語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】ヘスペリジン ~ミカンの皮~

2017年12月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 ミカンの皮をよく洗ってから1週間ほど天日干しにして完全に水分を飛ばすと、「陳皮(ちんぴ)」になる。古くから漢方薬の素材として使われ、木綿袋などに包んで風呂に入れると香りで癒やされ、体が温まって冷え性が改善されるといわれてきた。
 体を温める作用の元になっているのは、ヘスペリジンという成分。ポリフェノールの一種で、温州ミカンなど、かんきつ系の果物の皮や白い筋にたくさん含まれている。
 ある研究では冷たい水の中に手を浸した後、体温が戻るまでにどれぐらいの時間がかかるのかをみたところ、ヘスペリジンを摂取していた人は末梢の血流量を正常に戻し、体温を維持する効果が高かったという。「ビタミンP」ともいわれ、ビタミンCの吸収率を高める働きも期待されている。
 ヘスペリジンは「モノグルコシルヘシペリジン」として特定保健用食品の関与成分に認められている。血中中性脂肪の低下作用や血液改善作用についての表示を許可されたサプリメントなどに含まれている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「ヘスペリジン ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年11月22日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【佐藤優】アナキズムという思考実験

2017年12月18日 | ●佐藤優
 ①柄谷行人『坂口安吾論』(インスクリプト 2,600円)
 ②一條三子『学童集団疎開』(岩波書店 2,400円)
 ③新垣毅『続沖縄の自己決定権 沖縄のアイデンティティー』(高文研 1,600円)

 (1)①を読むと、傑出した知識人である柄谷氏の独自の思考回路が見える。
 <安吾はガンディの無抵抗主義をもっと徹底させている。ガンディは、影響を受けたトルストイと同様に、共同体(社稷)に依拠するアナキストであった。しかし、それは結局ナショナリズムにまきこまれざるをえない。それに対して、安吾が提示するのは「家に代わる社会秩序」である。そして、このアナルシーこそ、「暴力に対する唯一の知的な方法」なのである>
 米国や北朝鮮などの国家による暴力を克服するためにも、もう一度、アナキズム(無政府主義)という思考実験をする必要があると思う。

 (2)②は、総力戦体制下における国家の論理を知るためにとても有益な作品だ。一條氏は次のように強調する。
 <学童疎開を追究していくと、総力戦体制における人間の存在価値は戦争遂行能力の有無や多寡によって決められる、という事実に突き当たる。そのこと自体は地域社会戦時体制論でも論証し得ることではあるが、戦争遂行能力を培うにもっとも土台となるのが教育であり、思想統制であるとするならば、学童疎開史が示唆するものは大きい>
 当時の国家は人道的観点から、学童を戦争現場から隔離したのではない。戦力を再生産するため、学童を最大限に活用することを考えたのだ。国家に頼っていては、子どもの身を守ることができないという状況は、現在も変わっていないと思う。

 (3)③を読むと、日本人とは異なる沖縄人という民族が形成過程にある現実が伝わってくる。
 <米軍の軍事的な政治戦略における沖縄認識は、1947年7月のマッカーサー連合国軍最高司令官の発言に端的に表れている。
 「琉球はわれわれの自然の国境だ。沖縄人が日本人でない以上、米国の沖縄占領に対して反対していることはないようだ」(中野好夫編『戦後沖縄資料』日本評論社)
 この発言から読み取れる重要なポイントは、米軍政下にある沖縄人は、日本人とは異なる民族であり、さらに琉球諸島は独自の文化圏、社会圏を有する地域であるとみなされている点である。しかもその認識が、対ソ的政治戦略における領土問題を正当化する論理として持ち出されている。この二重の論理によって、米国が沖縄を軍事基地化することが「必然化=自然化」され、あたかもそれが「沖縄の宿命」であるかのように語られている>
 と新垣氏は指摘する。しかし、「沖縄人が日本人でない」という認識は、当時も現在も日本の政治エリートの深層心理において共有されている。この心理にメスを入れないと沖縄問題は解決しない。

□佐藤優「アナキズムという思考実験 ~知を磨く読書 第228回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月23日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】


【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】健康食品を選ぶときのポイント

2017年12月17日 | 医療・保健・福祉・介護
 健康食品を買うとき、「濃縮パワー」とか「元気の源!」とかいった分かりやすいキャッチフレーズが目に付きがちだ。
 しかしそれでは、何が自分の健康にいいのかは分からない。商品パッケージなどのどの部分を確認したらいいのか、(一財)医療経済研究・社会保険福祉協会の発行する「知っておきたい健康食品の基礎知識・Q&A(健康食品手帳付け)」では、次のようにポイントを示す。
 まず、「原材料表示」は、具体的な物質名や抽出方法などが分かるかどうかを確認しよう。「○○抽出物」「××エキス」などと書かれているだけで、その商品に含まれている具体的な物質名がないものは好ましくない。
 例えば「ウコン抽出物」とだけしか表示されていなければ「どれくらいの量のウコン」「どのような抽出方法で」「何を抽出したのか」が分からない。これでは、その製品が有効か、安全かが分からない。
 ウコンの場合、アキウコン、ハルウコン、ムラサキウコンなどの種類があり、成分であるクルクミンの含有量には大きな違いがある。

□南雲つぐみ(医学ライター)「健康食品を選ぶとき ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月5日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【保健】対人過敏は早く老ける? ~遺伝子レベルに影響~

2017年12月17日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)ある転職サイトの調査によると、転職・退職理由の第1位は「人間関係」だそうだ。前職の経験から対人関係を過剰に意識してしまい、転職を繰り返してしまうケースも少なくないとか。

 (2)しかも先日、山形大学の研究グループから、対人関係に過敏な人は細胞レベルで「老けやすい」という研究結果が報告された。
 研究者らは健康な日本人159人(男性83人、女性76人、平均年齢42.3歳)を対象に対人関係感受性調査(IPSM)を実施。さらに染色体の末端にあるテロメアの長さを計測し、IPSMスコアとの関連を調べた。
 テロメアとは、染色体の末端にある染色体の「保護キャップ」構造のこと。細胞分裂のたびに短くなり、ある一定の長さ以下になると、それ以上細胞分裂ができない「細胞老化」の状態に陥る。個人差が大きく、同じ40代でも20代相当に長い人から80代並みに短い(つまり身体の老化が進んでいる)人まで様々だ。

