気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)頃のお稽古場

2023-03-14 13:53:25 | お稽古
七十二候「菜虫化蝶」なむしちょうとなる
青虫が紋白蝶になる頃
連綿と続き、1272回目の東大寺二月堂「修二会」も
12日はクライマックス
11人の練行衆が一回り大きな籠松明(60㎏)を伴い上堂され
  毎日新聞より

深夜には閼伽井屋(若狭井)からのお水取り
お香水が十一面観音さんに奉納されましたね

奈良に春を呼ぶと言われる「修二会・お水取り」
15日に満行を迎えます

これから蝶が飛び交う季節のはずが・・・
奈良では桜が散る頃の陽気が続いていました

東京では今日14日午後二時に開花の発表が・・・
2020年と2021年に続き統計史上、最も早い記録に並び
地球温暖化による異常気象でしょうか?

さて先日のお稽古の主菓子は「糊こぼし
日の丸盆に散らすと ウワ-ツと歓声が
ゆり根の白、安穏芋の黄色、食紅で染めた白餡
美味しくでき、喜んでいただきました
  

東大寺開山堂内に咲く糊こぼし椿(良弁椿)が由来とされ
南隣の四月堂の縁側にそっと水盤に浮かんでいるはず?

玄関では、いただいた煤のついた修二会の糊こぼし
ご本尊・十一面観音さんの周りを飾ざる造花の糊こぼし
せっせと練行衆が試別火でつくられたもの
  

清水公照 童子の扇面も
  

お水取り、お雛様のお稽古場も
そろそろおしまい
稽古場を華やかにしてくれたお雛様も
昨日片付けを

さて今週末には彼岸の入り、さらに利休忌と続きますね

「牡丹餅」「菜の花金団」を
作りたいと考えてますが
さて・・・
稽古場でのお楽しみに

このように季節は刻刻過ぎて
お菓子も季節で顔が変わっていきます
和菓子の成書を見ながら考えるのも愉しい
そうなんです
日本の主菓子は同じ素材でありながら
季節でどんどん変化し、又その季節になると
お目にかかります。そこが和菓子の醍醐味ですね

春の陽が降り注ぐ小庭では「金魚葉椿」が咲き出しました
  

遅咲きの「天津乙女椿」「源氏車椿」も蕾が膨らんでおり
待ち望んだ春、駆け足でやってきているようですね

蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)候 釣り釜の季節

2023-03-07 19:58:11 | お稽古
釣釜を出すと春風がやって来る
   

今日は「啓蟄」、冬ごもりの生き物たちが姿を現す

先日、奈良在住の私にとって近くて遠い滋賀県の大津市
かつては故郷富山への2カ月に一度の帰省
40年ほど前は、深夜の湖西を走り
北陸道が完成すれば、湖東の名神高速から見下ろし
必ず通る地域なんですが・・・
父母が亡くなれば、一年に二度になっている

今回、琵琶湖ホールでのオペラ鑑賞の機会があり 
思い切って「びわ湖大津プリンスホテル」に一泊
   

そして翌日は、瀬田の唐橋から旧161号を北上すれば
琵琶湖の南湖を時計回り、琵琶湖大橋を渡り
  

近江八幡にも足を伸ばし、八幡堀から城跡を仰ぎ見て
話題の「ラコリ-ナ近江八幡」へ
  

ランチは「オムライスとカステラ」と
  

バームクーヘンを購入し
  

湖岸道路「さざなみ街道」で瀬田川まで周遊すれば
 江戸後期の浮世絵師「歌川広重」によって描かれた錦絵による
名所絵の「近江八景」を見ることになりました
  
瀬田の唐橋を出発点として、
瀬田の唐橋から湖西を北に走り   (瀬田夕照)
粟津原を右に見て北上       (粟津晴嵐)
三井寺を左に仰ぎ         (三井晩鐘)
唐崎神社を右に通り過ぎ      (唐崎夜雨)
満月寺浮御堂で車を降り拝観    (堅田落雁)
雪をかぶった比良山系を仰ぎながら (比良暮雪)

ラコリーナからの帰路は近江八幡水郷巡りの舟を横目に
琵琶湖大橋前を過ぎて、直ぐ右手の佐川美術館を・・・
矢橋帰帆島公園へを右に通り過ぎ  (矢橋帰帆)
再度瀬田の唐橋を渡り左折
石山寺の前を通り、一路奈良へ   (石山秋月)
近江八景を制覇

