羽田空港の滑走路を出雲行・1667便が、今まさにのエンジン全開離陸態勢
に入っています。
空の旅の楽しみ方は人それぞれですが、その一つは上空からの眺めでしよう。
日常の複雑な人間関係や様々な問題から、ひと時でも離れてタカの目で下界
(物事)を俯瞰できる爽快さと言ってもいいでしょう。
私は数年前までは、月1程度のフライトをしていましたが、夕闇迫る東京発・
最終便からの、足下に広がる宝石を散りばめた様な首都の眺めは、それはも
う格別で、人々の営みが無数の煌めきに凝縮され、ただただ茫然と眺めてい
ました。
今回の復路は、晴天下のフライトでしたが、それはそれで、うっすらと霞むスカ
イツリーや高層ビル、無数の家々などが豆粒のように広がり、旅のお供にと、
今ハマっている作家「あさのあつこ」の時代小説、「おいち・不思議がたり」の主
人公・下町娘「おいち」のほのぼのとした人情話は、時代が変わっても普遍的な
ものとして、この霞みの下に今も息づいているのだろうと思いながら、夢中で読
み進めていると、いつの間にか機は着陸態勢に入っており、いきなり現実世界
に引き戻され、あわてて身支度に取り掛かることと相成りました。
「羽田発7時50分」 フランク永井:唄
♪星も見えない空~ 淋しく眺め~
待っていたけど 逢~えないひとよ~
さよなら~ さようなら~
俺を急かせる 最終便
あぁ~ 羽田発 7時50分~・・・・
~貴方にとって、今日も充実した一日であります様に~
羽田空港展望デッキより (2012・9・5)