 (3)先行研究ではテロメア長が減る原因として、心理的なストレスや生活習慣の影響が指摘されている。
  (a)ストレスホルモンが直接、テロメア長の回復を妨げる。
  (b)過食や喫煙、大量飲酒で慢性的な炎症が生じ、テロメアの短縮ペースが速まる。

 (4)今回の研究では、IPSMスコアが高い「対人過敏」ともいえる人は、有意にテロメア長が短いことが確認されている。特に、「臆病」な気質と強く関連することが判明した。
 IPSMは、
   ①対人意識/他人の言動や感情に過度に神経質
   ②分離不安/愛着がある人から離れることへの不安
   ③臆病さ/否定されることを恐れ自己主張できない
   ④内的ぜい弱性/自己肯定感が低く本音を出せない
 ・・・・という四つの側面が評価される。誰でも大なり小なり心当たりがあるだろう。

□井出ゆきえ(医学ライター)「対人過敏は早く老ける?/遺伝子レベルに影響 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.374~」(「週刊ダイヤモンド」2017年11月18日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【保健】慢性便秘に「考える人」 ~全国1,000万人のお悩みに~

【保健】ストレスでがんリスク上昇 ~ただし、男性に限る~
【保健】死亡率が最大5倍超に ~がん代替療法の選択で~
【保健】認知症と性格の関係 ~責任感は予防的に働く~
【保健】手洗い励行の季節 ~CDC推奨の方法は~
【保健】何を食べていましたか? ~認知良好な69~71歳の場合~
【保健】SNSに投稿した写真が鬱病診断の手がかりに?
【保健】もし妻が乳がんに罹患したら ~10月はピンクリボン月間~
【保健】ダイエット法の新説は最大18時間の絶食 ~朝・昼2食でBMI低下~
【保健】秋の登山でも水分補給を ~脱水係数で消費量を把握~
【保健】歯周病と全身疾患との関係
【保健】尿のpHで糖尿病の発症予測 ~酸性度が高いとリスクが上昇~
【保健】ビタミンB群の過剰摂取にご注意 ~男性の肺癌発症リスクが上昇~
【保健】長距離タイムは血液型しだいか ~影響は普段の練習に匹敵~
【保健】活動格差が肥満を招く ~72万人に対する調査で判明~
【保健】認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子
【保健】10代の望まない妊娠を防ぐ ~長期間効果がある避妊法を選択~
【保健】糖尿病網膜症リスクを軽減 ~26メッツ・時/週以上の運動~
【保健】ヒアリにどう対処する? ~アナフィラキシーに注意~
【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~
【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
【保健】だるいときほど階段昇降を ~カフェインより効果的~
【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
【保健】“ベンゾ系薬剤”に注意 ~常用量でも薬物依存を形成~
【保健】ギャンブル依存症ってなに? ~最新の定義は「プロセス依存」~
【保健】グルテンフリー食の功罪 ~結局、2型糖尿病に?~
【保健】アジア系2型糖尿病でも全がん死リスクが上昇
【保健】「男の更年期」改善効果に疑問符 ~テストステロン補充療法~
【保健】狩猟・採集民族のチマネの人々に学ぶ ~現代的な生活は健康リスク~
【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【野口悠起雄】神の問い掛けにこそ答える価値がある ~モンティ・ホール問題~

2017年12月16日 | ●野口悠紀雄
 (1)「モンティ・ホール問題」とは、三つの箱のどれにダイヤモンドが入っているかを当てるゲームだ。解答者は一つの箱を選ぶ。司会者はその後で、残りの箱のうち空の箱を一つ見せる。ここで解答者は選択を変えるべきか?

 (2)友人の一人、M君は論理を基に、直ちに「変えるべきだ」と正解を出した。
 このように鮮やかに解くことはできなくても、正解にたどり着くことはできる。この問題が「ベイズ統計学」の応用問題であると気付けば、「ベイズの定理」と呼ばれる公式に当てはめていけば、正しい答えを得ることができる。
 ベイズ統計学とは、「情報がない場合の事前確率を、得られた情報によって修正し、事後確率を得る」という考えに基づく統計学だ。伝統的な統計学では、「確率は実験で知られる」とされる。しかし、ベイズ統計学の立場からすると、確率判断は情報によって変わる。
 火星が望遠鏡でも小さくしか見えない時代に、「火星に生物がいる確率は2分の1」というのは、ベイズ統計学の立場では意味がある見解だ。そして、データが得られるたびに、確率判断を修正していく。

 (3)ここで指摘したいのは、ベイズ統計学の有用性ではない。知識の重要性だ。「知識に基づいて地道に公式に当てはめていけば、機械的に正解にたどり着ける場合もある」ということである。
 知識は、われわれが問題を解くときに助けになってくれる。天才的頭脳を持っていなくても、知識を持っていれば、愚直なやり方ではあっても、着実に問題を解決できる。同じことが、他の多くの問題について言える。
 生まれつき頭が良い人は、あまり勉強しなくても問題を解くことができる。彼らは成功する確率が高い。しかし、頭が良くないからといって、失望することはない。勉強して知識を増やせば、それに近い成果を挙げることができるのである。

 (4)他のアプローチはどうか?
 常識的な答えは、「選択を変えても変えなくても勝てる確立は同じ」ということだ。しかし、これでは面白くない。
 わざわざ問題を出しているからには、正解はこれとは違うものであるに違いない。つまり、正解は「選択を変えれば勝てる確率が上がる」ということだろう。「質問者は何らかの意図を持っているから、それを推し量ればよい」と考えるのである。
 「メカニズムを理解しないで正しい答えだけ出しても、それは本当に問題を解いたとはいえない」との意見があるだろう。しかし、その点で言えば、ベイズ統計学の援用も大同小異だ。機械的に公式に当てはめただけだ。

