群馬県は桐生の大川美術館へ行ってきました。ここは、水道山の中腹にある、眺めの良い美術館です。以前、ブログでも紹介しましたが、現在、「松本竣介 読書の時間」展を開催しています。
この松本竣介という洋画家は、東京の生まれですが、父の都合で少年から青年時代まで岩手県盛岡に居り、その経緯から彫刻家の舟越保武とも深い付き合いがありました。ゆえに、岩手県立美術館でも郷土の作家として松本竣介を扱い、私はそこで何遍も松本の作品を見ているせいか、彼は岩手県の作家であるという印象が強いのです。展覧会では、よく本を読んだという松本の蔵書を紹介しています。
松本は900冊近くの蔵書を有していたと云われますが、実際の会場に有るのはそのうちの数百冊。それらを一見するに、和洋問わず、小説、詩集、哲学、画集を持っていて、さらに殆どが近代の作家で占められていました。松本が特に愛した小説家は宮沢賢治だと云われ、もしかしたら岩手県が舞台となる、その世界観を通して、少年、青年時代を過ごした懐かしき郷里に想いを馳せていたのかもしれません。松本は本を大切に扱ったそうですが、ときどきペンで書き込みもしていて、展示もされていましたが、本と向き合う松本の息遣いが聞こえてくるようでした。
これらの本がどれだけ滋養となって、作品制作に反映されていったのでしょう。とても知ることはできないけれど、海外へ留学をしていない彼が日本で洋画を描くうえでのヨーロッパの精神性というものを本から学び得たのかもしれません。本を通して、作家の精神性に迫ろうとする企画はとても面白いものでした。
この松本竣介という洋画家は、東京の生まれですが、父の都合で少年から青年時代まで岩手県盛岡に居り、その経緯から彫刻家の舟越保武とも深い付き合いがありました。ゆえに、岩手県立美術館でも郷土の作家として松本竣介を扱い、私はそこで何遍も松本の作品を見ているせいか、彼は岩手県の作家であるという印象が強いのです。展覧会では、よく本を読んだという松本の蔵書を紹介しています。
松本は900冊近くの蔵書を有していたと云われますが、実際の会場に有るのはそのうちの数百冊。それらを一見するに、和洋問わず、小説、詩集、哲学、画集を持っていて、さらに殆どが近代の作家で占められていました。松本が特に愛した小説家は宮沢賢治だと云われ、もしかしたら岩手県が舞台となる、その世界観を通して、少年、青年時代を過ごした懐かしき郷里に想いを馳せていたのかもしれません。松本は本を大切に扱ったそうですが、ときどきペンで書き込みもしていて、展示もされていましたが、本と向き合う松本の息遣いが聞こえてくるようでした。
これらの本がどれだけ滋養となって、作品制作に反映されていったのでしょう。とても知ることはできないけれど、海外へ留学をしていない彼が日本で洋画を描くうえでのヨーロッパの精神性というものを本から学び得たのかもしれません。本を通して、作家の精神性に迫ろうとする企画はとても面白いものでした。