水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「錦・1」

2006-08-23 21:54:54 | Weblog



清浄なる吉野の奥の天河から下界に戻る。
本来が下品の俗物で創られたワシだ。
創ったのはグレちゃんだからワシの責任じゃない。
だが未だ(不本意ながら)清浄な部分が震えていた。
そのままのノリで京都まで来てしまった。

龍村師匠の案内で実兄の龍村光峯氏の工房見学させていただいた。
伝統織物美術家の光峯氏直接の解説はとても解りやすかった。
伝統織物は総合工芸であり、総合美術である。
言葉だけでなく作品が教えてくれる。

伝統織物は、とても多くの職人達が支えている。
しかも、それぞれが名人の域に入って統合された作品だ。
今の日本を支える企業の大元の知恵が織物工芸に含まれている。
その伝統工芸が絶滅の危機に瀕している。
これが、今の日本のまぎれもない現実なのだ。

日本の技術社会の未来は日本社会が自ら壊しているのだ。
このままでは、日本に明日は無い。
無能な政治家と目の前の欲だけを追いかける経営者。
未来を創る役目を放棄した専門家達。
明日を想像できない人々。
感性を培わない教育と社会。

伝統には未来を創るヒントが数多く輝いている。
輝きを活かすのは、我々一人一人。
下品な俗物のワシにも感性はある。
多分・・・誰にでもある。
それを震わす作品に出会えばいい。
ワシは京都でもラッキーだった。



(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。)
コメント
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