 (5)会社の中での生存競争を勝ち抜いてきた人たちのほとんどは、本能的に質問者の意図を推し量る。これは、多くの場合において、単なる「忖度」であり、処世術にすぎないであろう。しかし、そうした場合ばかりとはいえない。質問者の意図に、問題を解く鍵が潜んでいることもあり得るのだ。
 上で述べたケースは、その一例だ。問題を解く第一歩は、その問題を放棄せず、納得がいくまで考え続けることだ。質問者は、正解を仄めかし、それが正解である理由を考える価値があると示唆し、考え続けることを勧めているのである。

 (6)まとめれば、モンティ・ホール問題の正解にたどり着くのに、三つのアプローチがあったことになる。
  (a)頭の良さを活用して直ちに正解を得る方法。
  (b)愚直に公式に当てはめていく方法。
  (c)質問者の意図を推し量る方法。

 (7)「神はたくらみ深いが、悪意を持たない」
 (c)のアプローチでは成功しない場合もある。それは、質問者が特定の意図を持っていない場合だ。
 アインシュタインは、「神はたくらみ深いが、悪意を持たない(Raffiniert ist der Herrgott,aber boshaft ist Er nicht.)」と言った(この言葉は、プリンストン大学数学科ホールの大理石に刻まれている)。「悪意がない」とは、次のようなことだろう。
 神の質問は、幼子の質問と同じで、特定の意図を持っていない。いわば真空の中から発せられている。だから、質問者の意図を推し量ろうとしたり、背景を調査したりしなくてもよい。また、そうした方法を取っても、答えは得られない。

 (8)自然科学や数学の研究では、(7)の意味における神の質問に答えなければならない。だから、(c)の方法は、明らかに無効だ。(a)の方法を取れる天才が成功する確率が高いが、(b)の方法で愚直にアプローチしても、成功する可能性がある。
 現実の社会生活では、(c)の方法は、多くの場合に有効だ。組織の中で仕事をしている場合には、たぶん不可欠の方法だろう。
 しかし、そうした世界を生き抜いてきた人は、たとえ成功しても、(c)の方法だけに頼ることに、やがて満足できなくなるのではないだろうか? 悪意を持つ人間とのゲームでなく、悪意を持たない相手との勝負がしたくなる。
 トルストイの『戦争と平和』に登場するニコライ・ボルコンスキイ公爵(主人公の一人であるアンドレイ・ボルコンスキイの父親)は、領地「禿山」にこもって高等数学の研究に没頭している。そして、令嬢マリアに数学の勉強を強制する。
 彼は、宮廷生活が嫌になったのではなく、物足りなくなったに違いない。だから、たくらみ深く、そして悪意が存在しない対象を強く求めたのだ。
 事業でも同じだろう。(c)の方法で成功しても、それだけでは満足できないと、多くの成功者は考えるのではないか? 彼らが最終的に求めるのは、自然科学者や数学者と同じように、悪意のない質問に答えることではないだろうか?

□野口悠紀雄「神の問い掛けにこそ答える価値がある ~「超」整理日記No.886~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月23日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【野口悠起雄】事業の成功確率と文学 ~『アンナ・カレーニナ』に係る三つの法則~
【野口悠起雄】採掘者を採掘する ~金発見時の成功法則~
【野口悠起雄】中国とドイツが変身 ~日本が取り残される~
【野口悠起雄】危機に直面するのは英国よりEU ~英国のEU離脱~
【野口悠起雄】世界経済の不確実性は長期 ~英国のEU離脱~
【野口悠起雄】日米で経済情勢や政策に著しい違い ~アベノミクスの本質(3)~
【野口悠起雄】期待への働きかけは効果なし ~アベノミクスの本質(2)~
【野口悠起雄】為替と株の投機ゲーム ~アベノミクスの本質(1)~
【野口悠起雄】誰が負担するのか? ~マイナス金利のコスト~
【野口悠起雄】物価下落は実質賃金を上昇させる ~経済成長~
【経済】外国人投資家は株式から国債へ ~世界金融市場混乱(2)~
【経済】新年からの世界金融市場混乱の原因 ~「リスクオフ」~
【経済】軽減税率が突きつける諸問題(2) ~現存特例措置の見直し~
【経済】軽減税率が突きつける諸問題(1) ~現存特例措置~
【経済】企業の利益増加で賃金が減る ~理由と対策~
【経済】政策にみる安倍政権の思慮不足 ~「新しい3本の矢」~
【年金機構】の情報漏洩から学ぶこと(2) ~3つの疑問~
【年金機構】の情報漏洩から学ぶこと(1) ~経緯~
【経済】日本経済をドルの立場から再評価すると
【野口悠紀雄】マイナス成長から抜け出す手段 ~実質消費増大の方法~
【経済】今後、狙いと反対のことが起きる ~異次元緩和(2)~
【経済】期待を煽り資産価格のみを変化させた ~異次元緩和~
【ピケティ】の格差理論は日本でも当てはまるか(2) ~法人企業統計~
【ピケティ】の格差理論は日本でも当てはまるか ~GDP統計~
【経済】小企業や家計の赤字=大企業の利益 ~トリクルダウン(2)~
【経済】円安で小企業や家計は赤字 ~トリクルダウンはなぜ生じない?~
【経済】円安で貧乏になりゆく日本 ~スタグフレーション~
【政治】先の見通しを持たない新成長戦略 ~鎖国的政策~
【野口悠紀雄】仮想通貨が財政ファイナンスを阻止 ~経済政策と金融政策~
【野口悠紀雄】ビットコインが持つ経済価値はどの程度か?

