恵曇港の先端にある古ぼけた木造の建物、裏手に魚網等が積み重
ねてあるところを見ると漁具倉庫の様だ。
この倉庫もかつては、漁師さん達の溜まり場として、景気付けの茶碗
酒が酌み交わされたことだろう。
この港の歴史と共に活躍したであろうこの倉庫、歳月を感じさせる佇
まいがモチーフとして良く、対岸に陣取ってスケッチをしていると、土
地の古老が物珍しそうに近寄って来て、「ア~・・・あのボロ倉庫を描
いていなさるか?」と、事もなげにおっしゃる!
そい言うおじいさんの顔も、元漁師さんらしい日焼けした肌に、深い年
輪が刻み込まれた、精悍ないい顔をしていらっしゃる。
人そして物それぞれに、一生懸命生き抜いて来た、かけがえのない歳
月が積み重ねられて行く。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~