おみやげは、亀屋廣房の麩焼き煎餅「近江八景」
  

近江八景の焼印にさざなみをあらわす水色の砂糖がひいてあり
包装紙にその八景の絵と名称が描かれている
食べる前に湖上に浮かぶ風情も楽しみ
図柄の照らし合わせでもう一度楽しんで
香ばしくパリッとして口溶けのよい美味しい麩焼き
食べてさらに楽しむ
  【瀬田の夕照】
  

  【粟津の晴嵐】
  

  【三井の晩鐘】
   

  【唐崎の夜雨】
  

  【堅田の落雁】
  

  【比良の暮雪】
  

  【矢橋の帰帆】
  

  【三井の秋月】
  

早速、次の日お茶のお稽古で皆でワイワイ楽しく
近江八景のお勉強もして
釣り釜で初炭、濃茶、後炭、薄茶と

主菓子は「蕗の薹金団
  

その後「南都八景」を話題にすると
なんと奈良在住の人が知らないのです

室町時代の『蔭涼軒日録』にすでに記載されており
近江八景よりも古くから言われているようですが?
次回は南都八景のお話を

霞始めてたなびく候、東大寺では修二会

2023-02-28 23:05:47 | お稽古
雨水に入り霞始めてたなびく候
春霞がたなびくこの季節なのに・・・
今日28日の奈良は四月の陽気
  2/28

修二会の本行は3月1日からですが
その前から東大寺では
  平城京跡より

前年の12月16日(良弁僧正の命日)に翌年の修二会を勤める
練行衆と呼ばれる11名の僧侶が発表され
明けて・・・
2月10日ごろには、各自10日前から自坊などで隔離生活を
新入りの方は2月5日頃から入られたようです。

2月20日より、戒壇院別火坊に練行衆が集まられて
「別火(べっか)」と呼ばれる前行が始まる
2月28日午後3時には、練行衆は二月堂下の参篭所に
   二月堂↓
  多聞城跡より

2月は逃げる、早くも明日から本行となる
深夜1時には、二月堂へ上堂されて
   

   清水公照筆

松尾芭蕉が東大寺二月堂の修二会に訪れたのは1685年
その時に読んだ句が書籍によると
 二月堂に籠りて
「水取や氷の僧の沓の音」芭蕉
二月堂前の龍王之瀧にある句碑には
「水取や籠りの僧の沓の音」と刻まれている
  

300年以上前の事が、今も続く修二会のお蔭で
毎年話題になる
そういえば修二会の通称が「お水取り」と
なったのが芭蕉のこの句が始まりだそうです

2月後半のお稽古の主菓子は
「のりこぼし」
  

  

昨年、修二会の童子されてる方からいただいた
本物の「のりこぼし」を干支の兎といっしょに荘り
  

お水取り一色です

大炉もお終い、本日片付け候。

令和5年の大炉

2023-02-21 16:05:42 | お稽古
1月28日午後6時半に点火された「若草山焼き」
直前の雪で湿った芝、10%程度しか焼けず
平城京跡から枯れた芝の色だけの若草山
   
    平城京跡からの遠望2023.2.11

如月も残すとこ1週間、麓の東大寺では修二会
練行衆11名の方々が20日から戒壇院別火坊での
「試別火」に入られている
二十四節気「雨水」になるも今朝も雪が舞っている奈良

さて如月は裏千家だけの「大炉」のお点前ですね
「十一代玄々斎」が北国の囲炉裏から創案され
咄々斎の暖をとる為、次の間の六畳の間に
一尺八寸の大きな炉をお切りになったのがはじめと

炉縁は北山杉の木地、炉壇は淡路の鼠色の土
逆勝手を基本とし
その上、極寒の季節の大炉には
湯気がたっぷり上がる広蓋の釜がいいですね

我が家で大炉のお稽古を始めてかれこれ八年
2月だけの大炉は、何かとややこしい

逆勝手、広蓋のお点前となります
初炭手前では灰器を用いず、雪輪の向うに
湿し灰を盛り、灰さじを立てておきます
後炭手前では、炭斗を用いず、雪輪の向うに
輪胴、丸毬打、割毬打、丸管炭、割管炭、枝炭三本を組んで
炮烙に炭道具と湿し灰、練香を仕組みます