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】葉酸の摂取

2017年12月16日 | 医療・保健・福祉・介護
 葉酸はナノハナ、シュンギク、ブロッコリーなどの緑色野菜やマメ、海藻などに含有するビタミンで、動物性ではレバーによく含まれている。水溶性で熱に弱く、加熱なしで食べるサラダや、納豆などで取れる。
 体内の腸内細菌によっても葉酸は合成されている。食べ物に含まれる葉酸と腸内細菌が合成した葉酸は一緒に吸収され、「テトラヒドロ葉酸」になって肝臓に蓄積される。この物質が、アミノ酸や細胞の中の「核酸」の代謝を助けるのだ。
 核酸はリボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)の総称で、まさに遺伝情報そのもの。細胞が新しく生まれ変わるのに欠かせない物質だ。葉酸が不足すると造血機能がうまく作用せず、正常な赤血球が造られずに貧血になりやすい。
 特に妊娠初期は、胎児の脳神経の生成に大量の葉酸が必要になる。また、お年寄りは、葉酸不足になるると食欲不振、口内炎、ヘモグロビン減少が起きやすい。最近では、誤嚥性肺炎を繰り返す人に血中の葉酸値が減っており、葉酸を補給することで改善したという報告がある。

□南雲つぐみ(医学ライター)「葉酸の摂取 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年11月30日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【保健】慢性便秘に「考える人」 ~全国1,000万人のお悩みに~

2017年12月15日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)高齢者の増加を背景に、今や慢性的な便秘に悩んでいる人は1,000万人を超えるらしい。
 本邦初の「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘「症」とは「排便回数の減少による腹痛、おなかの張り、硬便による排便困難、過度の怒責(いきむこと)、便排出障害で軟便でもなかなか出ない、残便感でトイレに何度も行く」などの自覚症状があり、検査や治療を必要とするもの、と定義される。
 「病的」な便秘と普通の便秘との違いが今一つはっきりしないが、セルフケアを試みても半年以上自覚症状が続くようなら、病院を受診したほうがいいだろう。

 (2)そのセルフケアの一つとしてぜひ取り入れてほしいのが、排便姿勢の改善だ。理想のうんこスタイルは「考える人」である。米クリーブランドクリニックで、「排便造影検査」を受ける人を対象に、いきむ姿勢を検討した成果だ。
 排便造影検査は、直腸からバリウムと小麦粉を混ぜた「疑似便」を入れ、排せつの様をレントゲン撮影するもの。ひどい便秘の原因を調べる際に行われる。
 検査中、「普通の姿勢」で排便できなかった22人(男性5人、女性17人、平均年齢56歳)に「考える人」スタイルで排便してもらい、「普通の姿勢」とで肛門と直腸の角度や恥骨筋の伸びを比較した。
 排便姿勢で一番大切なのは肛門-直腸角だ。直立状態での肛門-直腸角は、恥骨筋によって腸がおなか側に持ち上げられ、ほぼ90度を保っている。つまり便の通り道が出口直前で急カーブし、簡単には漏れない構造なのだ。
 一方、前傾姿勢をとると恥骨筋が背中側へ伸び、肛門-直腸角が120度以上に広がる。それで便がするっと通過できるわけだ。

 (3)実際に本研究でも、通常の座位より「考える人」で肛門-直腸角が広がり(113度vs.134度)、恥骨筋がしっかり伸びた。肝心の排便も、22人中11人が「すっきり」できたのである。
 つまるところ、和式トイレなら考えずともこの姿勢になるが、洋式では考える必要があるらしい。慢性便秘の方には一考に値する。

□井出ゆきえ(医学ライター)「慢性便秘に「考える人」/全国1000万人のお悩みに ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.376~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月2日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【保健】ストレスでがんリスク上昇 ~ただし、男性に限る~
【保健】死亡率が最大5倍超に ~がん代替療法の選択で~
【保健】認知症と性格の関係 ~責任感は予防的に働く~
【保健】手洗い励行の季節 ~CDC推奨の方法は~
【保健】何を食べていましたか? ~認知良好な69~71歳の場合~
【保健】SNSに投稿した写真が鬱病診断の手がかりに?
【保健】もし妻が乳がんに罹患したら ~10月はピンクリボン月間~
【保健】ダイエット法の新説は最大18時間の絶食 ~朝・昼2食でBMI低下~
【保健】秋の登山でも水分補給を ~脱水係数で消費量を把握~
【保健】歯周病と全身疾患との関係
【保健】尿のpHで糖尿病の発症予測 ~酸性度が高いとリスクが上昇~
【保健】ビタミンB群の過剰摂取にご注意 ~男性の肺癌発症リスクが上昇~
【保健】長距離タイムは血液型しだいか ~影響は普段の練習に匹敵~
【保健】活動格差が肥満を招く ~72万人に対する調査で判明~
【保健】認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子
【保健】10代の望まない妊娠を防ぐ ~長期間効果がある避妊法を選択~
【保健】糖尿病網膜症リスクを軽減 ~26メッツ・時/週以上の運動~
【保健】ヒアリにどう対処する? ~アナフィラキシーに注意~
【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~
【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
【保健】だるいときほど階段昇降を ~カフェインより効果的~
【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
【保健】“ベンゾ系薬剤”に注意 ~常用量でも薬物依存を形成~
【保健】ギャンブル依存症ってなに? ~最新の定義は「プロセス依存」~
【保健】グルテンフリー食の功罪 ~結局、2型糖尿病に?~
【保健】アジア系2型糖尿病でも全がん死リスクが上昇
【保健】「男の更年期」改善効果に疑問符 ~テストステロン補充療法~
【保健】狩猟・採集民族のチマネの人々に学ぶ ~現代的な生活は健康リスク~
【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【米国】独り勝ちのNetflixに作品を供給できない現状 ~「鎖国」日本~

2017年12月14日 | 社会
 (1)「プレミアムGYAO!」(日本の動画配信サービス)がサービスを終了する。乱立する動画配信サービスの中で、早くも淘汰が始まったのか。
 米Netflixが「独り勝ち」だ。それは、オリジナルドラマを世界に配信できるほか、世界中のコンテンツに投資をし、国境を越えて縦横無尽に配信できるという点だ。日本のコンテンツホルダーにも、Netflixが持つ世界的規模の配信網を利用する戦略を取るところが出てくるべきだ。
 Netflixの「おすすめ」の刑事・サスペンスドラマは、アイスランド、韓国、デンマークのにも英語の字幕が付いているため、その国の言葉が分からなくても、簡単に何話も見ることができる。
 韓国のドラマ「ストレンジャー(邦題:秘密の森)」は、俳優の演技力に着目したNetflixが、1話につき20万ドル(約2,250万円)を投資し、テレビ放送と同時に配信した。また、他の各国のドラマも、世界で最もお金が掛かった米国のドラマに遜色がない品質だった。見るに値するドラマは、今や世界に「無限」にある。

