賀市信楽町黄瀬の事故現場近くでは今年も追悼法要が営まれたが、遺族があいさつに立つ姿はみられなかった。

 遺族会の代表者が不在のためで、世話人代表を長年務めた吉崎俊三さん(81)は事故の風化を懸念しつつ、「遺族が参列しなくなっても、鉄道事業者は法要を続けてほしい」と話していた。

 健康面などを理由に、昨年の法要を最後に遺族会の世話人代表を退いた吉崎さん。「代表を務めていた頃は、事故調査委員会や鉄道事業者との対応などで忙しさに気を取られていた。辞めてからは、事故で妻がいなくなったつらさを改めて感じる」とこぼした。

 今年の法要は参列のみにとどめ、法要でのあいさつなど表には立たないようにしていた。それでも、詰めかけた報道陣から思いを尋ねられ、遺族会の代表者の引き受け手がいないことや、事故を語る遺族がいなくなることへの危機感を訴えた。

 今回参列した遺族は11人だったが、吉崎さんを含めて高齢者ばかり。吉崎さんは以前、遺族の子供や孫の世代にも参列を呼びかけたが、応じる遺族はなかった。「わざわざここへ来なくても、地元で供養できるのだろう。だが、この事故現場へ来てこそ、事故の悲惨さを認識できるのに」と話す。

 こうした状況から、吉崎さんは、遺族の参列がなくても法要を継続するよう、同鉄道やJR西に要請。両社とも「事故を二度と起こさないという誓いのため、続けていく」と回答している。

 吉崎さんも、体が動く間は参列を続ける考えで、「何としても事故を風化させたくない」との思いを強くしている。
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信楽高原鉄道事故:列車衝突24年 「事故なく走り続けて」 甲賀で追悼法要、遺族ら安全へ誓い新た(毎日)

 42人が死亡したJR西日本と信楽高原鉄道(SKR)の列車衝突事故から14日で24年。甲賀市の事故現場近くの慰霊碑前では追悼法要が開かれ、約120人が安全への誓いを新たにした。【村瀬優子、竹下理子】

 法要に参列した事故の遺族は6家族11人。妻を亡くした吉崎俊三さん(81)=兵庫県宝塚市=は、SKRが昨年11月に台風被害から1年2カ月ぶりに復旧したことを受け、「事故のない安全な鉄道として走り続けてほしい」と話した。吉崎さんは事故の遺族らでつくる「鉄道安全推進会議(TASK)」の会長を昨年引退しており、「事故があってから、がむしゃらに活動してきて、気が紛れていた。これからは家内がいないことの寂しさが募る」と語った。

 法要で、SKRの正木仙治郎社長は「安全確保の徹底を図り、健全経営のもとで未来に向かって走り続ける鉄道として地域に貢献できるよう努力を重ねていく」と誓った。また、JR西の真鍋精志社長は「安全の取り組みに終わりはない。たゆまぬ努力を続けていく」と述べた。

 一方、昨夏に就任した三日月大造知事も参列。自身は以前、JR西の運転士をしており、現在、TASKの会員だという。「SKRの存続や安全に、より力を入れないといけない。事故の教訓を忘れないためにも、風化させない取り組みを大事にしていきたい」と抱負を述べた。
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信楽高原鉄道事故から24年を迎えた。昨年、遺族会の文字通り中心だった吉崎さんが、80歳になったこともひとつの契機として遺族代表を離れた。年齢を考えるとやむを得ないといえるが、問題は次の代表を務める人物がいないことだ。

事故から24年も経っているから、遺族代表のなり手がいなくても仕方ないとは、当ブログは思いたくない。この事故より前に起きた日航機事故の遺族たちが、子供の世代へ慰霊登山をきちんと引き継いでいるからである。信楽事故の遺族会が、ほとんどのことを吉崎さんひとりに任せきりにしていたことと大いに関係があるだろう。

