カルテ番号 な・10(8)
院長は少し考えて言った。
「幾つか、私の考えを言いますね。
まず、夫婦ですが、夫婦というのは社会生活に参加する最小単位の組織です。
もちろん社会に参加するのに、組織を持たない人もいます。
生涯独身でも社会参加には変わりません。
お互い助け合う目的での夫婦もいるでしょう。
家庭という家族を持つ基礎として夫婦になる場合が多いですね。
社会参加ですから、経済的な事が多く係わります。
つまり幾つかのパターンがありますが、心の問題は夫婦のメインではないと思っています」
千代はそういう夫婦の説明は初めて聞いたが、実に納得できる。
子供ができなかったことが、心の負担であった。
夫婦は子供ができて、家族をつくるものだと思っていた。
夫婦は心が通じ合わなければ、出来損ないの夫婦だと思っていた。
千代にはその両方が無かったから、自分は妻として失格ではないかと思っていたのだ。
院長は続けて言った。
「夫婦は家族の基礎ですが、赤の他人のつながりです。
ですから心が頼りで夫婦となっていると思われがちです。
ところが心は安定していません。
簡単に変わるのです。
ですから、契約という形で夫婦になっているのです。
心の結びつきなら恋人という形でいいでしょう。
ただし、恋人は家庭を作るという長期間には向いていません」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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