 (2)NetflixのヘイスティングスCEOは2016年1月、CESで190カ国へのサービス提供を発表し、「どこでもNetflix」を強調した
 2016年1月、リード・ヘイスティングス・Netflix最高経営責任者(CEO)は、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)に参加し、こう宣言した。
 「Netflixは、グローバル・ネットワーク・テレビになる」
 ほぼ2年前、コンテンツホルダーからの作品調達が困難になった場合のリスクを回避するため、オリジナル作品の制作に力を入れると発表した際の発言だ。権利問題や国内の法律の制約で、コンテンツが海外に出ていかない日本のテレビ局の関係者は、これを聞いて戦慄したのではないか。
 「私たちは世界のストーリーを、世界の人々に届けている。制作したドラマは、英語で制作されていないものまで、成功している。インターネットは、テレビを変貌させている」【同CEO】

 (3)コンテンツ面だけではない。インターネットにつながったテレビでは、ストリーミングでテレビ局が提供するニュースなども見られる。ただ、日本ほど通信速度が高速ではない米国のインターネット環境では、突然遅くなったり速くなったりすることがある。ところが、Netflixでは高画質の4Kコンテンツを見ていても、そういうことはない。動画配信のエンジニアリングに力を入れていることが分かる。
 現在、190カ国に1億人超の会員がいて、海外の会員数は、米国内の会員数を超えた。この「規模の経済」を生かしたコンテンツをなぜ、一部を除く日本のテレビ局や映画会社が提供できずにいるのか。各国のコンテンツが国境を越えている中、日本のコンテンツはいまだ「鎖国」状態だ。

□津山恵子(ニューヨーク在住ジャーナリスト)「独り勝ちのNetflixに作品を供給できない「鎖国」日本の現状」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月16日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
 
 【参考】
【欧州】欧州各国が進める脱石炭の時期 ~意見が割れるドイツ~
【アジア】難産の末「イレブン」がTPPチームを再結成 ~米国抜きでの勝算は?~
【中国】世銀ランキングが示す中国のビジネス環境鍵は「時間」の読み方
【米国】ハリウッドに蔓延するセクハラ、男性支配の構図は崩れるか? ~ハリウッドのパンドラの箱~
【米国】とメキシコ国境に建つトランプの「壁」の試作品 ~国境の街の反応は?~
【中国】日本の6倍売り上げる店もローソン快進撃の理由 ~日系コンビニ初の南京出店~
【アジア】タイとマレーシアが外国人労働者の人権対策を進める理由
【欧州】もう一つの東西分裂 ~ LGBTへの偏見が深く残る東欧諸国~
【中国】新任常務委員お披露目 ~ネクタイの色が示す習総書記の権力基盤~
【米国】トランプ大統領が描く従来と違うレッドライン ~北朝鮮は世界の問題に~
【欧州】英航空・防衛大手企業が受注苦戦で大リストラ ~英国のEU離脱も影響か~
【アジア】度重なる不祥事で日本企業のイメージ失墜 ~アジア商戦にも逆風~
【中国】で日本の「どら焼き」や「カステラ」が売れない理由 ~風土で違う味覚~
【中国】ユニコーンが55社、加速する起業ブーム ~課題は人材確保~
【欧州】ドイツ議会選挙で極右政党が大躍進 ~危機感強める経済界~
【米国】サンオノフレ原発の核廃棄物移転を訴えた地域住民が“勝った”理由
【欧州】カタルーニャ独立は正しい選択なのか? ~住民投票で9割支持~
【米国】トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民
【中国】信用情報システム「芝麻信用」とは? ~個人の信用力を点数化~
【米国】北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ ~1937年不況の再来?~
【欧州】英国のEU離脱選択で中東欧からの移民が激減 ~人手不足で農業は窮地に~
【欧州】ドイツ自動車業界を襲うディーゼル締め出し判決 ~EV普及の契機となるか~
【欧州】身近で頻発するテロで苦境に陥る欧州の観光業 ~ISが戦術を転換~
【中国】住宅を入手しやすい「新一線都市」が人気 ~地方の生活水準が向上~
【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~
【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】手作りの即席みそ汁 ~「みそまる」~

2017年12月13日 | 医療・保健・福祉・介護
 家族の人数が少なくなると料理は簡単になるようで、逆に一人分や二人分だけを作るのは難しいこともある。急にみそ汁が飲みたいと思ったときのために、即席みそ汁のもとを作っておくと便利だと聞いて試してみた。「みそまる」といって、料理本も何冊か出ていて愛好家もいるようだ。
 ボウルに、みそ汁四人分のみそ(70~80グラム程度)と粉末だしを入れてよく混ぜる。長ネギはゴマ油で炒めるか、レンジで加熱して水分を飛ばしておく。ボウルのみそに、長ネギ、乾燥ワカメ、油揚げなどを適当に入れて混ぜ、4等分してラップで包むとできあがり。
 飲みたいときに、みそまる一つをおわんにいれて熱湯を注げば、みそ汁になる。寒い朝、体を温めるのにも良いし、風邪や二日酔いで体調が悪いときにも役立つ。冷凍保存しておいて、バーベキューや登山などアウトドアに持参するのも気が利いている。
 具には揚げ玉、かつお節、干しエビ、しらす干し、乾燥野菜、チーズ、おぼろコンブなど、水分を含まずお湯をさしてすぐ食べられるものが適している。 

□南雲つぐみ(医学ライター)「手作りの即席みそ汁 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月8日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】人の判断はなぜ歪むのか/2人の研究者の友情物語 ~『かくて行動経済学は生まれり』~

2017年12月13日 | 批評・思想
★マイケル・ルイス(渡会圭子・訳)『かくて行動経済学は生まれり』(文藝春秋 1,800円)