信楽高原鉄道が、水害による長期不通から脱し、開通にこぎつけたことは喜ばしいと思う。昨年の慰霊祭は列車の汽笛が聞こえない中で行われ、このまま廃線になるのではという不安が地元にもあったからだ。この復旧もまた、上下分離のひとつの成功例といえる。

三日月知事が慰霊祭に出席したこともよいニュースだと思う。あまり知られていないが、三日月知事は元JR社員で、西日本旅客鉄道労働組合(JR西日本労組)出身だ。国鉄時代「御用組合」と言われた鉄道労働組合(鉄労)を母体としており、JR西日本労組は信楽、尼崎のJR西「2大事故」でもほとんど動きらしい動きをしなかった。JR西日本労働者の8割以上を組織する最大組合として、JR西日本労組がもっと一生懸命安全問題に取り組んでいたら、尼崎事故はなかったかもしれない。

そのことを思うと、せめて三日月知事は、安全問題に取り組めなかった過去の自分自身の罪滅ぼしとして、慰霊祭には今後も万難を排して出席してほしい。

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今朝の地震について

2015-05-13 21:28:43 | その他社会・時事
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第76報)-平成27年5月13日06時13分頃の宮城県沖の地震-(気象庁報道発表)

報道発表を見る限りでは、M6.8、震源深さは46km、発震機構(地震のメカニズム)は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)。最近の地震で一番近いものを挙げよ、と言われれば、今年2月17日の地震(報道発表)だろう。今回の地震の方が震源が深いことを除けば、よく似ている。気象庁は、東日本大震災の余震と捉えており、当ブログとしても特段コメントすることはない。

ところで、この地震では、北海道に住んでいる私の家でも携帯の緊急地震速報が鳴った。緊急地震速報は、最大震度5弱以上が予想される場合に、震度4以上が予想される地域に出される。今回、北海道は渡島半島の一部を除いて対象外だったはずだが、職場で話をしたところ、私以外の人の中にも鳴った人が大勢いた。発表地域ではないはずの私の地域で、なぜ緊急地震速報が鳴ったのかはわからない。

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【管理人よりお知らせ】北海道新得町で「さよなら原発!新得集会」が開催されます

2015-05-12 22:27:35 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

5月16日(土)に、「福島原発事故から4年! チェルノブイリ原発事故から29年! 許すな!泊原発再稼働、大間原発建設 さよなら原発!新得集会」が新得町で開催されます。自作の紙芝居で原発の危険性を訴えている斉藤武一さん(泊原発廃炉訴訟原告団長、岩内原発問題研究会会長)が「目に見えない汚染と泊原発」と題した講演を行います。ぜひご参加ください。

と き:5月16日(土)14:00~
ところ:新得町公民館・中ホール
主 催:さよなら原発!新得会/新得平和運動フォーラム

資料代として500円が必要です。詳しくはチラシ(サムネイル参照)をご覧ください。

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ローソン、原発事故避難者を採用へ

2015-05-08 23:02:52 | 原発問題/一般
東日本大震災の県外避難者を対象とした就労分野での生活再建支援を実施します(ローソンニュースリリース)

大手コンビニチェーンのローソンが原発事故の避難者を店舗などで雇用する「支援」に乗り出す。国の指示で避難した人の他、自主避難者も含む。避難先で仕事をすることも、帰還後の福島で仕事をすることも可能という。『多くの県外避難者は「帰還」するか「定住」するかの判断が困難な状況にあるため、安定した雇用の確保が難しく、生活再建を進めるうえでの障害となっています。…今回の取り組みを通じ、県外避難者の生活再建を支援してまいります』としている。

原発事故避難者に対し、大手企業がこうした取り組みをするのはおそらく初めてのことではないだろうか。実際、当ブログ管理人が多くの避難者と接し、声を聞いてきた限りでも、避難者(特に自主避難者)が避難先で最も苦労していることのひとつが「仕事」だった。「まじめに働きますからぜひ採用を」と避難者が面接でお願いしても、「どうせあなた方はすぐに福島に帰るんでしょ」と言われ、採用されないとの声を多くの避難者から聞いた。本人たちは覚悟をもって、あえて福島から遠い西日本に避難しているのに、どこの企業の面接でも「すぐに福島に帰る人は採用できない」と言われ、仕事が見つからないまま生活が困窮、やがて本当に福島に帰らざるを得なくなるという気の毒なケースすら、いくつも当ブログは見聞きしてきた。