炭手前はとってもユニ-クで楽しいです
やっと大炉のお点前を楽しめるようになってきました
私も社中の皆さんも

二月の干菓子は「福豆」と
   

信州小布施の信濃落雁「方寸竹風堂
北海道富良野・美瑛産赤えんどうを培煎し超微粒に挽き
粉糖と水だけを加えて型にこめ、乾燥してできた干菓子 
   

さて今月如月、私の作ったお稽古の和菓子は
     升上庸   
    

     下萌え                 
   

     鶯餅
   

後半は何を作りましょう
楽しみにしていてくださいませ

初釜が終わり一息

2023-01-28 20:59:05 | お稽古
今朝、外を見ると雪景色
東の春日奥山、若草山(標高342m)もまたも雪に
今日28日は若草山焼きが開催されるのに・・・
湿った草が、燃え切らずにと心配ですね
    午前11時
     
小庭のベビ-ピンクの有楽椿も雪帽子をかぶって
可愛いく灰色の空を見上げている
雪景色は綺麗ですが、寒そう(写真撮り忘れ)

珍しく何も予定が入っておらず
大切な昨日、今日はお家でゆっくりと
朝食も慌てないでいただき 
考えない二日間にしてみました
この二日間、私は
大炉の準備が整い、お待ちしています
   

午後からの久しぶりの散歩
インフルエンザで急な学級閉鎖で預かった孫との
ランチに
縄跳びも

以前から気になっていたマイナポイント獲得
夫婦二人で、助け合いスマホでやり遂げました

さらにこんなかわいい「兎上庸」も作り
   

いただき物の「越中五郎丸」の「薄氷兎」の試食
   

虎屋」の干支羊羹も
   

京都『UCHU 』の『FRUITS YOKAN』も
   

いただいてみました。
雪見酒とはいきませんが、雪見茶で一服・・・

今日の夜は山焼き山焼きを見ながら一服・・・

我が家の二階から若草山がよく見えます
山焼きの前には花火
これは奈良では最大らしく
何時見ても花火はいい、心が現れる気がします
   

   

   

残念ながら山焼きは最初オレンジの火は見えたものの
消えてしまう
昨日から今朝までの雪で仕方がないですよね
           👇
   
   


続・令和五年癸卯初釜

2023-01-23 19:23:59 | お稽古
初釜は8日と15日、両日共に暖かい日和で迎える事ができました
迎えつけ後、席入りを
    

   

いよいよお客様と亭主の御対面
「初釜おめでとうございます」で始まります
この日を迎えることができた事に感謝・・・・
まずは初炭です
   

今年は先輩の言葉もあり、私が初炭、濃茶、後炭をして
    

   

水谷の方の一人に薄茶をしていただくことに
このような流れで初釜をすることに決め
懐石はコロナ以来、今年も「懐石かこむら」さんに
懐石弁当をお願いしました
   1/8

   1/15

一献差し上げます(無上盃、奈良豊澤酒造)

煮物椀だけをつくり「大根餅」に
   

さて初炭、懐石盆を引いた後、花びら餅を出しお席改めです
「花びら餅」は例年通り私の手作りです
コロナの事もあり菓子器は菓子椀を
    

白味噌と白餡、今年はゆり根餡も入れて味噌餡に   
   

「〇〇〇の和菓子屋さんより美味しい」とか
「和菓子屋ができるのでは」とか言われて
嬉しい事でした

迎えつけは銅鑼で」の優しい言葉で
「ありがとうございます、
     ことによりましては、そうさせていただきます」

お客様が腰掛待合へ移動されれば
軸を花に変え
    

茶入れを置き、炭、湯を確認し席中を清めます
   

お客様が落ち着いていらっしゃったら
銅鑼を「大・小・大・小・中中・大

後座の席入りです
八日はお客様が6人
御茶は重ね茶碗で2服、後4服は各服点

十五日はお客様が5人
各服点でそれぞれ一盌づつのお濃茶を

席中は暗く、茶盌は黒、真っ黒な丸の中で茶を練ります
「お服加減は」
「大変美味しくいただいております」
正客の返事にホットして各服点の茶碗を取りに
いつものお稽古とは違う本番です

後炭が始まり釜を上げると目に飛び込むオレンジ色の炭
席中の暗闇に客の目もオレンジ色に
炭の燃える色はこうも魅力的なのでしょうか
   

莨盆を出し
   

干菓子を運び薄茶を
    

干菓子は
西陣「塩芳軒」有平糖『千代結』
 千代結びは、結び目に終わりがない
 いつまでもよいご縁が続くように
高山「分離堂」麦落雁『和』
 平和な世界に願いを込め
   