 (1)今年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大学で行動経済学を教えるリチャード・セイラー教授が受賞した。
 現実の人間は、感情に支配され、間違いを犯すこともあり、限定的な合理性しか持たないのであって、それを考慮して経済学を作り直すというのが行動経済学である。
 本書は、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーという2人の天才心理学者が行動経済学の基礎を生み出すまでのドラマを描いたものだ。著者は、かつてブラッド・ピット主演で大ヒットした米映画「マネー・ボール」の原作者のマイケル・ルイスだ。
 米メジャーリーグの貧乏球団がデータ分析を駆使し、優良選手を低予算で集めて大躍進した実話を描いた。専門家の判断も大きく歪むことがあり、多くの業界でもデータ分析によって、業績が著しく改善するとして注目された。

 (2)新作は、執筆の経緯がまた面白い。著者は、セイラー教授による『マネー・ボール』の書評で、「この著者は人の判断がなぜ歪むのかというカーネマンとトヴェルスキーの研究を知らないのか」と指摘された。それを読んだルイスは、この2人の研究に着目する。過去に、人の欲望に焦点を当てて金融界にさまざまな角度から切り込む著作を発表してきたルイスが、人の心を研究する行動経済学に興味を持つのは時間の問題だった。
 経験則に左右されて人の行動が系統的に歪むことや、効用を最大化するのではなく、後悔を最小化しようと行動するという行動経済学の考え方が学べる。医療過誤や経営判断の誤りの回避など、2人の研究がさまざまな分野で役立っていることも分かる。

 (3)ただし、本書は、行動経済学の入門書ではない。同じ大学に勤めながらも互いを避けていた2人が、意気投合して新しい心理学の構築に熱中する。そして、頭脳を共有するほど濃密な共同研究を続けるという友情物語である。
 もっとも、世の称賛は天才肌のトヴェルスキーに集中し、2人は決別する。その3日後、カーネマンにトヴェルスキーから余命6カ月の宣告を受けたとの電話があり、2人の友情は永遠のものに変わる。5年後、存命中のカーネマンだけがノーベル経済学賞を受賞した。

 (4)人はランダムなデータを見ても、パターンを勝手に読み取るのが得意である。一度、仮説や解釈を受け入れると、過剰に信じて見方を変えられない。歴史的事実を全て観測しているのではないのに、歴史家も断片的な事実を組み合わせ、後知恵で物語を作る。世界を認識する際、物語にするのは人の本性なのか。それが判断を誤らせる。

□河野龍太郎(BNPパリバ証券経済調査本部長)「人の判断はなぜ歪むのか/2人の研究者の友情物語  ~私の「イチオシ収穫本」~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月16日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【本】エネルギーの本質を学ぶ ~『エネルギーを選びなおす』~
【本】JR九州の勢いの秘密を凝縮 ~読んで元気が出る人間の物語~
【本】日本は英国の経験に学べ ~『イギリス近代史講義』~
【本】噴火の時待つ巨額損失のマグマ ~『異次元緩
【本】“立憲主義”の由来を知る ~『立憲非立憲』~
【本】日本語特殊論に与せず ~『英語にも主語はなかった』~
【本】小国の視点で歴史を学ぶ ~『石油に浮かぶ国/クウェートの歴史と現実』~
【本】日本における婚姻を考える ~『婚姻の話』~
【本】元財務官僚のエコノミストが日本経済復活の処方箋を説く ~『日本を救う最強の経済論』~
【本】歴史を知らずに大人になる不幸 ~『戦争の大問題 それでも戦争を選ぶのか。』~
【本】私たちの食卓はどうなるのか ~工業化された食糧生産の脆さ~
【本】歪み増殖していく物語に迷う ~『森へ行きましょう』~
【本】加工食品はどこから来たのか ~軍隊と科学の密な関係~
【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~
【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~
『【本】『世界をまどわせた地図』
【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~
【本】【神戸】「自己満足」による過剰開発のツケ ~『神戸百年の大計と未来』~
【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~
【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~
【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~
【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~
【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~
【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~
【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~
【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~
【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』
【本】中国から見た邪馬台国とは
【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~
【本】『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』
【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』
【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~
【本】バブル崩壊後の経済を総括 ~『日本の「失われた20年」』~
【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』
【本】時代による変化、方言など ~『オノマトペの謎 ピカチュウからモフモフまで』~
【本】冷笑的な気分に喝を入れる警告と啓発に満ちた本 ~『日本中枢の狂謀』~
【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~
【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~
【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~
【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~
【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~
【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~
【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~
【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~
【本】国谷裕子『キャスターという仕事』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ

2017年12月12日 | ●佐藤優
 ①水野操『AI時代を生き残る仕事の新ルール』(青春出版社 840円)
 ②中島岳志『親鸞と日本主義』(新潮社 1,400円)
 ③経産省若手プロジェクト『不安な個人、立ちすくむ国家』(文藝春秋 1,500円)

 ①は、AI(人工知能)との付き合い方を知るためのよい手引きだ。
 <本書では、AI時代に本当に私たちの仕事は失われていくのか、あるいはそれは大げさな話なのかを考察してきた。これまで何度も述べてきた通り、現在使用されている、あるいは近い将来開発されるであろうシステムは弱いAIで、特定の限られた機能については圧倒的に強力な力を持つが、人間が普段やっている仕事を総合的にこなすことはできないというのが筆者の現時点での結論だ>
 という水野氏の見解には説得力がある。AIを恐れずに上手に使いこなす人間の知力が求められる。