原発事故から4年以上経った、今この時期になってこのような支援策が発表された背景には、こうした企業側の懸念がある程度時の経過とともに払拭されたことがあると思う。「4年間避難先で頑張ってきた人たちは、もう今さら福島には帰らないだろう」と企業側が考えられるようになった。実際、当ブログとも交流のある福島県内から札幌市への自主避難者の方で言えば、避難時に小学校4年生だった娘さんが来年は高校受験を迎える。「娘は北海道の高校に進学する予定であり、もう福島に帰るつもりはない」という。

4年というのはそれほど大きな時の流れなのだ。いつまでも避難者でいることはできず、避難先での定住か帰還かの決断をすべき時期に来ている。ローソンの支援策は、定住でも帰還でも支援するという点で、帰還一辺倒の国・県の硬直した政策よりも柔軟さを持っている。

これに加え、ここ数年来、運輸・サービス業を中心に続いている深刻な人手不足も背景にある。外食、運輸、販売など、従来から労働条件が悪く「ブラック産業」とされていた業界を中心に、人手不足は深刻化しており、東京都内では今、時給1000円でもこれら産業がアルバイトを集めることは困難になっている。人手不足は一時的現象ではなく、労働集約型産業を担ってきた若者が少子高齢化で減り続けるという長期的なトレンドは今後も加速こそすれ、緩和することは見込めない。人手不足にあえぐ販売業界と、切実に仕事を求める避難者の間で、ある意味では「利害が一致」した結果とも言えるだろう。

なお、このニュースについては、大型連休中の5月3日の段階で、朝日新聞が他メディアに先駆け報じている(参考記事)が、報道が朝日1社であったことから、ローソンのサイトで正式に発表されるまで当ブログでの論評は差し控えてきた。朝日新聞は、過去「女性国際戦犯法廷」をめぐる一連の報道や、いわゆる「吉田調書」問題に見られるように誤報も多い。あらかじめ描いたストーリーに合うように、先入観を持って取材をする記者が他社に比べて多いことがこうした誤報の背景にある。今後とも当ブログでは、できる限り複数の情報源による確認を行うよう努めていく(特に朝日、産経、福島民報は危険であり、情報源がこれらのうち1紙だけである場合は無理をせず、論評を見送ることもあり得る)。

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【管理人よりお知らせ】ノーモア尼崎事故! 5.9集会が開催されます

2015-05-05 22:00:10 | 鉄道・公共交通/安全問題
管理人よりお知らせです。

例年、4月第4土曜日に開催している「ノーモア尼崎事故! 生命と安全を考える集会」は、今年は統一地方選の影響で延期されていましたが、いよいよ5月9日に、尼崎市内で開催されます。

今年は、尼崎事故から10年の節目の年ですが、特に「節目」を意識した内容はなく、セウォル号事故など、最近、公共交通の事故が相次ぐ韓国からゲストとして韓国鉄道労組代表団2名をお招きして、『分割・民営化に反対し、公共鉄道を死守する韓国鉄道労組の闘い』と題した講演を行っていただきます。

これ以外には、例年通り、JR西日本の現場実態に関する現役労働者からの報告、尼崎事故遺族の訴え、事故裁判の今後の見通しに関する報告が行われます。

と き:2015年5月9日(土)14:00~
ところ:尼崎市立小田公民館

会場、時間は例年通りですが、今年は、集会終了後、韓国鉄道労組ゲストとの交流会が予定されています。詳細はチラシ(サムネイル参照)をご覧ください。

なお、当ブログ管理人は、地元・北海道での某集会にコメンテーターとして参加しなければならないため、上記の集会には参加できません。関西地区で興味のある方々のご参加をお願いします。

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