宇治「中村藤吉」干支『兎菓子』
 宇治は飛鳥期に「菟道」と記され、地名が由来になったという
 一説もあるほど「うさぎ」とご縁の深い場所  
    


小さな干菓子にも思いがいっぱい 
薄茶席も終わり
ご挨拶に
お出ましいただいたこと、お招きいただいたことの御礼を述べ
正客は 「どうぞお見送りはご無用でございます」
亭主は黙って礼、襖を閉める
客はお席を出た後、席中に思いを馳、振り返る
亭主は客の閉めた戸を開け、お互いにもう一度『礼』
初釜終了

茶事は大変ですが、い-いですね

令和五年・癸卯の初釜

2023-01-17 11:29:48 | お稽古
  1.1.2023
令和四年『壬寅』の師走、大雪大荒れの日本列島となったが
令和五年『癸卯』の正月はどちらかと言えば暖かい穏やかな年の始め
凧が舞う平城京跡、東院庭園の隅楼上部、鳳凰も若草山を背景に光っていた
      1.1.2023平城京跡、東院庭園

さて過去二回の初釜はコロナ規制がかかっており
午前、午後に別れて、短時間の初釜に徹しておりましたが
今年はコロナ禍の中ではありますが、規制もゆるくなっていますので
久方ぶりに省略せず 
初座;初炭・懐石
後座;濃茶・後炭・薄茶
もちろん、人数制限、換気、黙食などなど気をつけて
二日に分けて行いました

待合は昨年話題となった実朝さんの歌
相生の袖に振れにし宿の竹・・・・・として
 
今年の御題は「友」それでこの軸を
因みに隣は今年の御題の虎屋の羊羹です
「野に歩む」だそうです。友と
そして玉置神社でいただいた神鈴を

玉置山1076mの山頂ちかくにある 
玉置神社は熊野三山の奥宮で紀元前37年に
崇神天皇により創建されたと伝える古社 
熊野奥駈道、山岳宗教の修行の場でもあります

本席軸は「松樹千年翠」、結び柳に松
炭の蓬莱荘り、訶梨勒、ヒカゲノカズラの蓬莱荘り
  
訶梨勒は、香りの良いカリロクという植物が入った
袋状のもので厄除けになります
めいいっぱい荘りました
いい年になりますように
地球が穏やかになりますように
初釜を迎える事ができてありがとう
沢山の気持ちを込めて

「御白湯お召し上がりの上腰掛待合へ」
 

迎えつけに参ります


師走初めの軸は『看々臘月尽』

2022-12-25 22:26:15 | お稽古

師走のお稽古は『看々臘月尽』を掛け一年を鑑みる

この軸に出会ったのは20代の頃
子育て真最中の私は歳を重ねる事に気にも留めず
 一年が過ぎ子供達が大きくなる事が
 唯々嬉しかったよう
40代の頃は軸の事がわかったような気が
 この軸を掛け師走に茶事をしたいと思うも
 未だその思いは叶えられていない
60代になりこの軸を掛けての茶事は難しい
 毎年12月に入ったら直ぐにかける
 そして睨めっこを
   

私にとりとっても大切な軸
12月始めに出し過ぎ去るこの一年を惜しむ

12月の菓子は
  「金団初霜」     「金団初雪」     「袴腰餅」
   

12月23日に奈良も初雪・・・ここではこれだけで
   

新春の準備も・・・・・
   


開炉、玄猪の祝いそして紅葉の霜月

2022-11-23 19:43:16 | お稽古
「楓蔦黄候(もみじつたきばむ)」11月2日頃
      

10月30日には炉の準備も終盤を迎え
風炉の道具から炉の道具入れ替え
これで一息できました

開炉にあたり「利休道歌」をふりかえると
冬の釜囲炉裏縁より六七分高く据えるぞ習いなりけり
姥口は囲炉裏縁より六七分低く据えるぞ習いなりけり
羽箒は風炉に右羽よ炉の時は左羽をば使ふとぞ知る
炉のうちは炭斗瓢柄の火箸陶器香合ねり香と知れ
客になり底取るならばいつにても囲炉裏の角を崩し尽くすな

開炉の時「瓢の炭斗」「織部の香合」「伊部の水指」
三べが揃うと縁起がよい?
茶人の遊び心、ごろ合わせとお聞きします
利休道歌によると、かつては炉のうちは
炭斗は『が常用ということですね