 ②は、「危険な思想」について考察したチャレンジングな著作だ。右翼思想と日蓮の関係についてはよく語られるが、中島氏はそれを親鸞との文脈で捉える。中島氏がそこで注目するのが浄土真宗大谷派の僧侶で仏教思想家の金子大榮(1881~1976年)の国体論的教学だ。
 <この国体論的教学は、煩悶する同時代人にとって魅力的だった。自己の疎外感や苦悩を他力としての大御心が包摂し、透明な民族共同体の中に溶け込んでいく。念仏は「南無日本」へと変転し、戦死には壮大な意味が与えられる。祖国日本は浄土そのものであり、苦しみの穢土から抜け出すことができる。
 悩みもない。疎外感もない。辛いこともない。すべては他力の恍惚に回収される。
 そんな国体的ユートピアが、親鸞の論理と接続する形で構築された。浄土教が生み出した国体論が、逆に浄土教を飲み込んでいく現象が起こったのである>
 と中島氏は指摘する。浄土真宗だけでなく、キリスト教を含む日本の全ての宗教には国体ユートピアに吸収される危険があることを実感した。

 ③を読むと、若手官僚の思想の底の浅さが浮き彫りになる。
 <このレポートの大きなテーマの一つは「繋がり」が個人の幸福度に大きく影響するという点なのですが、「1人暮らしの高齢者は三世代同居より生き甲斐を感じにくい」というデータを紹介しているほかは、あまり家族という単位にこだわらず、むしろ地域コミュニティへの言及を厚くしています。家族よりはもう少し大きな単位を念頭に置いた方が、今後の繋がりや共同体を考える上で現実的なような気がしたためです>
 とのことだが、家族と地域コミュニティの断層を埋めることはそう簡単ではない。そもそもこの人たちにはコミュニティ(地縁的な自然な共同体)とアソシエーション(自発的結社)の区別もついていない。こういう官僚たちに未来を委ねるのは不安だ。

□佐藤優「宗教と国体論の危険な関係 ~知を磨く読書 第227回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月16日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】健康食品を選ぶとき

2017年12月11日 | 医療・保健・福祉・介護
 健康食品を買うとき、「濃縮パワー」とか「元気の源!」とかいった分かりやすいキャッチフレーズが目に付きがちだ。
 しかしそれでは、何が自分の健康にいいのかは分からない。商品パッケージなどのどの部分を確認したらいいのか、(一財)医療経済研究・社会保険福祉協会の発行する「知っておきたい健康食品の基礎知識・Q&A(健康食品手帳付け)」では、次のようにポイントを示す。
 まず、「原材料表示」は、具体的な物質名や抽出方法などが分かるかどうかを確認しよう。「○○抽出物」「××エキス」などと書かれているだけで、その商品に含まれている具体的な物質名がないものは好ましくない。
 例えば「ウコン抽出物」とだけしか表示されていなければ「どれくらいの量のウコン」「どのような抽出方法で」「何を抽出したのか」が分からない。これでは、その製品が有効か、安全かが分からない。
 ウコンの場合、アキウコン、ハルウコン、ムラサキウコンなどの種類があり、成分であるクルクミンの含有量には大きな違いがある。

□南雲つぐみ(医学ライター)「健康食品を選ぶとき ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月5日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】エネルギーの本質を学ぶ ~『エネルギーを選びなおす』~

2017年12月11日 | 批評・思想
★小澤祥司『エネルギーを選びなおす』 (岩波書店、2013)

 脱原発を主張する人は、一次エネルギーと電源構成源を混同し、再生エネルギーへ過度の期待をし、エネルギーの歴史への無知など不勉強の印象が強い。しかし著者は、丹念に歴史を説き、石油と電気漬けの現代を冷静に分析する。
 福島原発事故の教訓を生かして脱原発を目指し、一次エネルギー供給を原子力に頼らず、化石燃料の使用も減らす。再生エネルギーを中心に、発電だけでなく熱もコジェネレーション(排熱利用)で活用する。生活に欠かせないエネルギーのベストミックスは、地域ごとの事情で組み合わせて持続可能な体制にすることだと強調する。一読後、エネルギーを選び直したくなる。でも、エネルギーの約45%を使う産業用と都市住民は地産地消が可能だろうか--。

□庄司太郎(元アラビア石油取締役、オイルアナリスト)「エネルギーの本質を学ぶ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月16日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【本】JR九州の勢いの秘密を凝縮 ~読んで元気が出る人間の物語~
【本】日本は英国の経験に学べ ~『イギリス近代史講義』~
【本】噴火の時待つ巨額損失のマグマ ~『異次元緩
【本】“立憲主義”の由来を知る ~『立憲非立憲』~
【本】日本語特殊論に与せず ~『英語にも主語はなかった』~
【本】小国の視点で歴史を学ぶ ~『石油に浮かぶ国/クウェートの歴史と現実』~
【本】日本における婚姻を考える ~『婚姻の話』~
【本】元財務官僚のエコノミストが日本経済復活の処方箋を説く ~『日本を救う最強の経済論』~
【本】歴史を知らずに大人になる不幸 ~『戦争の大問題 それでも戦争を選ぶのか。』~
【本】私たちの食卓はどうなるのか ~工業化された食糧生産の脆さ~
【本】歪み増殖していく物語に迷う ~『森へ行きましょう』~
【本】加工食品はどこから来たのか ~軍隊と科学の密な関係~
【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~
【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~
『【本】『世界をまどわせた地図』
【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~
【本】【神戸】「自己満足」による過剰開発のツケ ~『神戸百年の大計と未来』~
【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~
【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~
【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~
【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~
【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~
【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~
【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~
【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~
【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』
【本】中国から見た邪馬台国とは
【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~
【本】『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』
【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』
【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~
【本】バブル崩壊後の経済を総括 ~『日本の「失われた20年」』~
【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』
【本】時代による変化、方言など ~『オノマトペの謎 ピカチュウからモフモフまで』~
【本】冷笑的な気分に喝を入れる警告と啓発に満ちた本 ~『日本中枢の狂謀』~
【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~
【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~
【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~
【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~
【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~
【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~
【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~
【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~
【本】国谷裕子『キャスターという仕事』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【保健】ストレスでがんリスク上昇 ~ただし、男性に限る~

2017年12月10日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)あなたは普段の生活で、どの程度ストレスを感じていますか?
   「少しだけ」
   「平均的(人並み)」
   「たくさん」──。

