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池袋ふくろう物語#13 後篇

2011年10月27日 21時49分53秒 | 池袋フクロウ物語

池袋ふくろう物語#13 後篇

 

おうちに帰ると、ママがうれしそうなかおをしていました。

 

「ママ、なんかいいことあったの?」

えんちゃんは聞きました。

 

「めったに手に入らないお野菜がかえたからうれしいの」

 

「どんな野菜?」

 

「ゴーヤっていうのよ。えんちゃんは初めて食べるわ」

 

「やったぁ!たのしみだなぁ!」

さっき見てきたゴーヤを食べれるのだと思うと、

とてもうれしくなりました。

 

待ちに待ったゆうごはんの時、

えんちゃんはすぐにゴーヤを食べました。

 

初めはだいじょうぶだったのですが

その後すぐに、いままでに食べたことのないような苦いあじが口の中にひろがりました。

 

すぐに飲み物で飲み込みましたが、まだ苦いあじは残っています。

パパとママは、えんちゃんにはまだ早かったねと言って笑っています。

 

えんちゃんは、みどりのカーテンは好きだけど、ゴーヤはあんまり食べたくないなと思いました。

 

あの男の子はゴーヤでびっくりしてないかなぁと

すこし、しんぱいになりました。

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池袋ふくろう物語#13前篇

2011年10月27日 21時41分35秒 | 池袋フクロウ物語

池袋ふくろう物語#13 前篇

 

9月のある日、えんちゃんはいけぶくろに出かけました。

8月の間はふくろ森で遊んでいたので、久しぶりの池袋です。

 

おもしろいものはないかなと思いながら飛んでいると、

植物のつるが見えるおうちがあります。

 

いつもなら車や電車、人間が見えるのに、

しょくぶつのつるが見えたのはははじめてでした。

 

あれはなんだろう?えんちゃんは飛ぶのをやめて、おうちの近くの木にとまりました。

つるがあるところを見ると、うえきばちにゴーヤが植えてありました。

うえきばちには「みどりのカーテン」と書いてあります。

 

あみにゴーヤのつるをまかせて、

カーテンのようにしているのです。

 

ゴーヤの向こうにはおうちの窓があって、

 おもしろいなぁと思ってえんちゃんが見ていると、人間の声が聞こえてきました。

小さな男の子と、おばあちゃんが外に出てきてしゃべっているようです。

 

「わぁ、すごいねこれ!なんていうの?」

 

「ゴーヤって言うのよ」

 

「なんでみどりのカーテンって書いてあるの?」

 

「ほんもののカーテンみたいにひかげをつくってくれるから、暑い日でも涼しいんだよ。

それにね、もっとすごいことがあるんだよ。」

 

「なぁに?」

 

「このカーテンはね、できたゴーヤを食べられるんだよ」

 

「ほんと?これ食べれるの!」

 

「そうだよ。そこに二つ食べごろがあるから夜ごはんの時に食べようね」

おばあちゃんは、持っていたハサミでちょきんとゴーヤのつるを切りました。

二つの大きなゴーヤは、大きなおさらにおかれました。

 

その時、家の奥の方から赤ちゃんの泣く声がしました

「ゆうちゃんがおきたみたいだね、おなかがすいてるのかもしれない!

おばあちゃん、はやくいこうよ!」

男の子とおばあちゃんはお家の中に入っていきました。

 

あわてていたのか、ゴーヤのお皿はおきざりにされています。

 

えんちゃんは二人にきづかれないように、そっとゴーヤに近づきました。

ゴーヤはでこぼこしていていましたが、おひさまの光が当たってとてもきれいでした。

 

これを食べれる男の子はいいなぁと思っていると、

二人が出てくる音がしたので、えんちゃんはいそいで飛び立ち、そのままおうちに帰りました。

 

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