開炉はまずは初炭を
半年ぶりの炉の初炭は風炉と違い、炭も大きくなり
桑柄の火箸、羽箒は左羽、香合は陶器に練り香・・・
風炉と違って良く炭が熾ります

陰陽五行では亥は「水性の陰」として開炉に相応しい日
(火難を免れる)であるので亥の月、亥の日に炉を開きます
又、多産であるいのししにあやかり子孫繫栄を願いますが
水の卦、極陰に当たるので善哉や亥の子餅など陽のものを
皆でいただきお祝いをいたします
開炉では初炭の後は善哉です
温かいお善哉は皆さんの顔を笑顔にそして
身体、心まで暖めてくれますね
   小餅

五人揃った六日の日曜日、善哉をいただき
「三友之式」をいたしました
花を入れ、香を焚き、菓子付花月
   

『茶の湯には梅寒菊に黄葉み落ち青竹枯木あかつきの霜』

『茶の湯とはただ湯を沸かし茶をたてて
            飲むばかりなる事と知るべし』

何かと行事の多い霜月ですが
開炉に当たって利休道歌を振り返ってみる事も
大切ではないかと思いました

先日の18日午後3時頃、夫に誘われ笠置寺に紅葉狩りに
笠置山には巨岩が散在し、弥生時代からの信仰の地
その山頂付近に笠置寺があり、天智天王の皇子が彫られた
という伝説がある15mの「弥勒摩崖仏」がご本尊です
日本最大の摩崖仏ですが、1130年、1331年、1398年と
3度の戦乱などで焼失している
      
レーザー測量にて明らかになった像
      礼拝堂の正月堂内

この笠置寺には役行者や良弁和尚の名が・・・
そして実忠和尚が東大寺二月堂での現在も続く「お水取り」
の起源となる修二会を始められた
1193年には興福寺の解脱坊貞慶上人が入山され
笠置寺の隆盛期を迎えている
だが1331年元弘の乱で、後醍醐天皇が南朝の仮皇居にされ
半年ほどの戦乱のなかで、後醍醐天皇が詠まれた歌
うかりける 身を秋風に さそわれて
          思わぬ山の もみじをぞ見る
   行在所跡の歌碑

だが旧暦の1331年9月29日に全山焼亡となる

30年ほど前、笠置寺宝蔵坊跡に元弘戦600年を記念し
80本ほど植えられた「もみじ公園」です
静かで、ぐるりと紅葉のグラデ-ション、
天井は青空に紅葉
  

今度、是非是非、茶箱と茣蓙を携えてお薄一服いただきたい
  

風炉最後のお稽古は『炭付花月之式』と『濃茶付花月之式』を

2022-10-28 21:06:12 | お稽古
          円成寺浄土式庭園 2022.10.26
10月も後半に入り気温がグーッと下がり木々も色づき始め
むし暑かった夏が嘘みたいに爽やかな青空に

さて、茶道を学ぶ事は手前作法だけではなく精神面も大事な事とされ
両面の錬成を目標として七事式が作られたと教えていただきました

七事式は徳川中期に裏千家八代又玄斉一燈宗室宗匠は
兄である表千家如心斉天然宗左宗匠とともに
中国宋代の仏書(1125年完成)『碧巌録(へきがんろく)』の
 『七事随身』の精神を基に七事式を創定されました
            偈頌
七事とは 花月    互換機鋒看仔細
     且座    是法住法位
     廻り炭   端的底看聻 
     廻り花   色即是空凝思量即背
     茶カブキ 千古千今截断舌頭始可真美 
     一二三   修証即不無染汚不得 
     員茶      老倒疎慵無日 閑眠高臥対青山 

このように無学宗衍 の偈頌をあてはめ
禅機こそ精神的基調であるとされている

花月は七事式の中で最も変化に富み基本となる式
花月の偈頌「互換機鋒看仔細」とは
自分は客座に着いていても折据が回ってくれば
取り札により自席を立ち亭主となって
点前座につき点前を・・・・・・
このようにたえず座の動きを見極め
どのような変化があり運命が変わろうと動ずることなく
変化に応じて働きができるよう機鋒を仔細にみていなければ・・・

そこで風炉最後のお稽古は、平花月之式の次の段階に学ぶ式
といえる付物花月のひとつ「炭付き花月之式」「濃茶付花月之式」
を行いました

 秋明菊と水引        軸は豊作の喜び『寿楽』  
  

 お菓子は         青きな粉で作ったすはまの『枝豆』
 栗と安穏芋で『山苞』   琥珀糖の『お月様』 
  

花月の式も少しは楽しめるようになってきましたよね。