学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

美術館とLED

2011-12-07 20:30:44 | 仕事
今日の新聞夕刊にフランス・ルーヴル美術館の入口前にあるガラスのピラミッドが、発光ダイオード(LED)仕様のものに変わったとの記事がありました。(12月7日付日経)

LEDは東芝が手がけたそうで、世界でも有名な美術館の入口に日本の企業が関わっていることに何だか嬉しい感じがします。LEDの明るい光ならば、ガラスとうまく融合してルーヴルのピラミッドはダイヤモンドのような冴えた光になると思いますし、電力消費量も以前のタイプから73%もカットできるそう。

近年、日本の博物館・美術館においてもLED仕様が少しずつ導入されてきました。ネットで調べたところでは、宮城県仙台市の仙台市博物館、東京の根津美術館などがいち早く採用しているようです。LEDは電力消費量を抑えるだけではなく、熱や紫外線もほとんど出ません。(紫外線については紫外線LEDと紫外線カットLEDの2種類あります。博物館や美術館では紫外線カットLEDを採用するべきでしょう)従来のライトよりも、作品へのダメージが少なくなるために今後はさらに導入が進むものと思います。

当館はというと、LEDを導入したいけれども予算がない状態(泣)

予算ばかりはいかんともしがたいところですが、時代の流れとしていずれLED仕様になっていくのでしょう。LEDがより多く普及すれば市場の単価も落ちてくるはずなので、そのときに購入することに…なるかもしれません。予算があればの話ですが…。