神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた 武田家 30

2024年03月03日 19時31分01秒 | 甲越軍記
 この席を催した信形が前に出て、近習を遠ざけさせた。
晴信は五人の老臣に向かって言うに「信虎公、某を廃し信繁をもって家督を譲らんとすること数年に及び誰知らぬ者はいない。
この晴信、一国を治める才知が無く、信繁に我の十倍の孝心才智があったとしても、彼は二男、我は長子である、世間でも、信虎こそ長子を捨て庶子を立てるのは世間の理に適わぬのではないかなど様々に申しておる
当家の虚を伺う敵、信州に村上、木曽、諏訪、小笠原あるというのにわが武田の家では家嫡を廃し人心一致せず、この時に乗じて甲州へ乱入しようと諸方一度に蜂起して乱入すれば家の危機である
我に国の危急を救う器量が無く、この身を他国に漂泊してどこかの山野で餓死するとも、この身の不肖であれば、なんら惜しむことはない
武田の何某こそ家嫡を憎み、それゆえ国家を滅ぼすならば萬世の後まで誹謗を被るであろう、嘆かわしいことである汝らは、これをどう思うか」と問えば、五人は互いに顔を見合わせて一言も話さない

甘利備前守が進み出て「いにしえより長子を捨て二子を立て、愛に溺れて国を失った例は和漢共に少なからず、戦国の世には一歳でも長じて居れば采配柄を握り、他国の為に国を奪われるを防ぐ人に家を継がせたまわることが第一の急務と思いまする、君はまさに御惣領であり上下が帰伏し、才智武勇共に兼備されています
信繁君よりも優れているのは明白であります、ひとえに御屋形が長幼の順をあえて変えることは、他の者は知らず、某は御屋形の考えに同意するつもりは毛頭ありませぬ、この上は何かの方策を致すべきでありましょう」

穴山伊豆守は最前で頭を傾けていたが同じく進み出て「老臣たちを集め胸中を問いただされたからには、君の心中を明かして何かの術をお話しくださらなければ、身の難を招くでありましょう
御屋形の所業は天道人理、二つに背く未曽有の悪行、このままでは当家の滅亡は目に見えております、また信繁殿が家督を継げば一年とこの国を保つことはできますまい、この上は信虎公を廃し、晴信君を当主と成したまわるほか道はありますまい」と申された。
小山田、板垣、飫富もまた「穴山殿の申されること至極当たっており同意いたします」と一同意見を揃えた。
そして「こうなれば、速やかに行動なさらなければ、武田家危急存亡の時となりましょう」と皆声を揃えた。

晴信は、これを聞いて大いに驚き「これは思いがけぬ評定を聞いたものよ、父を廃するとはなんぞ、父母の恩は等しいと言うが、その中でも父の恩は大恩である
『君は至って尊しと言えども親しからず、母は至って親しと言えども尊からず、父よく尊親の義を兼ねたり』と申す
かかる大恩ある父を廃去し、不孝の働きをなしたなら神罰を被り、悪名は世間に広がるであろう、この上は進退を御屋形の心のままに任せるのがよい」と涙を流すのであった。






珍 確定申告の巻

2024年03月03日 09時33分40秒 | yottin日記
3月早々、再び雪国に逆戻り


年金だけになった収入では確定申告の必要はないのだけれど、スマホに国税庁からの催促が届くから、パソコンを開いて「国税庁」のページをから確定申告を始めた。
所得税もないのに所得税のページから入る滑稽さ、やって見ればいつもと同じで最後は「所得税は0円です」「確定申告の必要はありません」と去年と同じ。
三年前までは10年間ほど、今の要領で自分で確定申告をやって、税務署のポストに投函していたが、あの頃はやるたびに年末調整での戻り分の倍くらい追加徴収されていた

今はほんとに何もないから、僅か10分で終わってしまう、控除分にはまだ医療費控除も利用できるが、それなど入れなくてもゼロになるので、無駄な労力は使わない。
確定申告の必要はありませんと国税庁では言うが、「但し、住民税の必要がある場合があるので市役所で聞いてください」との但し書き
ポケットをひっくり返しても所得税どころかホコリも出ないので、役所に行くのも無駄かと思ったが、すっきりしたいから昼前に市役所へいってみた
当然ながら、確定申告コーナーが特設で設けられて受付をしていたが、そっちにはいかないで市民課の市税窓口へ行って、問いかけてみた
ここで話が終われば、確定コーナーで時間待ちをすることもない
若い職員が私が作った申告書(の一歩手前)を見て、「ご案内します」と申告会場に案内してくれた、すぐに奥から担当の女性が(これがなんと片足ぴょんぴょんで飛び跳ねて)やって来た

これは絵になる、いや映画になる、またそのキャラクターも映画にはばっちりの中年女性職員(片足ぴょんぴょんで近づいてくる市の職員を連想してみてください、映画でしょ)思わず「どうしたんですか?」と聞いてしまった
そしたら「私が悪いんです、不注意でケガしてしまって」とマスク越しに言ったから(これはますます映画になる)と思った。

「で! あなたが担当ですか?」と聞いたら「はい、そうです、こちらの席に」と言って、ぴょんぴょんと片足ゲンパで先導、思いがけず、待ち時間なしでやってもらうことに
改めて「確定申告の必要はないと国税でいいますが、ここの但し書きには市役所に問い合わせくださいと書いてあるので来たんです」と言ったら
「そのとおりですね、税務署は所得税の申告で、市は住民税の申告になりますから、所得税が無くても住民税の申告はした方が得になる場合があります
収入は年金だけなんですよね」と言って、(それなら、お得になるかも)みたいな顔
なんか住民税でも均等割りと、複数の収入があった場合の所得割みたいなのがあって、現役の時は所得税とWパンチで追加払いにな泣かされたものだった
それが清貧の暮らしになったとたん「均等割りだけですね」と言われて、嬉しいような、情けないような・・・まあ「人生はプラスマイナスゼロ」がモットーの私にとって「ケセラセラ」のうち、予定通りの人生。

「来年もまた必要ですか?」と聞いたら、「ええ、御主人生命保険に加入されていますから、また来年もおいでください」とのこと
生命保険が納税のキーワードなのか、また謎が一つ増えた、来年来たら聞いて見よう
などと思いつつ、全て忘れて、また来年も市の窓口で「申告の必要あるんですかね?」とやっちゃうんだろうな。