 (2)国立がん研究センターの「JPHC研究」によると、精神的ストレスを「強く」感じている人は、発がんリスクが高いようだ。
 同研究は、1990~94年に40~69歳(平均年齢53歳)の成人男女を登録し、生活習慣と疾患との関連を調査したもの(継続中)。登録時点で体格指数や飲酒・喫煙といった生活習慣、果物、野菜の摂取量などを尋ねている。精神的ストレスについては、冒頭の質問を投げかけ、三つの回答と発がんリスクとの関連を解析した。
 登録者数10万1,708人のうち、平均17.8年におよぶ追跡期間中にがんを発症したのは1万7,161人。登録時に自覚していたストレスレベルとの間には関係性は認められなかった。
 しかし、5年目、10年目に実施した再質問の回答を分析した結果、追跡初年度から5年の間にストレス度が増加した人は、ストレスが「少ない」と自覚していた人より、発がんリスクが4~6%上昇。
 3回の調査全てに回答した7万9,301人について解析した結果、10年間、常にストレス度が高かった群は、低かった群より発がんリスクが11%上昇していた。ただし、この関係が明確に示されたのは「男性」のみ。

 (3)男性に限定して解析してみると、登録時のストレス度が「平均的」だった場合でも、追跡期間中にストレス度が増強した群は、一貫して低かった群と比べ、発がんリスクが20%も増加していることが判明した。特に喫煙者、飲酒者、がんの家族歴がない(つまり遺伝とは明確な関係がない)参加者で強い関連が認められた。
 研究者は「男性はストレスに対処する際、喫煙や飲酒に頼りがち」と指摘し、実際「ストレスの影響は、喫煙、飲酒の習慣や肥満の人で顕著だった」としている。
 ただし、ストレッサー(原因)から逃れたくても、そうは簡単にはいかない。したがって冒頭の質問に対し、即座に「たくさん」と回答した男性は、まず生活習慣を改善しておきましょう。

□井出ゆきえ(医学ライター)「ストレスでがんリスク上昇/ただし、男性に限る ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.377~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月9日号)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 【参考】
【保健】死亡率が最大5倍超に ~がん代替療法の選択で~
【保健】認知症と性格の関係 ~責任感は予防的に働く~
【保健】手洗い励行の季節 ~CDC推奨の方法は~
【保健】何を食べていましたか? ~認知良好な69~71歳の場合~
【保健】SNSに投稿した写真が鬱病診断の手がかりに?
【保健】もし妻が乳がんに罹患したら ~10月はピンクリボン月間~
【保健】ダイエット法の新説は最大18時間の絶食 ~朝・昼2食でBMI低下~
【保健】秋の登山でも水分補給を ~脱水係数で消費量を把握~
【保健】歯周病と全身疾患との関係
【保健】尿のpHで糖尿病の発症予測 ~酸性度が高いとリスクが上昇~
【保健】ビタミンB群の過剰摂取にご注意 ~男性の肺癌発症リスクが上昇~
【保健】長距離タイムは血液型しだいか ~影響は普段の練習に匹敵~
【保健】活動格差が肥満を招く ~72万人に対する調査で判明~
【保健】認知症の発症を予防する/10代から意識すべき9因子
【保健】10代の望まない妊娠を防ぐ ~長期間効果がある避妊法を選択~
【保健】糖尿病網膜症リスクを軽減 ~26メッツ・時/週以上の運動~
【保健】ヒアリにどう対処する? ~アナフィラキシーに注意~
【保健】鬱に効くボルダリング ~悲観的な自動思考を解消~
【保健】主食をしっかり食べると公平な判断ができる
【保健】梅雨明け~お盆は熱中症の季節 ~危ない人、予防と対応法~
【保健】塩分過剰で空腹に ~高血圧どころかメタボに~
【保健】満腹より栄養素に目を向けて ~収入が低い世帯は主食頼み~
【保健】だるいときほど階段昇降を ~カフェインより効果的~
【保健】成人ADHDの予備診断 ~六つの質問でクリーニング~
【保健】“ベンゾ系薬剤”に注意 ~常用量でも薬物依存を形成~
【保健】ギャンブル依存症ってなに? ~最新の定義は「プロセス依存」~
【保健】グルテンフリー食の功罪 ~結局、2型糖尿病に?~
【保健】アジア系2型糖尿病でも全がん死リスクが上昇
【保健】「男の更年期」改善効果に疑問符 ~テストステロン補充療法~
【保健】狩猟・採集民族のチマネの人々に学ぶ ~現代的な生活は健康リスク~
【保健】玄米でカロリー消費! ~30分程度の運動に匹敵~
【保健】1日あたり0.5合程度が上限 ~認知症を予防する飲酒量~
【保健】電子たばこで禁煙補助? ~英米で見解の相違~
【保健】二つの睡眠時無呼吸症候群 ~閉塞性か中枢性かで違い~
【保健】不安やうつはがんの初期症状? ~結腸・直腸、膵臓などで関連~
【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【南雲つぐみ】神戸ルミナリエ ~40万個のLED電球~

2017年12月09日 | 医療・保健・福祉・介護
 12月17日まで、光の芸術といわれる「神戸ルミナリエ」が今年も開催。阪神・淡路大震災の起きた1995年から、今年で23回目。犠牲者の鎮魂とともに神戸市民の都市復興への夢と希望を込めた行事として続き、今では神戸の冬の風物詩となった。
 旧外国人居留地の仲町通りを抜けて東遊園地までの全長270メートルにアーチ状の光の装飾が続く。一時は規模や日程が縮小されたが、今年は光の回廊の距離が80メートル延び、始まった頃と同じになった。使用するLED電球は約40万個だそうだ。
 また、今年は神戸開港150年、来年は兵庫県政150周年を迎えるため、それらにちなんだ記念作品も設置されるという。
 メインとなる旧外国人居留地は、JR三宮駅から歩いて5分。江戸時代に幕府が諸外国と結んだ安政五カ国条約(1858年)によって、外国人自治区となった歴史を持つ。
 会期中の平日と日曜は午後9時半まで、金土は午後10時まで、光で作られた塔や回廊、聖堂を見ることができる。

□南雲つぐみ(医学ライター)「神戸ルミナリエ ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月9日)を引用
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする